良い税理士の選び方【完全ガイド】失敗しないための8つのポイントと面談で使える質問集|税理士・社労士が解説
公開日: 2026.02.27
最終更新日: 2026.02.25

――「紹介で決めたが、正直物足りない」「そもそも何を基準に選べばいいか分からなかった」。税理士選びに失敗した経営者の多くが、こうした後悔を口にします。良い税理士を見極める8つのポイント・ダメな税理士の特徴・面談で使える質問集まで、約450社の中小企業をサポートしてきた税理士・社労士が完全解説します。
1. 税理士選びで失敗する経営者に共通する3つのパターン
2. 良い税理士の8つのポイント【チェックリスト付き】
3. ダメな税理士の見分け方【面談前チェック3点】
4. 初回面談で必ず聞くべき6つの質問
5. 会社の規模・ステージ別の選び方
6. 税理士と社労士は一本化すべき?
7. 税理士の探し方4ステップ
8. よくある質問(Q&A)
9. 関連記事
税理士選びで失敗する経営者に共通する3つのパターン

「知人に紹介された税理士だから」「事務所が近かったから」「料金が安かったから」——こうした理由だけで税理士を選んだ結果、数年後に「もっと慎重に選べばよかった」と後悔する経営者は少なくありません。
約450社の顧問経験から見えてきた、税理士選びで失敗するパターンは以下の3つです。
知人・取引先・金融機関からの紹介は「断りにくい」という心理が働きます。紹介された税理士が良い税理士でないとは限りませんが、「自社に合っているか」を確認せずに契約するのは最大のリスクです。紹介であっても必ず面談・比較を行いましょう。
顧問料の安さは一見メリットに見えますが、「安い=訪問なし・試算表が遅い・相談が別料金」というケースが多くあります。補助金を一件取れれば顧問料の数年分に相当することも。費用対効果で判断することが重要です。
創業時に「記帳と申告だけでいい」と選んだ税理士が、年商3億円・社員20名になった段階でも同じ税理士のまま——というケースが非常に多いです。「3年後・5年後の自社に対応できるか」という視点が税理士選びには不可欠です。
良い税理士の8つのポイント【チェックリスト付き】
以下の8項目を面談・比較の際のチェックリストとしてご活用ください。
| □ | チェックポイント | 確認すべき内容 |
|---|---|---|
| □ | ① 試算表の速報性 | 月末締め後2〜3週間以内に届くか。クラウド会計対応なら翌月10日前後が理想 |
| □ | ② レスポンス速度 | メール・チャットの返信目安は24時間以内か。緊急連絡の対応手段はあるか |
| □ | ③ 提案力・経営支援 | 節税・補助金・融資・事業承継など申告以外の提案が年間を通じて出てくるか |
| □ | ④ IT・クラウド対応力 | freee・マネーフォワード・弥生クラウドに対応しているか。DX推進を支援できるか |
| □ | ⑤ 担当者の安定性 | 担当者が頻繁に変わらないか。事務所の定着率・スタッフ教育体制はどうか |
| □ | ⑥ 業種・規模の実績 | 自社と同業種・同規模の顧問実績があるか。成長段階に応じた支援経験があるか |
| □ | ⑦ 料金の透明性 | 顧問料・決算料・スポット費用の内訳が明確か。追加費用が発生する条件は何か |
| □ | ⑧ 社労士との連携 | 給与・社会保険・助成金の相談も一括で対応できるか。社労士機能を有しているか |
8項目中6個以上が「はい」であれば、経営パートナーとして十分に機能する税理士といえます。特に①②③は「最低ライン」として外せない項目です。
特に重要な①〜③を詳しく解説
① 試算表の速報性について、月末締め後2ヶ月経って試算表が届くような状態では、経営判断が常に「過去の数字」に基づいてしまいます。クラウド会計を活用している事務所なら、翌月10〜15日前後での提供が標準的です。
③ 提案力・経営支援については、良い税理士かどうかを見極める最大の指標です。「こちらから聞かなくても、税理士側から提案が来る」かどうかが分岐点です。節税は決算直前だけでなく、1年を通じた計画が必要です。役員報酬の適切な設定・経営セーフティ共済・補助金情報・事業承継対策などを定期的に提案してくれる税理士が「良い税理士」です。
ダメな税理士の見分け方【面談前チェック3点】
「良い税理士」を選ぶためには、「ダメな税理士」を見抜く目も必要です。選び方の段階で特に意識すべき3点を確認してください。
| # | 危険サイン | なぜ問題なのか |
|---|---|---|
| ① | 初回対応が遅い・説明が曖昧 | 問い合わせへのレスポンス・料金説明の明確さは「契約後の対応」をそのまま映す鏡。初回が遅い事務所は契約後も同じ |
| ② | 面談で「聞かれたことしか答えない」 | 受け身の税理士は契約後も経営支援ができない。面談時から積極的に提案・質問が出てくる事務所を選ぶ |
| ③ | 担当者が「誰になるか」を答えられない | 代表が出てきても実務担当は別、というケースが多い。担当者の名前・経験・引継ぎ体制を具体的に説明できない事務所は要注意 |
すでに顧問税理士がいて「変えるべきか」を判断したい場合は、変更タイミングの見極め方・5つの危険サイン・断り方の文例まで詳しく解説した記事をご参照ください。
▶ 税理士変更の完全ガイドを見る
初回面談で必ず聞くべき6つの質問

