社労士が解説!キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」

2024.02.04

キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」とは?

どなたでも分かるようにこの助成金の概要を解説!

 この助成金は『働き方』を改善し、短時間労働者の社会保険加入を促進するための支援制度です。具体的には、パートやアルバイトなどの短時間労働者が社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する際に、その手取り収入が減少してしまう問題に対処するため、事業主が収入増加の取り組みを行った場合に、国から対象労働者1人につき最大50万円の助成金が支給されます。

なぜこの制度が必要なのか?

 多くの短時間労働者は、社会保険に加入すると、保険料の負担増によって手取り収入が減少してしまう「年収106万円の壁」の問題に直面しています。この壁を乗り越えることで、短時間労働者の就業意欲の向上や雇用の安定を図り、キャリアアップを促進することがこの制度の目的です。

助成金の要件は?

 この助成金を受け取るためには、以下のような条件を満たす必要があります。

1.対象者

 短時間労働者であり、社会保険に新たに加入する人。

2.事業主の取り組み

 短時間労働者の収入を増やすための具体的な取り組みを行っていること。

助成金の金額は?

 各種コースが用意されていますが、主なコースは「手当等支給メニュー」になります。

(1)手当等支給メニュー

【要件と1人当たり助成額】

 ① 1年目:賃金の15%以上を追加支給(社会保険適用促進手当) →20万円(10万×2回)
 ② 2年目:賃金の15%以上を追加支給(社会保険適用促進手当)とともに3年目以降、以下③の取組が行われていること →20万円(10万×2回)
 ③ 3年目:賃金の18%以上を増額(労働時間の延長との組み合わせも可能) →10万円

助成金の申請方法

事前に「キャリアアップ計画」の提出は必須!その後は計画どおり実施し申請へ

1.事前準備としてキャリアアップ計画の策定
 まずは、事業主は対象となる短時間労働者の収入増加策についてキャリアアップ計画を作成提出し、実施します。

2.計画を実施したあと申請手続き
 キャリアアップ計画に基づく取り組みを実施後、必要な書類を添えて、最寄りの労働局やハローワークに助成金の申請を行います。
 助成金の申請窓口の一覧はこちら

助成金受給のポイント

事前に提出した計画に基づいて実行すること

 収入増加の取り組みは、キャリアアップ計画に基づき、実行する必要があります。

申請の際には実行の結果を示すこと

 実際に取り組んだ内容や収入増加の結果は、集計して申請時に提出できるようにしておきましょう。実際には助成金の専門家である社会保険労務士に依頼することが漏れや間違いもなくおすすめです。

キャリアアップ計画とは?

 キャリアアップ計画は、短時間労働者の社会保険加入を促進し、その結果として手取り収入が減少することを防ぐための支援策です。この計画のもと、事業主が短時間労働者の収入を増加させる取り組みを行った場合、最大50万円の助成金が国から支給されます。

厚生労働省よりこの助成金の各コースが動画で公開されています

 厚生労働省より「手当等支給メニュー」「労働時間延長メニュー」及び併用する場合について、具体例とともに詳しく解説されていますのでこちらもチェックしましょう。

まとめ

別の記事で詳細を確認し、次のステップへ進みましょう!

 この制度を利用することで、短時間労働者の社会保険加入のハードルを下げ、全ての働く人が安心してキャリアアップを目指せる環境を整えることが期待されます。事業主の皆さんは、是非この機会に社会保険適用時の処遇改善に向けた取り組みを検討してみてください。
 この助成金の詳しい内容や申請方法についてもっと深く知りたい方は、「令和6年の注目助成金!年収の壁対策として 労働者1人につき最大50万円!」という関連記事をチェックしてください。こちらの記事では、具体的な申請手順や事業主が準備すべき書類、さらに成功のポイントまで、より詳細に解説しています。事業主の方々がこの助成金を最大限に活用し、従業員と共に成長するための貴重な情報を提供しています。ぜひ参考にして、あなたのビジネスと従業員のキャリアアップのための一歩を踏み出しましょう。