「103万の壁」解消は実現するのか?最新の政治動向と年収ラインの見直しを徹底解説!
2024.11.12
「103万の壁」解消なるか?
「103万の壁」解消なるか?政治の動きで注目集まる年収の境界線
「103万の壁」が今、注目の的になっています。 2024年の衆議院選挙で「103万の壁」の解消が大きな議論の対象となり、政策の見直しに期待が高まっています。与党である自民党・公明党は、国民民主党と協力し、これまで維持されてきた「103万の壁」を引き上げる可能性について検討を始めています。物価上昇や生活費の増加が続く中、古い基準を見直し、多くの労働者が安心して働ける環境を整えるべきだという声が高まっているのです。
参考:産経ニュース『「国民民主、財源確保は「政府・与党の責任」「103万円の壁」解消へ自公と強気の協議」』
国民民主党は8日、年収が103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」の解消といった政策の実現に向け、自民、公明両党との政策協議を開始した。自らの主張する政策を前面に押し出しつつも、財源論は与党側に押し付けるなど強気の姿勢で交渉に臨む。「手取りを増やす」政策を掲げ衆院選で躍進を果たしたが、実現できなければ有権者からの支持を急速に失う恐れもある。
今回は、「103万の壁」とは何か、なぜこれが問題視されているのか、そしてこの壁が変わるとどのような影響があるのかについて、わかりやすく解説します。
1. そもそも「103万の壁」って何?
「103万の壁」とは、年収が103万円を超えると所得税が発生するラインのことです(ちなみに上記図の通り市区町村の住民税は100万を超えると発生します)。103万円以下の収入には所得税がかからず、また配偶者控除の対象にもなります。このため、特に配偶者控除を受けたい家庭では、配偶者がこのラインを超えないよう注意しているのです。
この103万円は、給与所得控除55万円と基礎控除48万円の合計額からきています。例えば、パートやアルバイトで働く場合、収入が103万円までであれば、所得税がかからないため、手取りが減る心配がありません。
2. なぜ「103万の壁」が問題視されているのか?
この「103万の壁」が問題となっている理由は、働きたくても働けないという現象が発生しているからです。年収が103万円を超えると所得税が発生し、さらに106万円を超えると社会保険料の支払いも発生するため、手取りが大きく減少します。そのため、多くのパートタイム労働者が収入を抑えようとし、働く意欲を制限されてしまいます。
また、物価上昇や生活費の増加により、1995年から変わっていない103万円という基準が現代の経済状況に合わなくなっているとの声もあります。
3. 今後、「103万の壁」は変わるのか?
現在、「103万の壁」を引き上げる動きが進んでいます。特に2024年の衆議院選挙では、国民民主党が「103万の壁」を解消する政策を掲げ、与党の自民党・公明党も協力を検討しています。このため、今後の改正により、103万円のラインが「178万円」などに引き上げられる可能性が出てきています。
この改正が実現すれば、多くのパート・アルバイト労働者がより自由に働くことができるようになり、労働力不足の解消や家庭収入の増加につながることが期待されています。
4. 「103万の壁」が変わったらどうなる?
仮に「103万の壁」が引き上げられ、例えば「178万円の壁」になると、収入に応じて手取りが増えます。以下の例でどれほど手取りが増えるか見てみましょう。
- 年収200万円の場合:手取りが約8.6万円増加
- 年収500万円の場合:手取りが約1.2万円増加
- 年収1000万円の場合:手取りが約22.8万円増加
ただし、高所得者の方が減税の恩恵が大きくなるため、「高所得者優遇」との批判もあります。さらに、103万円以上になることで、社会保険料の負担が発生する「130万円の壁」なども存在するため、新たな「壁」の問題もあります。
5. 「103万の壁」以外の年収の壁
図のように、103万円以外にもさまざまな年収ラインの壁があります。例えば、100万円で住民税が発生し、106万円では51人以上の企業で社会保険料が発生します。また、130万円を超えると社会保険の扶養から外れるため、社会保険料を自己負担する必要が出てきます。こうした複数の壁を理解しておくことで、より良い働き方を選ぶことが可能になります。
まとめ
「103万の壁」は、多くの労働者やその家庭にとって大きな影響を持つ収入の基準です。税金や社会保険料の負担が発生するこの壁を超えるかどうかが、生活の選択肢を左右するため、慎重な計画が必要です。今後の法改正により、この壁がどのように変わるかに注目していきましょう。
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今回は「配偶者控除の廃止」が現実となる可能性や「130万の年収の壁」「106万円の年収の壁」に関する最新情報を税理士と社労士がわかりやすく解説します。また2024年10月からの社会保険適用拡大では家計にどのような影響があるのか、具体的な対策やふるさと納税を活用した節税方法まで幅広くご紹介します。これからの社会保険の適用範囲拡大に備えた家計管理のヒントを知りたい方は必見です。
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2024年10月より児童手当最大3万円へ拡充!所得制限なしへ支給時期は12月から
政府は少子高齢化対策として、2024年10月から児童手当の制度が拡充します。
これまでの所得制限も撤廃され、第3子以降の子供は2倍となる月3万円の手当が支給されます。
子育て世代にとってより手厚いサポートが実施されることとなりました。
今回の記事ではこの児童手当2024年拡充の概要をまとめました。
2024年12月からの支給開始に向け、詳細については市区町村窓口や厚生労働省のホームページで随時ご確認ください。
詳しくはコチラ↓↓↓
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