Category: 社会保険


社労士が教える!労働保険申告書と算定基礎届の賃金・報酬の範囲、どこが違う?

By taxlabor,

はじめに

「賃金」と「報酬」の謎を解明!労働保険申告と算定基礎届のカンタンガイド

 労働保険申告書算定基礎届、聞いたことはあっても、これらが具体的に何を意味するのか、そしてどう違うのか、わかりにくいですよね。企業経営には欠かせないこれらの手続き、特にそれぞれ対象となる「賃金」と「報酬」の違いについてピンとこない方も多いのではないでしょうか。この記事では、労働保険申告書と算定基礎届のそれぞれがどのような考え方で、何を集計対象としているのかを理解できるようにやさしく解説します。スムーズに労働保険申告書と算定基礎届の作成ができるように進めていきますので、ぜひお付き合いください。

用語の違い:労働保険申告書では「賃金」、算定基礎届では「報酬」

 まず労働保険申告書では「賃金」と表記されるものが、算定基礎届では「報酬」と表現されそれぞれ区別されています。

文書 用語
労働保険申告書 賃金     
算定基礎届 報酬     

労働保険申告書における賃金の範囲

労働保険申告書での「賃金」の全て:何が含まれ、何が含まれないか

 労働保険申告書で申告する「賃金」は、事業主が労働者に対して支払うすべての金額を指します。これには基本の給料のほか、手当や賞与など、さまざまな形で支払われる金銭が含まれます。

労働保険申告書における「賃金」の範囲とは?

 労働保険における賃金総額とは、事業主がその事業に使用する労働者(年度途中の退職者を含みます。)に対して賃金、手当、賞与、その他名称のいかんを問わず、労働の対策として支払うすべてのもので、税金その他社会保険料等を控除する前の支払総額をいいます。

賃金とするもの 賃金としないもの
基本賃金 時間給・日給・月給、臨時・日屈労働者・バート・アルバイトに支払う賃金 役員報酬 取締役等に対して支払う報酬
賞与 夏季・年末などに支払うボーナス 結婚祝金・死亡弔慰金・災害見舞金・年功慰労金・勤続褒賞金・退職金 就業規則・労働協約等の定めがあるとないとを問わない
通動手当 課税分、非課税分を問わない 出張旅費・宿泊費 実費弁償と考えられるもの
定期券・回数券 通勤のために支給する現物給与 工具手当・寝具手当 労働者が自己の負担で用意した用具に対して手当を支払う場合
超過勤務手当・深夜手当等 通常の勤務時間以外の労働に対して支払う残業千当等 休業補償費 労働基準法第76条の規定に基づくもの法定額60%を上回った差額分を含めて
扶養手当・子供手当・家族手当 労働者本人以外の者について支払う手当 傷病手当金 健康保険法第99条の規定に基づくもの
技能手当・特殊作業手当・教育手当 労働者個々の能力、資格等に対して支払う手当や、特殊な作業に就いた場合に支払う手当 解雇予告手当 労働基準法第20条に基づいて労働者を解雇する際、解雇日の30日以前に予告をしないで解雇する場合に支払う手当
調整手当 配置転換・初任給等の調整手当 財産形成貯蓄等のため事業主が負担する奨励金等 勤労者財産形成促進法に基づく勤労者の財産形成貯蓄を接助するために事業主が一定の率又は額の奨励金を支払う場合(持励金など)
地城手当 寒冷地手当・地方手当・単身赴任手当等 会社が全額負担する生命保険の掛け金 従業員を被保険者として保険会社と生命保険等厚生保険の契約をし、事楽主が保険料を全額負担するもの
住宅手当 家計補助の目的で支払う手当 持家奨励金 労働者が特家取得のため融資を受けている場合で事業主が一定の辛又は額の利子補給金等を支払う場合
獎励手当 精勤手当・皆勤手当等 住宅の貸与を受ける利益(福利厚生施設として認められるもの) 住宅貸与されない者全員に対し(住宅)均衡手当を支給している場合は、貸金となる場合がある
物価手当・生活補粉金 家賃補助のために支払う手当
休業手当 労働基準法第26条に基づき、事業主の責に帰すべき事由により支払う手当
宿直・日直手当 宿直・日直等の手当
雇用保険料・社会保険料等 労働者の負担分を事楽主が負担する場合
昇給差額 離職後支払われた場合で在職中に支払いが確定したものを含む
前払い退職金 支給基準・支給額が明確な場合は原則として含む
その他 不況対策による賃金からの控除分が労使協定に基づき遡って支払われる場合の給与

参考:労働保険対象賃金の範囲
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/dl/1-3-2.pdf

参考:厚生労働省 労働保険の適用・徴収
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/index.html

算定基礎届における報酬の範囲

算定基礎届で理解する「報酬」の範囲:金銭も現物も?何が含まれる?

 算定基礎届の「報酬」は、金銭の支払いだけでなく通勤定期券や住宅提供などの現物支給も含みます。ここからは報酬の具体的な内容と対象外となるものを明確にし、労働保険申告書の「賃金」との違いを解説します。算定基礎届の正確な作成と届出に役立つようにわかりやすく解説しますので、一度確認ください。

算定基礎届における「報酬」の範囲とは?

 報酬とは 標準報酬月額の対象となる報酬として、賃金、給料、俸給、手当、賞与などの名称を問わず、 労働者が労働の対償として受けるすべてのものを含みます。また、金銭(通貨)に限らず、 通勤定期券、食事、住宅など現物で支給されるものも報酬に含まれます。ただし、臨時に受けるものや、年3回以下支給の賞与(※)等は、報酬に含みません

報酬となるもの 報酬とならないもの
金銭(通貨)で支給されるもの 基本給(月給・週給・日給等)、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、扶養手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金、年 4 回以上の賞与 大入袋、見舞金、解雇予告手当、退職手当、出張旅費、交際費、慶弔費、傷病手当金、労災保険の休業補償給付、年 3 回以下の賞与
現物で支給されるもの 通勤定期券、回数券、食事、食券、社宅、寮、被服(勤務服でないもの)、自社製品 制服、作業着(業務に要するもの)、見舞品、食事(本人の負担額が、厚生労働大臣が定める価額により算定した額の 2/3 以上の場合)

(※)年3回以下支給される賞与は標準賞与額(=報酬ではありません)の対象になります。

(2) 現物給与の取り扱い

①通勤定期券等

 通勤手当を、金銭ではなく定期券や回数券で支給している場合は、現物給与として取り扱われますので、その全額を報酬として算入します。3 カ月または 6 カ月単位でまとめて支給する通勤定期券は、1 カ月あたりの額を算出して報酬とします。

②食事で支払われる報酬等

 事業主が被保険者に食事を支給している場合は、都道府県ごとに厚生労働大臣が定める価額に換算して報酬を算出します。
その一部を被保険者本人が負担している場合は、上記価額から本人負担分を差し引いた額を報酬として算入します。ただし、被保険者が当該価額の 2/3 以上を負担する場合は報酬に算入しません。

