子育て世代の希望広がる!児童手当が拡充&所得制限なしへ
2023.05.21
子ども1人15,000円の児童手当が拡充!所得制限や年齢制限も緩和の方向で調整!
第3子以降の児童手当額は月1万5千円から2倍の3万円へ
2023年5月、政府は第3子以降の児童手当の支給額を倍増し、現行の月1万5千円から3万円に引き上げることを検討すると発表しました。この拡充は、岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の一環であり、多子世帯への支援を強化する狙いがあります。
所得制限も撤廃し支給対象年齢も18歳まで引き上げへ
現行の児童手当は、子どもが生まれてから中学校卒業までの間に世帯ごとに支給されます。第1子と第2子は月額1万円(0〜2歳は1万5千円)、第3子以降は月額1万5千円、中学生以降は月額1万円が支給されています。ただし、世帯主の年収が960万円を上回る場合は特例給付となり、支給額が減額されます。2022年10月からは、世帯主の年収が1,200万円を上回る世帯は児童手当の支給対象外となります。
政府は上記の所得制限を撤廃し、対象をすべての子どもに拡大する方向で調整しています。また、手当の支給対象年齢も高校生(18歳)まで引き上げる予定です。具体的な支給対象数や増額のタイミングについては調整中です。
事前準備として現行の児童手当及び児童扶養手当制度の概要をご紹介
今回は、児童手当の改正による拡充の内容や所得制限の撤廃のお知らせを機に、現行の『児童手当』と『児童扶養手当』の内容も含めて紹介していきます。
児童手当の自動計算サイトもご紹介
さらに、現在の児童手当や児童扶養手当について理解を深めていただくため、<児童手当・特例給付の自動計算サイト>も紹介しますので、それを活用して最適な支給方法や手続きを事前に検討してください。
1.児童手当とは?
まずは『児童手当』についてご紹介します。
児童手当は、子供を養育している世帯に支給される給付金です。
以下は児童手当の要件と支給額の概要です。
1. 支給対象
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方
2. 支給額
1.所得制限限度額未満
⑴ 3歳未満 → 15,000円
⑵ ①3歳から小学校修了前(第1子・第2子) → 10,000円
②3歳から小学校修了前(第3子以降) → 15,000円
⑶ 中学生 → 10,000円
2.所得制限限度額以上、所得上限限度額未満(特例給付)
・ → 5,000円
3.所得上限限度額以上
・ → 支給なし(支給対象外)
※「第3子以降」とは、18歳の誕生日後の最初の3月31日まで養育している児童のうち、3番目以降を指します。
※所得が一定以上の場合は、月額一律5,000円となります。
3.児童手当の支給額シミュレーションサイト
支給額のシミュレーションは以下のサイトで確認しましょう。
児童手当・特例給付の自動計算サイトKeisan(生活や実務に役立つ計算サイト)
https://keisan.casio.jp/exec/system/1529042213
4. 支給時期
毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当を支給します。
5. その他の要件
⑴ 児童が日本国内に住んでいる場合に支給されます。ただし、一定の要件を満たす場合には留学中の海外に住んでいる場合でも支給される場合があります。
⑵ 父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給されます。
⑶ 父母が海外に住んでいる場合、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給されます。
⑷ 児童を養育している未成年後見人や施設の設置者、里親などにも支給される場合があります。
⑸ 市区町村が児童手当から保育料や学校給食費などを徴収することも可能です。
6.現況届の提出は不要
2022年6月から、児童手当の受給条件を満たしているか確認するための現況届の提出が不要となっています。
なお「配偶者と別居している」「DV被害等の理由により住民票上の住所以外の市区町村で児童手当を受給している」等の場合は引き続き現況届の提出が必要です。
2.児童扶養手当とは?
では次に『児童扶養手当』についてご紹介します。
児童扶養手当は、子どもがいる世帯に支給される給付金であり、児童手当とは異なる支給制度です。以下に児童扶養手当の内容と特徴をまとめます。
1. 目的
児童扶養手当は、離婚によるひとり親世帯や父または母と生計を同じくしていない児童の育成過程における生活の安定を支援し、自立を促進することを目的としています。平成22年8月からは父子家庭も対象となりました。
2. 対象者
児童扶養手当の対象者は、18歳到達後最初の3月31日までの子どもを養育している父または母、もしくは養育者(父母に代わって児童を養育している方)です。政令によって程度の障がいのある子どもの場合は、20歳未満まで支給対象となります。
3. 対象児童
児童扶養手当の対象児童には以下のようなケースが含まれます:
⑴ 父または母が婚姻(事実婚)を解消した後、父または母と生計を同じくしていない児童
⑵ 父または母が死亡した児童
⑶ 父または母が政令で定める程度の障がいの状態にある児童
⑷ 父または母の生死が明らかでない児童
⑸ 父または母が引き続き1年以上遺棄している児童
⑹ 父または母が配偶者からの暴力により裁判所からの保護命令を受けた児童
⑺ 父または母が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
⑻ 婚姻(事実婚を含む)によらないで生まれた児童
4. 支給額
児童扶養手当の支給額は、所得額や児童の数によって異なります。
たとえば、以下は上記一覧の「児童1人の場合」です。
⑴児童1人の場合:
① 全部支給 → 44,140円
② 一部支給 → 44,130円から10,410円(所得に応じて決定)
※令和4年の全国消費者物価指数が前年比2.5%上昇したこと等を踏まえ、令和5年4月から手当額が上記の金額に引き上げられています。
申請方法や支給期間、受給条件など、児童扶養手当に関する追加情報を提供します。
5. 申請方法
児童扶養手当の申請は、各自治体の児童相談所や市区町村役場で行います。必要な書類や手続きは地域によって異なる場合がありますので、所在地の児童相談所や役場の窓口に問い合わせるか、ウェブサイトで確認してください。
6. 支給期間
児童扶養手当は、児童の養育状況により支給期間が異なります。通常、児童の18歳到達後最初の3月31日まで支給されますが、特定の条件を満たす場合には20歳未満まで支給されることもあります。
7. 受給条件
児童扶養手当を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります:
⑴ 子どもを養育している本人(父または母、養育者)が、所得制限を満たすこと。
⑵ 子どもが18歳到達後最初の3月31日までに生まれたこと。
⑶ 児童が特定の状況に該当すること(先ほど挙げた対象児童のケース)。
8. 所得制限
児童扶養手当の支給には所得制限があります。所得制限は年収によって異なり、世帯の収入が一定の額を超えると一部または全部の支給額が減額されます。具体的な所得制限額や減額率については、地域や児童の数によって異なるため、自治体の規定を確認してください。
以上が児童扶養手当に関する基本的な情報です。児童の養育状況や収入状況によって具体的な支給額や条件が異なる場合があるため、詳細な情報を知りたい場合には、所在地の児童相談所や役場にお問い合わせください。
児童手当の最新の情報は関係機関の公式発表や公式ウェブサイトをチェックしましょう
なお、上記の情報は現時点での発表内容ですが、政府や厚生労働省などの各機関が情報を更新・変更する可能性がありますので、最新の情報を確認するためには関係機関の公式発表や公式ウェブサイトを参照することをおすすめします。
内閣府
児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html
厚生労働省
社会保障全般分野のトピックス
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150874_1157.html
東京
東京都福祉保健局:児童手当
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/teate/zidouteate.html
大阪市
大阪市:児童手当
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000370608.html