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【Vol.08】税務調査ではどこまで書類を見せるべき?

税務調査での書類提出

1問1答式で税務調査で押さえるべきポイントを解説

1 税務調査の基礎知識
2 税務調査官への対応
3 税務調査でよく指摘される項目

について押さえるべきポイントを1問1答式で解説していきたいと思います。

税務調査シリーズ目次

税務調査ではどこまで書類を見せるべき?

税務調査で、調査官から帳簿書類を見せるように言われた場合、すべて指示通りに見せないといけないのでしょうか?不利になる証拠がある場合、どう対処するのが適切か教えてください。

税務調査では調査官に「質問検査権」という権限が与えられていますから、調査官に帳簿書類を見せるように求められたときには、原則としてすべて開示する必要があります。もし正当な理由なく開示を拒んだり、虚偽の内容の帳簿書類を見せたりした場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金というペナルティを受ける可能性があります。
また、開示を拒んだ場合には「何か架空の取引等があったのでは?」という疑いのもとにさらに細かく調査を受けることになってしまいますから、かえって不利益を受けてしまうことも考えられます。

調査官には開示の趣旨について説明する義務がある

もっとも、実際の調査では調査官は罰則を盾に高圧的な態度をとるようなことは普通ありません。法令上も、調査官が帳簿書類の提示や提出を求めるときには、その必要性や趣旨を説明し、納税者の理解と承諾を得たうえで行うものとされています。提出や開示を求められた資料が通常業務で使うものである場合には、その旨説明すれば配慮をしてくれます。

なぜその資料の開示が必要なのかといった理由について説明を求めれば応じてくれますから、疑問に感じる部分があった場合には説明してもらうようにしましょう。

実際の税務調査では、どのような形で開示を求められる?

最近では会計ソフトを使って帳簿書類を作成するのが一般的ですから、調査では調査官がパソコン画面を身ながらチェックしていくという形になります。入力用に使っているパソコンのディスプレイを見るという形で調査官が帳簿データを詳細に確認できる状態にしておきましょう。

会計ソフトの内容は領収書などの証ひょう書類に基づいて入力作業が行われているはずですので、それらの証ひょう書類を確認できるようにしておく必要があります。会計ソフトなどのデータで保存されている資料については、提出を求められたときにはプリントアウトして渡すのが原則ですが、データそのものをUSBメモリなどを使ってコピーすることを求められることもあります。これらのデータは企業秘密を含む重要な資料ですから、コピーしたものは調査が終わった後に廃棄されますが、確実に廃棄してもらうことを伝えておくことも大切です。

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