③住宅で支払われる報酬等

 事業主が被保険者に社宅や寮を提供している場合は、都道府県ごとに厚生労働大臣が定める価額に換算して報酬を算出します。その一部を被保険者本人が負担している場合は、厚生労働大臣が定める価額から本人負担分を差し引いた額を算入します。
価額を算出する場合は、居間、茶の間、寝室、客間等、居住用の室を対象とします。玄関、台所、トイレ、浴室、営業用の室(店、事務室等)等は含めません。

④食事および住宅以外の報酬等

 食事および住宅以外の報酬等の価額について、労働協約に定めがある場合は、その価額を「時価」として取り扱いますが、労働協約に定めがない場合には実際費用を「時価」として取り扱います。

参考:日本年金機構 定時決定(算定基礎届)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20121017.html

労働保険申告書と算定基礎届の賃金・報酬の範囲

終わりに

労働保険申告書と算定基礎届の作成をスムーズに進めるために

 このガイドが、労働保険申告書算定基礎届の作成に役立ち、賃金報酬の違いをしっかり理解して正しく申告できるようになることを願っています。複雑な手続きも、基本を押さえておけばスムーズに進められます。正確な労務管理を行ってください。

社労士が教える!算定基礎届と労働保険申告書との締め日と支払日による集計の違いを解説

By taxlabor,

春の重要な業務:労働保険申告書と社会保険算定基礎届の落とし穴と回避策

 春の訪れと共に、経営者や給与担当者には重要な仕事が待っています。それは、労働保険申告書と社会保険算定基礎届の提出です。一見単純な作業のように思えるかもしれませんが、締め日と支払日の組み合わせには注意が必要です。実は、予期せぬ落とし穴が潜んでおり、それを見落とすと大きな問題に発展する可能性があります。
 この記事では、社労士が具体的な避け方をわかりやすく解説し、さらに理解を助けるための表も提供しています。労働保険申告書の締め日と支払日の違いを把握し、適切な計算期間を確認してみましょう。

労働保険申告書:締め日と支払日の違いを理解する

 労働保険申告書では、賃金の計算集計期間が締め日と支払日によって変わります。
以下の表を参照して、それぞれのパターンにおける計算期間を確認してください。

パターン 締め日 支払日 賃金を計算集計する期間
1 月末締め(3月末日) 翌月20日払い(4月20日) 前年5月20日〜当年4月20日
2 毎月25日締め(3月25日) 翌月5日払い(4月5日) 前年5月5日〜当年4月5日
3 毎月15日締め(3月15日) 当月末払い(3月末日) 前年4月末日〜当年3月末日
4 月末締め(3月末日) 当月25日払い(3月25日) 前年4月25日〜当年3月25日

算定基礎届:支払基礎日数を確認する

 次に社会保険算定基礎届における報酬の集計期間と支払基礎日数も、締め日と支払日によって異なります。以下の表で、主なパターンの報酬の集計期間と支払基礎日数を確認しましょう。

月末締め(4月30日) 当月末払い(4月30日)の場合

月末締め(4月30日) 当月末払い(4月30日)
集計期間 支払基礎日数
4月 4月1日〜4月30日 30日
5月 5月1日〜5月31日 31日
6月 6月1日〜6月30日 30日

月末締め(3月31日)翌月10日払(4月10日)

月末締め(4月30日) 当月末払い(4月30日)
集計期間 支払基礎日数
4月 3月1日~3月31日 31日
5月 4月1日~4月30日 31日
6月 5月1日~5月31日 30日

25日締め(4月25日)当月末払(4月30日)

月末締め(4月30日) 当月末払い(4月30日)
集計期間 支払基礎日数
4月 3月26日~4月25日 31日
5月 4月26日~5月25日 30日
6月 5月26日~6月25日 3q日

注意点と対策

▶ 賃金や報酬の集計期間の違いを理解する

集計ミスは深刻な影響を及ぼします。労働保険申告では保険料の過不足に直結し、社会保険算定基礎届での誤りは従業員の手取りや会社負担の保険料、さらに将来の年金や医療給付にも差異を生じさせます。賃金の計算期間をしっかり把握し、正確な申告を行うことが、全員にとっての安心に繋がります。

▶ 社会保険の算定基礎届出書の場合、支払基礎日数の確認は必須

保険料の算定において、支払基礎日数が多い月と少ない月が存在するため、正しい集計を行うことが不可欠です。集計ミスを防ぎ、適切な保険料が算出されるよう細心の注意を払いましょう。特に、支払基礎日数が17日以上の月と未満の月を正確に区別することが、保険料の正確な申告には重要です。

▶ 締め日と支払日の組み合わせを見直す

可能であれば、これを機に【 締め日と支払日の組み合わせ 】を見直し、管理がしやすい方法を選択することも一つの方法です。

労働保険年度更新に関する用紙のダウンロードはこちら

 年度更新に必要な用紙等は厚生労働省ホームページからダウンロードできます。
主要様式ダウンロードコーナー (労働保険適用・徴収関係主要様式)】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouhoken.html

算定基礎届に関する用紙のダウンロードはこちら

 算定基礎届に必要な用紙等は日本年金機構ホームページからダウンロードできます。
日本年金機構:定時決定のため4月~6月の報酬月額の届出を行うとき】
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/hoshu/20141225.html

正確な申告でスムーズな企業運営を実現するためのポイントを押さえましょう

 算定基礎届と労働保険申告書の正確な作成と申告は、社員の権利と補償を確保するうえでとても重要なことです。この記事で紹介したポイントと表を参考にして、スムーズに書類作成と届け出(申告)を完了させましょう。
 社労士である我々としては、正しい知識と理解に基づいた申告作業が、従業員と企業の両方にとって最良の結果をもたらすものだと考えています。
 計画的に進め、期限内に正確な書類を提出し、将来的な問題(中継間違いによる保険料の過誤納や不足など)が起きないようにしてください。

関連記事『労働保険申告書の書き方と特殊なケースの取り扱いを社労士が解説!』

 労働保険申告ガイド:計算と申告のポイント解説!
 経理や労務を担当する皆さん、労働保険申告の季節がまたやってきました。この時期は、労働保険料の計算と申告に正確さが求められます。特に、締め日や支払日に基づく計算期間(集計期間)の理解は必須です。本記事では、これらのポイントを明快に解説し、さらに、よくある複雑なケースの取り扱いについても詳しくご紹介します。興味深く、そして有用な情報を得られることを願っています。
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『労働保険申告書の書き方と特殊なケースの取り扱いを社労士が解説!』

