速報!キャリアアップ助成金が57万円から80万円へ拡充!助成金のプロが全ポイント解説
2023.11.20
正社員転換のチャンス到来!拡充されたキャリアアップ助成金の全ポイント解説
政府は11月10日、令和5年度補正予算案を閣議決定しました。非正規雇用労働者の正社員転換を促進するため、キャリアアップ助成金を拡充します。この拡充により、中小企業が正社員化した場合の助成金額を現行の1人当たり57万円から80万円に引き上げるとともに、有期雇用期間3年以上の労働者も新たに助成金の対象になります。ここでは、今回のキャリアアップ助成金の拡充の詳細な内容とその活用方法について解説します。
キャリアアップ助成金の拡充ポイント
今回のキャリアアップ助成金の拡充ポイントは以下の4つとなります。
(1)助成金の金額(1人当たり)(拡充)
助成金の金額 (1人当たり) | |||
---|---|---|---|
企業規模 | 現行 | 拡充後 | 改定内容 |
中小企業 | 57万円 | 80万円 | 1期(6か月)で57万が2期(12か月)で80万へ増額 |
大企業 | 42万7,500円 | 60万円 | 助成金が17万2,500円増加 |
※ 現 行:1期(6か月)で57万円助成
拡充後:2期(12か月)で80万円助成(1期あたり40万円)
※ 有期→正規の場合の助成額。無期→正規の場合は上記の半額。
※ 1人目の正社員転換時には、(3)または(4)の加算措置あり。
(2)対象となる有期雇用労働者等の要件緩和(拡充)
(2)対象となる有期雇用労働者等の要件緩和(拡充) | |||
---|---|---|---|
対象となる有期雇用労働者等の雇用期間 | 現行 | 拡充後 | |
6か月以上3年以内 | 6か月以上 |
有期雇用期間が長期化している非正規雇用労働者に対する正社員化を支援するため、雇用期間の要件が緩和されました。通算5年を超えた有期雇用労働者も転換前の雇用形態を無期雇用とみなし「無期→正規」として助成対象とする。
(3)正社員転換制度の規定に係る加算措置(新設)
(3)正社員転換制度の規定に係る加算措置(新設) | |||
---|---|---|---|
正社員転換制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合 (1事業所当たり加算額(1事業所当たり1回のみ)) |
新設 | ||
20万円(大企業15万円) なお1人目の転換時には (1)+(3)で合計100万円(大企業75万円)助成 |
※ 「無期→正規」の転換制度を新たに規定した場合も同額を加算
(4)多様な正社員制度の規定に係る加算措置(拡充)
(4)多様な正社員制度の規定に係る加算措置(拡充) | |||
---|---|---|---|
「勤務地限定・職務限定・短時間正社員」制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合 (1事業所当たり加算額(1事業所当たり1回のみ)) |
現行 | 拡充後 | |
9.5万円 (大企業7万1,250円) |
40万円(大企業 30万円) なお1人目の転換時には (1)+(4)で合計120万円(大企業90万円)助成 |
※ 「無期→多様な正社員」の転換制度を新たに規定した場合も同額を加算。
拡充後のキャリアップ助成金を申請するうえでのポイント
正社員化を進めるためには、キャリアアップ計画を提出し、また就業規則を事前に整備する必要があります。もし企業に正社員への転換に関する規定がない場合は、申請前に労働局やハローワーク、または社会保険労務士といった労務の専門家に相談ができます。従来の正社員化コースの詳細については、厚労省の公式サイトをご確認ください。
参考:厚生労働省キャリアアップ助成金公式ページ
キャリアアップ計画の提出
企業が正社員化を進めるためには、キャリアアップ計画を提出することが必要です。
キャリアアップ計画書(令和5年10月20日更新)
取組の前日までにキャリアアップ計画書を提出しましょう
キャリアアップに係る取組の前日までに都道府県労働局に提出し、認定を受ける必要があります。
▶様式第1号 キャリアアップ計画書[WORD版]
▶様式第1号 キャリアアップ計画書[PDF版]
キャリアアップ計画書(変更届)(令和5年10月20日更新)
提出したキャリアアップ計画書に変更が生じた場合、キャリアアップ計画書(変更届)を提出しましょう
上記により提出したキャリアアップ計画書に変更が生じた場合、キャリアアップ計画書(変更届)を都道府県労働局に提出する必要があります。
就業規則の作成や見直し
正社員化の制度導入をスムーズに進めるためには、就業規則の整備が不可欠です。正社員への転換に関する規定がまだ存在しない場合、事前に社会保険労務士などの専門家に相談しながら事前準備を進めましょう。
まとめ
キャリアアップ助成金の拡充により、中小企業が正社員化に積極的に取り組む環境が整いました。助成金の増額や新たな対象者の追加など、柔軟で効果的な支援が提供されています。是非、この機会にキャリアアップ助成金を活用し、企業と労働者双方にとって理想的な雇用環境を築いていきましょう。
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