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【Vol.23】「重加算税」を課された場合のデメリットとは?

重加算税のデメリット

1問1答式で税務調査で押さえるべきポイントを解説

1 税務調査の基礎知識
2 税務調査官への対応
3 税務調査でよく指摘される項目

について押さえるべきポイントを1問1答式で解説していきたいと思います。

税務調査シリーズ目次

「重加算税」を課された場合のデメリットとは?

税務調査で「重加算税」が課されてしまった場合、負担する追徴課税以外にもデメリットがあるのでしょうか?

重加算税は最大40%の税率で追徴課税を取られる可能性がある重いペナルティですが、重加算税を課された時には追徴課税意外にも不利益をこうむる可能性があります。以下では、重加算税の適用を受けてしまった際に、追徴課税以外に被る不利益について具体的に説明させていただきます。

重加算税賦課による追徴課税以外のデメリット

税務調査によって重加算税を課されてしまったときには、追徴課税の他にも次の2つの項目について不利益な処分を受ける可能性があります。

  1. 青色申告承認の取消
  2. 加算税の加重措置

以下、順番に説明させていただきます。

1.青色申告承認の取消

重加算税を課されると、それ以降の年度の確定申告について、青色申告を認められない可能性があります。青色申告には以下のような特典がありますが、この承認が取り消されるとその特典を受けられないことになります。
これらは法人税の計算を行う上で税負担の大幅な軽減につながる特典ですから、重加算税を課されることにより利用できなくなることは非常に大きな不利益といえます。

欠損金の繰越控除

青色申告の適用を受けている法人は、登記の欠損金(赤字)を翌年以降9年間にわたって繰り越すことができます。
赤字となった翌年以降に黒字の年に、法人税の負担を小さくできるメリットの大きい特典です。

欠損金の繰戻し還付

例えば、前期は黒字で法人税を払ったけれど、当期は赤字で欠損金を出したというような場合に、青色申告を行うことで前期に支払った法人税の一部または全部を還付してもらうことができます。

減価償却に関する特別償却など

減価償却費の計算方法について、青色申告をしている法人は、少額の資産であれば一括で費用処理するといったような方法が認められます。

2.加算税の加重措置

2つ目のデメリットは「加算税の加重措置」といわれる不利益です。
これはごく簡単にいうと、「過去5年以内に繰り返し重加算税の対象となるような不正をした事業者には、より重いペナルティを課しますよ」という扱いのことです。

具体的には、2回目以降の不正についての重加算税は、通常の重加算税のさらに10%上乗せの税率で計算することになります。通常の重加算税の税率は35%~45%ですが、もし加重措置が課せられてしまったときには45%~55%もの追徴課税を受けてしまう可能性があります。

これらは平成28年度の税法改正によって創設された新しいルールですが、近年は重加算税を課されるような悪質な税逃れに対する規制はより厳しくなってきているといえます。

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