関連記事『労働保険申告書の「賃金」と算定基礎届の「報酬」はどこが違うの?社労士が解説!』

 労働保険申告書の「賃金」と算定基礎届の「報酬」の違いを一挙解説!
 経営者や人事担当者必見!
労働保険申告書と算定基礎届の違いを理解し、正確な手続きを行うためのガイドです。賃金と報酬、似て非なるこれらの用語にはどんな違いがあるのか?それぞれの申告書でどう区別され、どんな項目が含まれるのかを、わかりやすく解説します。労働保険の手続きをスムーズに進め、正しい報告を行うために、この記事をお見逃しなく!
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『労働保険申告書の「賃金」と算定基礎届の「報酬」はどこが違うの?社労士がわかりやすく解説!』

2024年10月より児童手当最大3万円へ拡充!所得制限なしへ支給時期は12月から

By taxlabor,

2024年10月分より子ども1人15,000円の児童手当が拡充!所得制限や年齢制限も緩和で2024年12月から支給予定

政府は令和6年2月16日に閣議決定

 政府は、拡充を予定している児童手当を2024年10月からとし、支給回数も年3回から6回に変更することで、24年12月に前倒し支給すると閣議決定しました。
 具体的には所得制限がなくなり、支給期間も延長され、第3子以降には3万円が支給される予定です。ただし、現時点の情報であり、詳細については市区町村窓口や厚生労働省ホームページで随時確認が必要です。

参考:読売新聞オンライン『児童手当の支給期間「高校生年代まで」に延長へ…第3子以降は年齢問わず月3万円(2024年2月16日)』

第3子以降の児童手当額は月1万5千円から2倍の3万円へ

政府は第3子以降の児童手当の支給額を倍増し、現行の月1万5千円から3万円に引き上げることを発表しました。この拡充は、岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の一環であり、多子世帯への支援を強化する狙いがあります。

所得制限も撤廃し支給対象年齢も18歳まで引き上げへ

現行の児童手当は、子どもが生まれてから中学校卒業までの間に世帯ごとに支給されます。第1子と第2子は月額1万円(0〜2歳は1万5千円)、第3子以降は月額1万5千円、中学生以降は月額1万円が支給されています。ただし、世帯主の年収が960万円を上回る場合は特例給付となり、支給額が減額されます。2022年10月からは、世帯主の年収が1,200万円を上回る世帯は児童手当の支給対象外となっています。

政府は上記の所得制限を撤廃し、対象をすべての子どもに拡大する方向で調整しています。また、手当の支給対象年齢も高校生(18歳)まで引き上げる予定で、拡充は2024年10月分からとし支給は2024年12月となる予定です。

事前準備として現行の児童手当及び児童扶養手当制度の概要をご紹介

今回は、児童手当の改正による拡充の内容や所得制限の撤廃のお知らせを機に、現行の『児童手当』と『児童扶養手当』の内容も含めて紹介していきます。

児童手当の自動計算サイトもご紹介

さらに、現在の児童手当や児童扶養手当について理解を深めていただくため、<児童手当・特例給付の自動計算サイト>も紹介しますので、それを活用して最適な支給方法や手続きを事前に検討してください。

1.児童手当とは?

まずは『児童手当』についてご紹介します。
児童手当は、子供を養育している世帯に支給される給付金です。
以下は児童手当の要件と支給額の概要です。

1. 支給対象

中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方

2. 支給額

1.所得制限限度額未満
⑴ 3歳未満 → 15,000円
⑵ ①3歳から小学校修了前(第1子・第2子) → 10,000円
  ②3歳から小学校修了前(第3子以降) → 15,000円
⑶ 中学生 → 10,000円
2.所得制限限度額以上、所得上限限度額未満(特例給付)
・ → 5,000円
3.所得上限限度額以上
・ → 支給なし(支給対象外)

※「第3子以降」とは、18歳の誕生日後の最初の3月31日まで養育している児童のうち、3番目以降を指します。
所得が一定以上の場合は、月額一律5,000円となります。

3.児童手当の支給額シミュレーションサイト

支給額のシミュレーションは以下のサイトで確認しましょう。

児童手当・特例給付の自動計算サイトKeisan(生活や実務に役立つ計算サイト)
https://keisan.casio.jp/exec/system/1529042213

4. 支給時期

毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当を支給します。

5. その他の要件

⑴ 児童が日本国内に住んでいる場合に支給されます。ただし、一定の要件を満たす場合には留学中の海外に住んでいる場合でも支給される場合があります。
⑵ 父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給されます。
⑶ 父母が海外に住んでいる場合、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給されます。
⑷ 児童を養育している未成年後見人や施設の設置者、里親などにも支給される場合があります。
⑸ 市区町村が児童手当から保育料や学校給食費などを徴収することも可能です。

6.現況届の提出は不要

2022年6月から、児童手当の受給条件を満たしているか確認するための現況届の提出が不要となっています。

なお「配偶者と別居している」「DV被害等の理由により住民票上の住所以外の市区町村で児童手当を受給している」等の場合は引き続き現況届の提出が必要です。

2.児童扶養手当とは?

では次に『児童扶養手当』についてご紹介します。

児童扶養手当は、子どもがいる世帯に支給される給付金であり、児童手当とは異なる支給制度です。以下に児童扶養手当の内容と特徴をまとめます。

1. 目的

児童扶養手当は、離婚によるひとり親世帯や父または母と生計を同じくしていない児童の育成過程における生活の安定を支援し、自立を促進することを目的としています。平成22年8月からは父子家庭も対象となりました。

2. 対象者

児童扶養手当の対象者は、18歳到達後最初の3月31日までの子どもを養育している父または母、もしくは養育者(父母に代わって児童を養育している方)です。政令によって程度の障がいのある子どもの場合は、20歳未満まで支給対象となります。

3. 対象児童

児童扶養手当の対象児童には以下のようなケースが含まれます:
⑴ 父または母が婚姻(事実婚)を解消した後、父または母と生計を同じくしていない児童
⑵ 父または母が死亡した児童
⑶ 父または母が政令で定める程度の障がいの状態にある児童
⑷ 父または母の生死が明らかでない児童
⑸ 父または母が引き続き1年以上遺棄している児童
⑹ 父または母が配偶者からの暴力により裁判所からの保護命令を受けた児童
⑺ 父または母が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
⑻ 婚姻(事実婚を含む)によらないで生まれた児童

4. 支給額

児童扶養手当の支給額は、所得額や児童の数によって異なります。
たとえば、以下は上記一覧の「児童1人の場合」です。
⑴児童1人の場合:
① 全部支給 → 44,140円
② 一部支給 → 44,130円から10,410円(所得に応じて決定)
※令和4年の全国消費者物価指数が前年比2.5%上昇したこと等を踏まえ、令和5年4月から手当額が上記の金額に引き上げられています。

