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【Vol.25】税務調査官がチェックする「貸倒引当金」のポイントは?

税務調査「貸倒引当金」

1問1答式で税務調査で押さえるべきポイントを解説

1 税務調査の基礎知識
2 税務調査官への対応
3 税務調査でよく指摘される項目

について押さえるべきポイントを1問1答式で解説していきたいと思います。

税務調査シリーズ目次

税務調査官がチェックする「貸倒引当金」のポイントは?

当社では不良債権の発生に備えて貸倒引当金を毎期計上しています。この貸倒引当金について、税務調査への対策として重要なポイントを教えてください。

貸倒引当金の計上は、実際に発生した損失ではなく、将来的に発生する見込みのリスクをあらかじめ損失として計上するものです。会計の原則から考えると例外的な処理の仕方といえますから、法律上認められているルールに厳密に従って計上することが必要になります。
また、恣意的な利益操作と判断されないようにするために、毎期同じルールに従って計上することも重要であることも理解しておいてください。

貸倒引当金を計上できる項目

貸倒引当金を計上することができる項目としては、以下のようなものがあります。

  • 受取手形
  • 売掛金
  • 貸付金(利子も含みます)
  • 未回収となっている地代家賃や手数料


これらについて不良債権化(回収できなくなる)のリスクが予想される場合には、毎期貸倒引当金を計上し、損失を計上することが可能です。

貸倒引当金を計上できない項目

一方で、以下のような項目については貸倒引当金を計上することはできません。

  • 銀行預金や公社債などについて未収となっている利子
  • 敷金や保証金
  • 手付金や前渡金
  • 前払費用の項目や立替金の未清算分


これらをもとに貸倒引当金を計上してしまうと、修正の対象となってしまいますから注意してください。
なお、社内でどのような勘定科目を用いているかは関係なく、取引の実情からみて計上の可否は判断されます。

税務調査の準備をするときには、計上している貸倒引当金がどのような債権についてのものなのかを取引先別に把握しておき、調査官から質問を受けたときにはスムーズに回答できるようにしておきましょう。

貸倒引当金の計上に関する法律上のルール

具体的な貸倒引当金の計上額の計算方法は、大きく分けると「個別の取引先ごとに債権の評価額を定める方法」と、「債権の合計額を一括して計上する方法」の2つがあります。

個別のと理非先ごとに債権の評価額を定める方法では、すでに会社更生法などの適用を受けている取引先、実質的に取り立て見込みがない取引先などに分類してそれぞれの債権の評価額を定めます。

債権の合計額を一括して計上する方法を選択する場合には、法律上の貸倒引当金繰入率を厳密に適用するとともに、その計算方法を毎期継続的に選択しているかが税務調査対策として重要なポイントになります。

貸倒引当金の計上は長期間にわたって会計処理の方法に影響を与える重要な項目ですから、計上のルールを検討する際には、税理士などの会計の専門知識を持った人のアドバイスを受けるようにしてください。

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