【2025年7月】年収130万円の壁に対策!キャリアアップ助成金〈短時間労働者労働時間延長支援コース〉とは?
公開日: 2025.05.25
最終更新日: 2025.05.25
【2025年最新】年収130万円の壁に対応した「キャリアアップ助成金」新コースとは?
パート・アルバイトの社会保険不安と、企業の人材確保課題に対応!
「扶養の範囲で働きたい」「でも物価が上がって、もっと働かざるを得ない」——
そんな悩みを抱える方が増えています。
2025年7月から、厚労省は新しいキャリアアップ助成金制度をスタート。本記事では、制度の全容と活用ポイントをわかりやすく解説します。
年収130万円の壁とは?
- 年収130万円を超えると、扶養から外れ社会保険料の自己負担が発生
- 結果として「働き損」「損をしたくないから働かない」という選択が生まれる
- 企業側は「もっと働いてほしいけど、壁があるから難しい」と頭を抱える
新設された助成金の概要
名称:短時間労働者労働時間延長支援コース(キャリアアップ助成金の一部)
対象:短時間・有期契約労働者を社会保険に加入させるような体制整備を行う事業主
支給内容:労働時間の延長と賃金引上げを条件に最大75万円(1人あたり:1年目50万、2年目25万)
【1年目】労働時間と賃金引上げに応じた支給額
1年目は、所定労働時間を延ばす、または賃金を一定以上引き上げることを条件に、1人あたり最大50万円の助成金が支給されます。
たとえば、週の労働時間を5時間以上延長した場合、小規模事業者であれば1人あたり50万円の支給対象に。
もし労働時間の延長が難しくても、賃金の引き上げ(最大15%以上)と組み合わせれば助成の対象になります。
つまり、「労働時間を少しだけ増やす+時給を調整する」だけでも申請可能な設計になっており、中小企業・小規模事業者にとって活用しやすい柔軟な制度と言えます。
特に、年収130万円の壁で「あと少し働けない」状態にあるパート・アルバイトが多い職場では、収入の安定化と人材の定着につながる大きなチャンスです。
労働時間延長 | 賃金引上げ幅 | 大企業 | 中小企業 | 小規模企業 |
---|---|---|---|---|
5時間以上 | 指定なし | 30万円 | 40万円 | 50万円 |
4時間以上5時間未満 | 5%以上 | 30万円 | 40万円 | 50万円 |
3時間以上4時間未満 | 10%以上 | 30万円 | 40万円 | 50万円 |
2時間以上3時間未満 | 15%以上 | 30万円 | 40万円 | 50万円 |
※小規模企業事業主とは、常時雇用する労働者の数が30人以下の事業主をいう
※2026年3月31日までの間は、社会保険適用時処遇改善コースまたは併用メニューの取組から、今回新設される短時間労働者労働時間延長支援コースの取組に切り替えることが可能
【2年目】さらなる取り組みへの追加支援
2年目には、労働時間をさらに2時間以上延長することに加え、基本給の5%以上の増額や、昇給・賞与・退職金制度の導入といった取り組みを行った場合に、追加の助成金が支給されます。
支給額は、大企業で15万円、中小企業で20万円、小規模企業で25万円と設定されており、「初年度の支給に続いて、さらにもう一段階の処遇改善」を行った事業者が対象です。
単なる一時的な人材確保ではなく、長期的な就業継続やキャリア形成を支援する体制を整えた企業にとっては、大きな後押しとなる設計です。
制度的にも、賃金体系や待遇制度を「整えるだけ」で申請要件を満たす可能性があるため、取り入れやすく費用対効果も高いといえます。
労働時間延長 | 賃金の増加 | 大企業 | 中小企業 | 小規模企業 |
---|---|---|---|---|
労働時間をさらに2時間以上延長 | 基本給を 5%以上 増加 または 昇給、賞与、退職金制度の適用 | 15万円 | 20万円 | 25万円 |
制度の詳細をもっと知りたい方へ
・制度の法的根拠や正式案が知りたい方は、厚労省のパブリックコメント(原文PDF)をチェック。
・キャリアアップ助成金の全体像は、こちらの公式ページから確認できます。
・より広い視点から130万円の壁を理解するには、年収の壁・支援強化パッケージもおすすめです。

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