申請方法や支給期間、受給条件など、児童扶養手当に関する追加情報を提供します。

5. 申請方法

児童扶養手当の申請は、各自治体の児童相談所や市区町村役場で行います。必要な書類や手続きは地域によって異なる場合がありますので、所在地の児童相談所や役場の窓口に問い合わせるか、ウェブサイトで確認してください。

6. 支給期間

児童扶養手当は、児童の養育状況により支給期間が異なります。通常、児童の18歳到達後最初の3月31日まで支給されますが、特定の条件を満たす場合には20歳未満まで支給されることもあります。

7. 受給条件

児童扶養手当を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります:
⑴ 子どもを養育している本人(父または母、養育者)が、所得制限を満たすこと。
⑵ 子どもが18歳到達後最初の3月31日までに生まれたこと。
⑶ 児童が特定の状況に該当すること(先ほど挙げた対象児童のケース)。

8. 所得制限


児童扶養手当の支給には所得制限があります。所得制限は年収によって異なり、世帯の収入が一定の額を超えると一部または全部の支給額が減額されます。具体的な所得制限額や減額率については、地域や児童の数によって異なるため、自治体の規定を確認してください。

以上が児童扶養手当に関する基本的な情報です。児童の養育状況や収入状況によって具体的な支給額や条件が異なる場合があるため、詳細な情報を知りたい場合には、所在地の児童相談所や役場にお問い合わせください。

児童手当の最新の情報は関係機関の公式発表や公式ウェブサイトをチェックしましょう

なお、上記の情報は現時点での発表内容ですが、政府や厚生労働省などの各機関が情報を更新・変更する可能性がありますので、最新の情報を確認するためには関係機関の公式発表や公式ウェブサイトを参照することをおすすめします。

内閣府

児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html

厚生労働省

社会保障全般分野のトピックス
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150874_1157.html

東京

東京都福祉保健局:児童手当
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/teate/zidouteate.html

大阪市

大阪市:児童手当
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000370608.html

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社労士が教える!労働保険申告書の書き方「締め日」「支払日」による集計期間を解説

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はじめに

労働保険申告ガイド:計算と申告のポイント解説

 経理や労務を担当する皆さん、労働保険申告の季節がまたやってきました。この時期は、労働保険料の計算と申告に正確さが求められます。特に、締め日や支払日に基づく計算期間(集計期間)の理解は必須です。本記事では、これらのポイントを明快に解説し、さらに、よくある複雑なケースの取り扱いについても詳しくご紹介します。興味深く、そして有用な情報を得られることを願っています。

計算・集計期間の基本

 労働保険料は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間の賃金総額に基づいて計算されます。しかし、賃金の締め日や支払日は企業ごとに異なるため、正確な計算には注意が必要です。

締め日と支払日ごとの計算期間(集計期間)

 下記の表は、締め日と支払日に応じた集計すべき期間を示しています。これにより、各企業の賃金支払いパターンに即した計算が行えます。

特殊なケースの取り扱い

 労働保険申告書作成にあたり、以下のような特殊なケースに対処する必要がある場合があります。

▶ 退職した従業員から買い取った年次有給休暇

 退職者への有給休暇買取による支払いは、労働保険料の計算対象から除外します。実務上、これらを賞与として処理した場合でも、集計はしないことに注意が必要です。

▶ 結婚祝い金や慶弔見舞金の支給

 労働保険の年度更新では、結婚祝い金や慶弔見舞金などの一時金は集計に入れません。これらは労働協約や就業規則の有無にかかわらず同様です。

▶ 産休・育児休業中の社員

 産休や育児休業中の社員に支払われる出産手当金や育児休業給付金は、労働保険料の計算対象からは外れますが、在籍する人数としては集計する必要があります。これにより、正確な保険料の算出が可能になります。

▶ 派遣社員の取り扱い

 派遣社員については派遣元の労働者としての適用になりますので労働保険料の集計や支払いも派遣元で行います。

▶ 出向社員の取り扱い

 労災保険に関しては、出向元と出向先のどちらが給与を支払っているかにかかわらず、出向社員が実際に労務を提供している場所、つまり出向先での適用が原則とされます。労災保険料は、出向元から支払われる給与も、出向先で支払われているとみなし(合算して)、出向先で申告・納付される必要があります。

出向社員に対する労災保険、雇用保険、社会保険の適用と給与の扱い

 出向社員の保険適用においては、労災保険、雇用保険、そして社会保険それぞれで異なる基準があります。ここでは、出向元と出向先のどちらが給与を支払うかに関わらず、実際に労務を提供している場所や給与の支払額が多い場所を基準に、各保険の適用と給与の取り扱いを解説します。

 以下の表【出向社員に対する労災保険、雇用保険、社会保険の適用と給与の扱い】は、出向社員に適用される保険の種別ごとの取り扱いをまとめています。特に、給与の合算や適用先の決定基準が異なる点に注意が必要です。

計算上の注意点

 保険料の計算で小数点以下が出た場合は切り捨てることが原則です。ただし、労災保険と雇用保険の算定基礎額が同額の場合、合計してから切り捨てます。誤って記入した申告書の訂正には、間違いがあった箇所を明確にして訂正し、特に領収済通知書の納付額に誤りがあった場合は、新しい通知書を使用してください。

労働保険年度更新に関する用紙のダウンロードはこちら

 年度更新に必要な用紙等は厚生労働省ホームページからダウンロードできます。
主要様式ダウンロードコーナー (労働保険適用・徴収関係主要様式)】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouhoken.html

おわりに

労働保険申告の締めくくり

 企業にとって労働保険申告書の作成と提出は毎年行うべき義務です。この記事を読んでいただき、締め日や支払日に基づく計算期間の正しい理解と、複雑なケースに対する適切な対応策を身につけていただけたことを願っています。適正な申告を行うことで、いざ労災が起きても企業も従業員も必要な補償を受けることができます。常に正確な情報提供を心掛け、企業と従業員双方の利益を守ってください。

関連記事『社労士が教える!算定基礎届と労働保険申告書との締め日と支払日による集計の違い!』

 ~保険料の計算、一歩間違えれば未来まで影響大!~
春となり労働保険申告書や算定基礎届の作成と提出が必要です。しかし、それぞれの計算には「落とし穴」が潜んでおり、間違うと大きな問題に発展します。なぜなら企業や従業員の保険料負担、そして何より皆の将来の年金や健康保険の給付に大きな影響を与えるからです。
 今回の記事では、集計ミスが起こりやすい部分とそれをどう避けるかについて、明快なアドバイスを提供します。あなたの会社が直面するかもしれない問題とその解決策を、今すぐチェック
詳しくはコチラ↓↓↓
『社労士が教える!算定基礎届と労働保険申告書との締め日と支払日による集計の違い!』