「税理士の本質」は、初回面談での質問への答え方に如実に現れます。以下の6つを実際に聞いてみてください。回答の内容だけでなく、「どう答えるか」という姿勢も重要な判断材料です。
質問① 「毎月の試算表はいつ届きますか?」
◎の回答:月末締め後2週間以内・クラウド会計なら翌月10日前後
△の回答:「翌々月になることもある」「お客様の入力次第です」
試算表の速報性は経営判断の生命線です。曖昧な回答をする事務所は月次関与が形骸化している可能性があります。
質問② 「税務調査のとき、私の立場で主張してくれますか?」
◎の回答:「もちろんです。事前準備から立会い・指摘への反論まで全力でサポートします」
△の回答:「適正な申告をしていれば問題ないはずです」
「会社の味方として戦う姿勢があるか」を確認する最重要質問です。
質問③ 「補助金申請のサポートはできますか?」
◎の回答:「認定支援機関として経営計画の策定から申請までサポートできます」
△の回答:「補助金は専門外なので…」「別のコンサルタントを紹介します」
認定支援機関かどうかを確認する質問です。補助金・融資・事業承継など税理士が担える経営支援の全容は、税理士活用法まとめで詳しく解説しています。
質問④ 「実際の担当者は誰になりますか?」
◎の回答:担当予定者の名前・経歴・担当件数を具体的に説明できる
△の回答:「当社のスタッフが担当します」など曖昧
初回面談は代表が出てきても、実務担当者が別というケースは非常に多いです。担当者の安定性・引継ぎ体制も合わせて確認しましょう。
質問⑤ 「融資・資金調達の相談に乗ってもらえますか?」
◎の回答:「書面添付制度や事業計画書の作成など、融資を有利にする具体的なサポートができます」
△の回答:「融資は銀行に直接相談してください」
資金調達に積極的に関与できるかは、成長企業にとって重要な選定基準です。書面添付制度・会計参与など融資を有利にする具体的な仕組みは、税理士活用法まとめで詳しく解説しています。
質問⑥ 「給与計算・社会保険の相談も対応していただけますか?」
◎の回答:「社労士も在籍しているのでワンストップで対応できます」または「提携社労士とスムーズに連携できます」
△の回答:「税務だけです。社労士は別途ご自身でお探しください」
税務と労務を別々の専門家に分散させると、年末調整・助成金・人件費設計で毎回たらい回しが生じます。
会社の規模・ステージ別の選び方

税理士に求めるものは、会社のステージによって大きく変わります。「今の自社はどの段階か」を確認してから選びましょう。
| ステージ | 目安の年商・人員 | 税理士に求めるべきこと |
|---|---|---|
| 創業・スタートアップ期 | 〜年商5,000万円 | 創業融資支援・記帳指導・消費税の判定・法人化のタイミングアドバイス |
| 成長期 | 年商5,000万〜3億円 | 補助金申請支援・節税プランニング・資金調達・月次試算表の速報・社労士連携 |
| 拡大・安定期 | 年商3億〜10億円 | 経営計画・KPI管理・組織設計・M&A・グループ会社管理・事業承継準備 |
| 承継・出口準備期 | 年商規模問わず | 事業承継税制・自社株評価・相続対策・M&A仲介・後継者教育 |
創業時に選んだ税理士が「申告だけ」の関与しかしていない場合、年商が伸びるほどサービスとのギャップが開いていきます。年商1億円・3億円・5億円の節目でのタイミングは、税理士の体制を見直す絶好の機会です。
税理士と社労士は一本化すべき?
「税理士を新しく選ぶなら、同時に社労士との窓口も一本化する」——これは近年、急速に選ばれている選択肢です。
税理士と社労士を別々に契約したままでいると、年末調整・給与計算・助成金申請のたびに「どちらに渡したか」の確認作業が発生し、補助金(税務)と助成金(労務)を組み合わせた一体提案も受けられません。税理士を新しく選ぶこのタイミングは、社労士との窓口も一本化する絶好の機会です。
「税務と労務を同じ事務所に任せると何が変わるか」「ダブルライセンス事務所の選び方」については、以下の記事で詳しくまとめています。
▶ 社労士変更の完全ガイドを見る
税理士の探し方4ステップ

