”節税”やその他のコスト削減には借り上げ社宅の活用が有効
【令和2年2月3日更新】
今回も前回に引き続き、助成金ではなく節税とその他のコスト削減の方法をご紹介します。
社長、役員は法人契約の借り上げ社宅に住みましょう
こんなこと考えたことはありませんか?
「社長や会社役員の自宅家賃が、会社の経費になればいいなぁ」なんて考えたことはありませんか?
住宅の賃貸借契約が個人名義の場合、その支出はもちろん個人的な支出として会社の経費にすることはできません。
また例えば家賃相当額を報酬に上乗せした場合でも、上乗せ分は役員報酬として間接的に会社の経費になりますが、あくまで役員報酬なので給与課税(所得税が課される)されることになってしまいます。
また同時に社会保険料(健康保険料及び厚生年金保険料)の負担も増加します。
賃貸借契約を法人名義にすれば会社の経費にすることが可能です
そこで、その住宅の賃貸借契約を”会社名義”として借り上げ(すなわち社宅)した場合、会社が社長個人から毎月一定の”賃貸料相当額”を徴収していれば会社の社宅にかかる支払家賃は会社経費にすることができ、社長も給与課税を受けることはありません。
家賃相当額の計算方法は?
家賃相当額の計算方法は2つある
ここで会社が社長から徴収すべき“賃貸料相当額”は下記A、Bのいずれか高い方の額になります。
A
- 家屋の固定資産税の課税標準額×12%(木造家屋以外のものは10%)
- 敷地の固定資産税の課税標準額×6%
- (1+2)÷12=適正家賃(月)
B
- 会社が支払う賃借料の額×50%
この金額さえ”賃借料相当額”として会社が社長から徴収していれば、”社長個人が経済的利益を受けている”というような理由で給与課税を受けることはありません。
通常、社長であっても自分の家賃は所得税等の税金を差し引かれた役員報酬から支払っていますが、この方法で会社借り上げの社宅に住めば社長個人も法人も節税が可能となります。
99㎡以下(木造家屋の場合には132㎡以下)の小規模な社宅の場合はさらに効果大
社宅の活用には床面積に注意すること
さらに、床面積132㎡(木造家屋以外のものは99㎡)以下の住宅である場合には、上記の計算によらないで使用人の場合の適正家賃によるため、さらに社長の家賃負担額は少なくて済みます。
※240㎡を超える豪華な社宅や、240㎡以下でもプールなどの設備や個人的な趣味嗜好が著しく反映した設備のある豪華な社宅には、上記の算式は適用されません。通常の相場並みの賃貸料(実勢価格)になりますので注意が必要です。
※注意事項
昨今借り上げ社宅について税務調査で問題視されるケースも出てきているため、借り上げ社宅制度は会社が制定した福利厚生制度の一つとして、その利用方法は会社の内規で定めるようにしてください。節税やその他のコスト削減の効果は大きいのですが、反面留意しなければいけない点も多いため、 専門家のアドバイスのもと、慎重に実施してください。
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