関連記事『労働保険申告書の「賃金」と算定基礎届の「報酬」はどこが違うの?社労士が解説!』

 労働保険申告書の「賃金」と算定基礎届の「報酬」の違いを一挙解説!
 経営者や人事担当者必見!
労働保険申告書と算定基礎届の違いを理解し、正確な手続きを行うためのガイドです。賃金と報酬、似て非なるこれらの用語にはどんな違いがあるのか?それぞれの申告書でどう区別され、どんな項目が含まれるのかを、わかりやすく解説します。労働保険の手続きをスムーズに進め、正しい報告を行うために、この記事をお見逃しなく!
詳しくはコチラ↓↓↓
『労働保険申告書の「賃金」と算定基礎届の「報酬」はどこが違うの?社労士がわかりやすく解説!』

最新情報!2024年住民税非課税世帯給付金と定額減税の全ガイド

By taxlabor,

はじめに

新時代のサポート: 住民税非課税世帯給付金と定額減税のすべて

 いま、国民の生活を支え、未来への希望を育むために政府が提供する住民税非課税世帯給付金定額減税が大きな注目を集めています。これらの支援策を理解し、上手に活用することで、私たちの日々の生活がより豊かで安心したものになることでしょう。この記事では、2024年にスタートした住民税非課税世帯給付金(一部2023年給付済分との調整あり)定額減税の詳細を、一つ一つ分かりやすくに解説していきます。さぁ、あなたと家族の生活をより良いものにするための情報を、一緒に確認していきましょう。

▶なお概要ではなく詳細を確認したい方は、こちらをご確認ください。
 参考:内閣官房『新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置』

定額減税・各種給付の詳細

1. 住民税非課税世帯への給付金

  • 対象: 2023年度において、個人住民税が非課税の全ての世帯
  • 給付金額: 7万円(10万円から既に2023年夏以降に給付された3万円を差し引いた額となる)
      ※なお2024年度に新たに非課税となる世帯への給付金は下の4を参考にしてください
  • 注意点: 世帯全員が他の親族の扶養下にある場合は対象外→詳しい注意点は【こちら】
  •  

2. 住民税均等割のみ課税世帯への給付金

  • 対象: 2023年度において、住民税所得割非課税、均等割のみ課税の世帯
  • 給付金額: 一世帯あたり10万円
  • 注意点: 世帯全員が他の親族の扶養下にある場合は対象外→詳しい注意点は【こちら】

3. 「子ども加算」による低所得子育て世帯への支援

  • 対象: 1.と2.の対象世帯で、18歳以下の子どもがいる世帯
  • 給付金額: 子ども1人あたり5万円の加算
  • 実例: 18歳以下の子どもが2人いる住民税均等割のみ課税世帯は、給付金と子ども加算で合計20万円を受け取れる→詳しい注意点は【こちら】

4. 2024年度に新たに非課税となる世帯への給付金

  • 対象: 2024年度に住民税の均等割または所得割が非課税となる世帯
  • 給付金額: 一世帯あたり10万円、18歳以下の子どもがいる場合はさらに子ども1人あたり5万円が加算
  • 注意点: 世帯全員が他の親族の扶養下にある場合は対象外→詳しい注意点は【こちら】

5. 定額減税

  • 対象: 2024年度の所得税・住民税の納税者およびその扶養家族
  • 減税額: 所得税からは3万円、住民税所得割からは1万円が、納税者及び扶養家族1人あたり減税
  • 実例: 合計所得金額が1,805万円以下の3人世帯(納税者、配偶者、扶養親族1人)の場合、所得税からは合計9万円、住民税所得割からは合計3万円が減税され、合わせて12万円の減税効果を享受できます。→詳しい注意点は【こちら】

▶【実施時期】の詳細については、こちらをご確認ください。参考:国税庁『定額減税について』

6. 定額減税しきれない方への給付金(調整給付)

  • 対象: 定額減税後に所得税額・住民税所得割額を上回る減税額が予想される納税者及び扶養家族
  • 給付金額: 定額減税でカバーしきれない差額分
  • 実施理由: 定額減税の恩恵を全ての対象者が十分に受けられるようにするため
  • 注意点: 給付は、2023年の課税状況に基づいて算出され、後日、所得の変動等により給付額の調整が発生する場合があります。→詳しい注意点はこちら

給付金の申請及び給付の方法

 給付金の申請や給付方法は、お住まいの市区町村によって異なります。通常、準備が整い次第、給付対象者に対して案内が送付されます。案内を受け取ったら、内容を確認し、指示に従って書類を返送するか、オンラインで申請することにより、給付金を受け取ることができます。給付の詳細や申請方法、期限については、必ずお住まいの市区町村の公式情報を確認してください。

関連記事『速報!住民税非課税世帯に7万円、低所得世帯に計10万円の給付金が開始!』

速報!住民税非課税世帯に7万円、低所得世帯に10万円の給付金開始!
2023年11月2日に閣議決定された総合経済対策によると、住民税非課税世帯に対して合計10万円の給付金を実施するとのことです。
対象者は所得税非課税世帯、または住民税課税でも低所得者世帯も対象。
給付は2023年内から2024年初頭が予定されています。
詳細は各市区町村となりますが現在公開されている市区町村サイトも紹介しています。
詳しくはコチラ↓↓↓
『速報!住民税非課税世帯に7万円、低所得世帯に計10万円の給付金が開始!』

関連記事『住民税非課税ってどんな人や家庭が対象?税金のプロがズバリ解説!』

 今の時代に必要な住民税対策とは? 物価上昇や景気低迷で家計に悩むいま、住民税の非課税って具体的にどんな条件があるのか気になりますよね。節税のプロが住民税非課税の条件を解説します。この記事では、住民税非課税のノウハウを、税金のプロが分かりやすく解説します。詳しくはコチラ↓↓↓
『住民税非課税ってどんな人や家庭が対象?税金のプロがズバリ解説!』

関連記事『2024年10月より児童手当最大3万円へ拡充!所得制限なしへ支給時期は12月から』

 2024年10月より児童手当最大3万円へ拡充!所得制限なしへ支給時期は12月から
 政府は少子高齢化対策として、2024年10月から児童手当の制度が拡充します。
これまでの所得制限も撤廃され、第3子以降の子供は2倍となる月3万円の手当が支給されます。
子育て世代にとってより手厚いサポートが実施されることとなりました。
今回の記事ではこの児童手当2024年拡充の概要をまとめました。
 2024年12月からの支給開始に向け、詳細については市区町村窓口や厚生労働省のホームページで随時ご確認ください。
詳しくはコチラ↓↓↓
『2024年10月より児童手当最大3万円へ拡充!所得制限なしへ支給時期は12月から』

関連記事『2024年最新!今知るべき「4万円の定額減税」を税理士が解説!』

  2024年、新たに導入される「4万円の定額減税(所得税3万円、住民税1万円)」について、税理士が分かりやすく解説します。
給与所得者、⑵公的年金受給者、⑶事業所得者を対象とし、所得税と住民税のそれぞれの減税実施方法をまとめました。
経営者、給与担当者、そしてすべての国民にとって必見の内容です。
生活に直結するこの「定額減税」制度について、今すぐチェックし理解を深めてください。
詳しくはコチラ↓↓↓
『2024年最新!今知るべき「4万円の定額減税」を税理士が解説!』

おわりに

経済支援策を活用して豊かな生活を目指しましょう

 給付金や減税は、国民一人ひとりの生活を直接的に支援し、経済全体の活性化にも寄与する重要な政策です。この記事を通じて、皆様がこれらの支援策を最大限活用し、より豊かな生活を送ることができるよう願っています。不明な点があれば、お住まいの市区町村への相談をしてください。これらの措置が、皆様の生活に少しでも光をもたらすことを心から願っております。

令和6年の注目助成金!年収の壁対策として 労働者1人につき最大50万円!