「どうやって候補を見つければいいか分からない」という経営者向けに、実務的な4ステップを解説します。
Step 1. 自社のニーズを言語化する
「何が不満で」「何を求めているか」を明確にすることが最初のステップです。「試算表が遅い」「補助金の提案がない」「社労士との連携がバラバラ」など、具体的な不満を書き出すことで、面談時の質問が明確になります。
Step 2. 複数の候補を探す
| 探し方 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 知人・取引先からの紹介 | 実績・評判を事前確認できる | 断りにくい・自社に合うとは限らない |
| ウェブ検索・事務所HPから直接 | 自社のニーズに合った得意分野で絞れる | HPの情報と実態が異なる場合も |
| 税理士紹介サービス | 条件に合う複数候補を比較しやすい | 紹介会社の評価基準が自社と一致するとは限らない |
| 商工会・金融機関からの紹介 | 地域密着型の信頼ある候補が多い | IT対応・経営支援力が弱いケースも |
Step 3. 複数の事務所で無料面談を受ける
最低でも2〜3事務所と面談することを強くおすすめします。1社だけでは比較軸が生まれません。前述の「面談で必ず聞くべき6つの質問」を持参し、回答の内容と姿勢を比較してください。面談費用は多くの事務所で無料です。
Step 4. 契約前に「担当者」と「料金明細」を確認する
契約前に必ず確認すべき2点があります。ひとつは「実際の担当者は誰か」(代表が担当するのか、スタッフが担当するのかで対応品質が大きく変わります)、もうひとつは「顧問料以外の費用一覧」(決算料・記帳代行料・年末調整料・スポット相談料など)の明細です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 税理士選びで最も重視すべき点はどこですか?
A. 会社のステージによって異なりますが、すべての段階で共通して重要なのは「試算表の速報性」「レスポンス速度」「申告以外の提案力」の3つです。この3点が担保されていれば、最低限の経営パートナーとして機能します。
Q2. 個人事務所と税理士法人、どちらがいいですか?
A. どちらが良いとは一概に言えませんが、法人の場合は複数スタッフによる引継ぎ体制が整いやすく、代表の病気・高齢化リスクに対応しやすいというメリットがあります。個人事務所は代表が直接対応してくれるケースが多い反面、担当の継続性に不安が残ることがあります。
Q3. 顧問料の相場はどのくらいですか?
A. 一般的な中小企業(年商1〜5億円・月次顧問あり)の場合、月額顧問料は2〜5万円、決算料は10〜30万円程度が相場です。記帳代行・給与計算が含まれる場合はさらに加算されます。「安すぎる」場合は月次関与がない・相談が別料金など、サービスが限定されている可能性があります。
Q4. 税理士を変更する場合、今の税理士に正直に理由を言うべきですか?
A. 必ずしも理由を詳細に伝える必要はありません。「社内体制の見直し」「会社方針の変更」という表現で十分です。大切なのは感謝の気持ちを持って丁寧に伝えること、そして契約書の解除期限を守ることです。詳しくは税理士変更の完全ガイドをご参照ください。
Q5. 業種専門の税理士とジェネラリストの税理士、どちらを選ぶべきですか?
A. 特殊な会計処理が多い業種(医療・建設・不動産・宗教法人など)は、業種専門の税理士が有利です。一方、総合的な経営支援・補助金・社労士連携を重視するなら、幅広い対応力を持つジェネラリスト型の方が適しています。自社の「一番の悩み」が何かで判断してください。
Q6. 税理士と社労士を同じ事務所に一本化するメリットはありますか?
A. 大きなメリットがあります。年末調整・給与計算・助成金申請などの連携がスムーズになり、「税理士に聞くべきか社労士に聞くべきか」という迷いがなくなります。補助金(税務)と助成金(労務)を組み合わせた一体提案も受けやすくなります。
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記事監修
寺田税理士事務所 代表 / 社労士法人フォーグッド 代表社員 / 株式会社フォーグッドコンサルティング 代表
【保有資格】税理士、特定社会保険労務士
【専門分野】税務顧問、確定申告、税務調査対応、社会保険手続き、給与計算、労務相談、助成金申請支援
【組織体制】創業75年の実績を持つ専門家集団。スタッフ20名、税理士2名・社労士6名(うち特定社労士2名)が在籍し、大阪・東京の2拠点で全国450社以上の企業をサポート。
【代表者の実績・メディア掲載】
・テレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」専門家として複数回出演(2024年5月・6月、2025年8月)
・PRONIアイミツ「税理士と社労士が在籍するおすすめ事務所」実績部門 4年連続全国1位
・中央経済社『税務弘報』にて連載執筆中「新・労務知識アップデート講座」
・著書:『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』(幻冬舎、2018年)
・著書:『雇用関係助成金申請・手続マニュアル』(日本法令、2020年)
事務所公式サイト:https://taxlabor.com/
参考リンク
日本税理士会連合会|税理士制度・資格・登録情報の確認
中小企業庁|認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の検索
国税庁|書面添付・意見徴収制度