By taxlabor,

はじめに

社会保険拡大による「年収の壁」に対して一人当たり50万円の助成金がスタート

 2024年注目されている助成金の紹介です。2023(令和5)年10月20日から「年収の壁」に対応するためキャリアアップ助成金の新コースが創設されました。
 10月1日以降、事業主が新たに社会保険の適用を行った場合、労働者1人あたり最大50万円を助成されます。
なお「年収の壁」とは、社会保険料の負担が発生する収入のボーダーラインです。会社員の配偶者などがパートやアルバイトで一定額以上を稼ぐと、手取り収入が減るため、意図的に年収を抑える傾向があります。特に106万円130万円の壁があり、これらを超えると健康保険や年金保険の負担が生じます。これにより、パートやアルバイトの人が働くことを控える傾向があり、企業の人手不足にも影響しています。
 政府は2023年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」を開始し、この問題に対処しています。このパッケージは、年収の壁を超えても手取り収入が減らないようにするための措置を含んでいます。

働く人にとって、
・「年収の壁」を意識せずに働くことができる
自分の社会保険(健康保険や厚生年金)に加入でき待遇アップにつながる
・事業主にとっても助成金を活用しながら労働者定着や人材募集の向上につながる

厚生労働省より概要動画が公開されています

厚生労働省より「対象となる事業主・労働者や、まずどんな手続が必要か」といった内容を動画で解説されていますので参考にしてください。

「年収の壁」対策で新設されたキャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」とは

厚生労働省よりこの助成金の各コースが動画で公開されています

 厚生労働省より「手当等支給メニュー」「労働時間延長メニュー」及び併用する場合について、具体例とともに詳しく解説されていますのでこちらもチェックしましょう。

・2023年10月より、労働者を新たに社会保険に加入させるとともに、収入を増加させる取組を行った事業主に、労働者1人につき最大50万円が助成されます
・支給申請の手間を改善するため手続きの簡素化も図られています

(1)手当等支給メニュー

【要件と1人当たり助成額】

 ① 1年目:賃金の15%以上を追加支給(社会保険適用促進手当) →20万円(10万×2回)
 ② 2年目:賃金の15%以上を追加支給(社会保険適用促進手当)とともに3年目以降、以下③の取組が行われていること →20万円(10万×2回)
 ③ 3年目:賃金の18%以上を増額(労働時間の延長との組み合わせも可能) →10万円

 ※社会保険適用促進手当 事業主が社会保険適用に伴い手取り収入を減らさないよう手当を支給した場合は、本人負担分の保険料相当額を上限として社会保険料の算定対象とされません。
 ※社会保険適用促進手当とは?

(2)労働時間延長メニュー

【要件と1人当たり助成額】
  週所定労働時間の延長  賃金の増額  助成額り
4時間以上の場合      増額なし   30万円
3時間以上4時間未満の場合  5%以上   30万円
2時間以上3時間未満の場合  10%以上   30万円
1時間以上2時間未満の場合  15%以上   30万円

 ※ 助成額は中小企業の場合。大企業の場合は3/4の額。
 ※ 1年目に(1)の取組による助成(20万円)を受けた後、2年目に(2)の取組による助成(30万円)を受けることが可能。
 ※ 令和5年10月1日から令和8年3月31日までの間に新たに社会保険の適用となった労働者が対象です。

キャリアアップ計画書を事前に提出しましょう

取組する前日までにキャリアアップ計画を提出しましょう

 2024(令和6)年1月31日までに取組を開始する場合はキャリアアップ計画書は2024年1月までに管轄労働局に提出しましょう。取組を開始する前日までに、キャリアアップ計画書の提出が必要です。

厚生労働省より概要動画が公開されています

 厚生労働省より「キャリアアップ計画書とは?」「キャリアアップ計画書作成に当たっての流れ」「助成金支給までの流れ」「キャリアアップ計画書の書き方」について動画で解説されていますので参考にしてください。

申請スケジュールの例

給与を月末締め・翌月15日払いで支払い、手当等支給メニューを選択した場合

 

(※)本助成金の支給を受けるには、手当の支給等の取組を6か月行うごとに、2か月以内に申請することが必要です。
(※)2024(令和6)年2月1日以降に手当の支給等の取組を始める場合は、取組を開始する前日までに、キャリアアップ計画書を提出してください

フローチャートで対象となる労働者をチェックしましょう!

※1 厚生年金保険の被保険者数が常時101人以上である事業所の場合は、週の所定労働時間が20時間 以上かつ所定内賃金が月額8.8万円以上で学生ではないこと。100人以下の事業所の場合は、週の所 定労働時間及び月の所定労働日数が常時雇用のフルタイム従業員の4分の3以上である者であること。
※2 週所定労働時間を4時間以上延長、または3時間以上延長するとともに基本給を5%増額改定する 等の措置。詳しくは、P.4の「②労働時間延長メニュー」をご覧ください。
※3 社会保険適用促進手当(事業主が社会保険適用に伴い手取り収入を減らさないよう手当、本人負担 分の保険料相当額を上限として社会保険料の算定対象としない。

キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」の概要

〈①手当等支給メニュー〉

 事業主が労働者に社会保険を適用させる際に「社会保険適用促進手当」の支 給等により労働者の収入を増加させる場合に助成します。

(※)社会保険適用促進手当は、毎月の手当として支給することが想定されますが、数ヶ月分をまとめて支給することも可能です

活用ケース①

活用ケース②(2年目に前倒して上記の表の3年目の取組(賃金の増額の場合のみ)を実施する場合)

 2年目に前倒して上記の表の3年目の取組(賃金の増額の場合のみ)を実施する場合、3回目の支給申請でまとめて助成(30万円)されます。

〈②労働時間延長メニュー〉

 所定労働時間の延長により社会保険を適用させる場合(または社会保険を適用させる際に所定 労働時間を延長させる場合)に事業主に対して助成します。 以下の表の①~④のいずれかの取組を行った場合に、労働者1人当たり中小企業で30万円(大企業の 場合は22.5万円)を支給します。

③併用メニュー

 1年目に①手当等支給メニューの取組を行い、2年目に②労働時間延長メニューの取組を行った場合に助成します。

活用ケース

社会保険適用促進手当とは?

・短時間労働者への社会保険の適用を促進するため、労働者が社会保険に加入するにあたり、 事業主が労働者の保険料負担を軽減するために支給するものです。
・給与・賞与とは別に支給され、新たに発生した本人負担分の保険料相当額を上限として、保険 料算定の基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないことができるとされています。 (最大2年間の措置とされています。)
・また、事業所内でのバランスを考慮し、事業主が同一事業所内で同じ条件で働く他の労働者に も同水準の手当を特例的に支給する場合には、同様の取扱いとすることができるとされています。

報酬から除外する手当の上限額

 社会保険適用に伴い新たに発生した本人負担分の保険料相当額とする。 ※令和5年度の厚生年金保険料率18.3%、健康保険料率(協会けんぽの全国平均)10.0%、介護保険料率1.82%の場合の本人負担分保険料相当額

社会保険適用促進手当のQ&A

1. 社会保険適用促進手当(社保手当)の 特例措置は最大2年間とのことですが、 令和5・6年度のみの措置でしょうか。
今般の措置は、継続的な賃金総額の増額に つなげていただくという観点から、新規適用 となった労働者について、最大2年間、標準 報酬月額・標準賞与額の算定において考慮し ないこととします。 なお、キャリアアップ助成金の支援対象は、令和7年度末 までに労働者に社会保険の適用を行った事業主であることか ら、同措置についても、一定期間継続することとしています。
2. 標準報酬月額・標準賞与額の算定に 考慮しないとのことですが、将来の 厚生年金の額に影響はないのでしょ うか。
社保手当については、社会保険適用に伴い 新たに発生した本人負担分の社会保険料相当 額を上限として標準報酬月額・標準賞与額の 算定において考慮しないこととしていますが、 この社保手当が保険料の賦課対象となる標準 報酬月額・標準賞与額に含まれない以上、厚 生年金の給付額の算出基礎にも含まれないこ ととなります。
3. 社保手当を支給する場合、就業規則 (又は賃金規程)を変更した上で、労働基 準監督署への届出が必要になりますか。
社保手当の支給を行う場合は、労働基準法に 基づき、就業規則(又は賃金規程)への規定 が必要になりますので、次ページの規定例を 参考に、就業規則を変更し、労働者の過半数 で組織する労働組合(ない場合は、労働者の 過半数を代表する者)の意見書を添付して、 所轄の労働基準監督署へ届け出てください。
4. 社保手当の名目で手当を支給する場合、 名称は自由ですか。
名称は労使間での話合いにより決めること も可能ですが、標準報酬月額等の算定から除 外する場合は、当該算定除外について事後的 な確認が可能となるよう、「社会保険適用促 進手当」の名称を使用するようお願いします。 また、助成金の支給審査の効率化の観点から も、同名称を使用するようお願いします。
5. 社保手当の特例(社会保険料の算定に当たって標準報酬月額等に含めない取扱い)は、 所得税や住民税、労働保険料についても対象となりますか。
今回の社保手当の特例は、社会保険料負担の発生等による手取り収入の減少を理由として就業調整を行う者が 一定程度存在するという、社会保険における「106万円の壁」への対応策として、社会保険における保険料算定 に対応するものであるため、厚生年金保険、健康保険の標準報酬の算定のみに係る取扱いとなります。
6. 社保手当は、割増賃金や平均賃金、最低賃金の算定基礎に算入されますか。
【割増賃金】(労働基準法第37条) 社会保険適用促進手当は、同手当が毎月支払われる場合には、割増賃金の算定基礎に算入されます。 他方、社会保険適用促進手当が毎月支払われず、①臨時に支払われた賃金(臨時的、突発的事由にもとづいて 支払われたもの及び結婚手当等支給条件は予め確定されているが、支給事由の発生が不確定であり、かつ非常 に希に発生するもの)、②1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与、1か月を超える期間の出勤成績 によって支給される精勤手当、1か月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当又は1か月を 超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当)のいずれかに該当する場合には、割増賃 金の算定基礎に算入されません。
【平均賃金】(労働基準法第12条) 社会保険適用促進手当が毎月支払われる場合や3か月ごと以内に支払われる場合には、平均賃金の算定基礎に 算入されます。 他方、3か月を超える期間ごとに支払われる場合には、平均賃金の算定基礎に算入されません。
【最低賃金】(最低賃金法第4条) 社会保険適用促進手当が毎月支払われる場合には、最低賃金の算定基礎に算入されます。 他方、社会保険適用促進手当が毎月支払われず、①臨時に支払われた賃金(【割増賃金】と同じ)、②1か月 を超える期間ごとに支払われる賃金(【割増賃金】と同じ)のいずれかに該当する場合には、最低賃金の算定 基礎に算入されません。

社会保険適用促進手当を就業規則等に規定する場合の例

(附 則)
(社会保険適用促進手当)
第○条 社会保険適用促進手当は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者要件を満たさずに6ヶ月間以上雇用されていた【パートタイマー(※)】が令和8年3月31日までの間に新たに被保険者となった場合において、最長2年間、当該労働者の社会保険料負担を軽減するために支給する。
2 社会保険適用促進手当は、次のとおり支給する。
一 前項に規定する【パートタイマー(※)】について、毎月の賃金の支払に関して、法令に基づき算定される社会保険料の被保険者負担分相当額を、翌月の賃金支払日に支給する。 (★)
二 前項に規定する【パートタイマー(※)】について、賞与の支払に関して、法令に基づき算定される社会保険料の被保険者負担分相当額を、賞与の支払のあった翌月の賃金支払日に支給する。 (★)
3 社会保険適用促進手当は、第一項に規定する【パートタイマー(※)】について、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者となった日の属する月以降であって、社会保険料の被保険者負担分を当該労働者の賃金から控除することとなった月から最長2年間支給するものとする。
(※)事業所での呼称を記載。
(★)社会保険適用促進手当を、社会保険料が発生した月の翌月の賃金支払日に支給する場合。
(注) 期間の上限に応じて手当の支給自体を取りやめる場合、上記規定例のように「令和8年3月31日ま での間に新たに被保険者となった場合において、最長2年間支給する」旨を規定することで、不利益 変更の問題が生じないよう対応いただくことが考えられます。

自社の状況や労働者のニーズを把握しましょう!

企業が抱える課題

最低賃金の引上げや社会保険の適用拡大により、社会保険の適用対象となる短時間労働者が増える。
→ 短時間労働者が社会保険の適用により手取り収入が減少することを避け、就業調整を行う。
→ 人手不足の状況にある企業においては、一層深刻。

助成金により、労働者が壁を越える前の働き方に戻らず、 社会保険適用後の働き方が定着するよう支援。
・労働者としては、 壁を意識せず働くことが でき、社会保険に加入する ことで処遇改善につながる。
・企業としては、 人手不足解消につながる。
・労働時間延長や業務・ 役割の見直しにより、 労働者のキャリアアップ につながる。
さらなるキャリアアップのため、正社員化や 賃上げを行った場合の助成金あり

キャリアアップ助成金 そのほか各コースのご案内

 「年収の壁」を意識しない働き方ができるようにすることのほかにも、労働者の処遇改善のため の取組を行った事業主は、本助成金の以下のコース等も活用することができます。

①賃金規定等改定コース(同一事業所内の他の労働者の処遇改善に!)

 有期雇用労働者等※1の基本給の賃金規定等※2を3%以上増額改定し、その規定を適用させた場 合に助成します。※2023年10月から2024年1月までに、社会保険適用時処遇改善コースの取組と同時 に増額改定の措置を講じる場合、2024年1月まで計画届等の提出が可能です。

労働者1人当たりの助成額

②正社員化コース(さらなるキャリアアップで正社員化する時に!)

 就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づき、有期雇用労働者等を正社員化した場合に助成します。
※令和5年11月29日以降に正社員化する労働者について、助成額が拡充されています。

労働者1人当たりの助成額と加算額

キャリアアップ助成金を受給するに当たって

対象となる事業主(全コース共通)

次のすべてに該当する事業主が対象です。

① 雇用保険適用事業所の事業主
② 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主
※キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任はできません。
③ 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格 の認定を受けた事業主
④ 実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整 備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主
⑤ キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主
※この助成金でいう事業主には、民間の事業者のほか、民法上の公益法人、特定非営利活動促進法上の特定非営利活動法人 (いわゆるNPO法人)、医療法上の医療法人、社会福祉法上の社会福祉法人なども含まれます。

次のいずれかに該当する事業主は、この助成金を受給できません。

ただし、次のいずれかに該当する事業主は、この助成金を受給できません。

① 支給申請した年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主
② 支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反を行った事業主
③ 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれらの営業の一部を受託する営業を行う事業主
④ 暴力団と関わりのある事業主
⑤ 暴力主義的破壊活動を行った、または行う恐れがある団体等に属している事業主
⑥ 支給申請日、または支給決定日の時点で倒産している事業主
⑦ 支給申請時または支給決定時に、雇用保険適用事業所の事業主でない※事業主
※雇用保険被保険者数が0人の場合や事業所が廃止されている場合(吸収合併等による統廃合や雇用保険の非該当承認を受 けている場合を含む)等を指します。

「中小企業事業主」の範囲

助成金の額については、企業の規模によって異なりますが、資本金等のない事業主については、 常時雇用する労働者の数により判定します。

お問合わせ先

・詳しくは、管轄の都道府県労働局またはハローワークへお問い合わせしましょう。
・各都道府県の働き方改革推進支援センターでも助成金に関する相談を受け付けています。
・「年収の壁突破・総合相談窓口」(コールセンター)にもご相 談いただけます。
 TEL:0120-030-045(フリーダイヤル・無料)
 受付時間:平日 8:30~18:15

まとめ

労働者の定着と人手不足の解消に活用しましょう

 この記事では、2024年にスタートした「年収の壁対策助成金」に焦点を当てて解説しました。この制度は、社会保険適用による手取り収入の減少を懸念する労働者を支援するため、労働者1人につき最大50万円の助成金が支給されます。この取り組みにより、労働者は安心して働き続けられ、事業主は人手不足を解消しやすくなると期待されています。この助成金を活用し働く人々の負担を減らし、より良い労働環境を目指すためのきっかけにしてください。

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最新!キャリアアップ助成金改正の厳しい審査をクリアする5つのポイント
 キャリアアップ助成金は年々審査が厳しくなり、申請するうえで注意すべき点が増加しています。この記事ではキャリアアップ助成金の内容を分かりやすく紹介したうえで、審査合格のための重要なポイントや、申請時に留意すべき5つの要点、助成金が支給されない可能性のある5つのケースについて詳しく解説します
詳しくはコチラ↓↓↓
『最新!キャリアアップ助成金改正の厳しい審査をクリアする5つのポイント』

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速報!キャリアアップ助成金が57万円から80万円へ拡充!助成金のプロが全ポイント解説
 速報!キャリアアップ助成金が57万円から80万円へ拡充!助成金のプロが全ポイント解説 今回はキャリアアップ助成金の専門家が、57万円から80万円への拡充について丁寧に解説!非正規雇用者から正社員への転換がスムーズに進むポイントについて分かりやすく紹介。雇用主のための手引きや、有期雇用者の要件緩和によるメリットにも焦点を当て、助成金活用のプロセスをステップバイステップで解説します。
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『速報!キャリアアップ助成金が57万円から80万円へ拡充!助成金のプロが全ポイント解説』

​「年収の壁」対策!10月からの変更点と50万円のキャリアアップ助成金

By taxlabor,

 厚生労働省が発表した「年収の壁・支援強化パッケージ」は、成長と分配の好循環を促進し、労働者の年収上限を撤廃するための新たな施策を提供します。令和5年度の高水準な賃上げと、最低賃金の達成により、中小企業や短時間労働者も賃上げの恩恵を受ける環境が整備されています。また、将来の人手不足に備え、労働参加を促進する取り組みも進められています。

具体的な対策として、以下の点が提案されています:

1. 106万円の壁への対応

 キャリアアップ助成金のコースの新設されます 短時間労働者が被用者保険に加入し、収入向上に貢献するための支援。この助成金は、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となり、収入を増加させる場合、計画的に取り組むために最大3年間にわたって支援されます。助成金は労働者1人当たり最大で50万円となります。
 社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外:短時間労働者への被用者保険の適用を促進するため、被用者保険が新たに適用された場合、事業主は当該労働者に給与や賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができます。この手当は最大2年間、当該労働者の標準報酬月額や標準賞与額に影響を与えずに支給されます。

2. 130万円の壁への対応

 事業主の証明による被扶養者認定の円滑化が図られます 被用者保険の被扶養者の認定において、一時的な収入増加がある場合、過去の課税証明書や給与明細書に加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う収入変動が一時的である旨の事業主の証明を提出することで、認定を迅速に行う柔軟性を導入します。

3. 配偶者手当への対応

 企業の配偶者手当の見直しが促進されます 収入要件のある配偶者手当の見直しを奨励し、企業に対して支援を提供。

これらの施策により、年収の壁を意識せずに働く環境が整備され、労働者の収入向上と企業の人材確保が促進されます。さらに、中小企業には事業場内最低賃金の引上げに向けた助成金も提供されます。詳細は[こちらのサイト](https://wp.me/pbIeJf-2KR)で確認できます。