クラウド会計ソフトどれがいいの?現役税理士が解説3社徹底解説!
公開日: 2025.06.21
最終更新日: 2025.06.21
「クラウド会計を導入したいけど、結局どのソフトを選べばいいの?」
「税理士が非対応でクラウド化に踏み切れない…」
そんな経営者のために、現役の税理士が実際に使っている主要クラウド会計ソフト3社を、比較表でわかりやすく整理しました。
項目 | マネーフォワードクラウド会計 | 弥生会計 | freee |
---|---|---|---|
機能性 | ◎ 自動入力や仕訳の効率化に優れている | △ シンプル設計だがクラウド機能は限定的 | ◎ 給与・人事労務などバックオフィス全体を統合管理 |
操作性 | ◎ 簿記経験者が直感的に使える・初心者にも扱いやすい | △ 入力操作性は優秀だがクラウド版は改善途上 | ◯ 初心者向けで直感的・簿記経験者は慣れが必要 |
システム連携 | ◎ 金融機関や外部サービスと柔軟に連携可能 | △ 外部連携は限定的で改善余地あり | ◎ 外部サービスとのAPI連携も充実 |
月額料金目安 | 個人: 900円~法人: 2,480円~ | 個人: 858円~法人: 2,900円~ | 個人: 980円~法人: 2,980円~ |
リンク | マネーフォワード会計 | freee会計 | 弥生クラウド会計 |
経営者の皆様、もしかして「税理士変更」を考えていませんか?
「うちの税理士、クラウド会計に全然乗り気じゃないんだよね…」
「試算表はくれるけど、クラウドじゃないからリアルタイムで会社の状況が見えない」
「そろそろクラウド会計で経理をラクにしたいけど、何から始めればいいかわからない…」
もし、あなたがこんな風に感じているなら、税理士の変更タイミングなのかもしれません。
実際、今まさにクラウド会計の導入をきっかけに、アナログな税理士から新しいパートナーへと乗り換える経営者が急増しています。
創業当初はベストパートナーだった税理士でも、会社の成長や業務の変化に伴い、クラウド化やDX推進への対応にギャップが生じるケースは少なくありません。
でも、ご安心ください。この記事では、あなたの会社の経営効率を劇的に高めるクラウド会計の選び方と活用法を、現場目線でわかりやすく解説していきます。
なぜ今、クラウド会計が中小企業に必要なのか?
「経理の効率化」と聞くと、単なる作業時間の短縮を想像する方もいるかもしれません。
しかし、クラウド会計ソフトの本当の価値は、もっと先にある“経営の質”の向上にあります。
1. 劇的な業務効率化とヒューマンエラー削減
銀行口座やクレジットカード、POSレジなどと自動連携することで、手入力や転記作業が劇的に減ります。
これまでの領収書整理や帳簿付けにかかっていた時間が大幅に削減され、経理担当者の負担が軽減。さらに、手入力によるミスも激減し、正確なデータに基づいた経営が可能になります。
2. リアルタイムな経営把握と迅速な意思決定
クラウド会計なら、入力されたデータが瞬時に反映され、いつでもどこからでも会社の「今」が見えるようになります。
例えば、出張先からでもスマホで売上状況を確認したり、資金繰りの状況をリアルタイムで把握したりできます。月次決算も早期化され、目標達成度合いをすぐに確認し、必要であれば迅速な経営判断を下すことができます。
3. IT人材不足の解消と属人化の防止
専門のIT人材がいなくても、直感的な操作で利用できるのがクラウド会計の大きなメリット。特定の経理担当者でなければ分からない、といった業務の属人化を防ぎ、誰もが安心して経理業務を行える環境を構築できます。
4. バックオフィス業務連携でさらなる効率化
給与計算、請求書発行、経費精算など、バックオフィス業務全体を連携できるクラウド会計ソフトも増えています。これにより、例えば経費精算から会計処理までが自動で完結するなど、部署をまたいだ業務フロー全体の効率化が図れます。専属の経理社員を置かなくても、他の部門の社員が兼業で対応できる可能性も広がります。
5. 法改正への自動対応と強固なセキュリティ
電子帳簿保存法やインボイス制度など、頻繁に変わる税制や法改正への対応も、クラウド会計なら自動でアップデートされるため安心です。また、データは厳重なセキュリティで守られたクラウド上に保管されるため、災害時などのリスクも軽減されます。
6. 税理士連携強化で顧問料以上の価値を
クラウド会計を導入することで、税理士とリアルタイムで同じデータを見ながら相談できるようになります。これにより、従来の「資料を渡して待つ」という一方的な関係から、より能動的で具体的な経営アドバイスを受けられるパートナーシップへと変化します。
現役税理士が「リアルに」使っている! 主要クラウド会計ソフト3社を徹底比較
さて、クラウド会計の価値はお分かりいただけたでしょうか。次に気になるのは「結局、どのソフトがいいの?」という点ですよね。巷には様々な情報がありますが、ここでは現役の税理士事務所が実際に導入し、日々クライアントと向き合っている3つの主要ソフトを、そのメリット・デメリットまで含めてご紹介します。
比較対象の3社
各社の特徴と現役税理士の声
マネーフォワードクラウド会計(伝統的な会計とクラウドの融合)
現役税理士の声
「オンプレミス型の会計ソフトをクラウド化したような印象で、クラウドの利点と従来の会計ソフトの利点をうまく融合させている点が、会計人に支持される理由だと感じています。」
「UIが直感的で使いやすく、連携機能も充実しています。さらに、創業当初から会計事務所のニーズを積極的に取り入れ、開発に反映させている点が強みだと思います。」
「プロダクトごとに業務範囲が切り分けられているのが特徴です。例えば、経費精算から使いはじめ、次に会計を使うといった段階的な導入に強いといえます。」
マネーフォワードクラウド会計の特徴
メリット | デメリット |
---|---|
・簿記経験者に馴染みやすい操作性 ・高い自動連携機能 ・段階的な導入が可能 ・会計事務所との連携に強み |
・freeeに比べて「登録」というひと手間が必要 |
項目 | マネーフォワードクラウド会計 | 弥生会計 | freee |
---|---|---|---|
機能性 | ◎ 自動入力や仕訳の効率化に優れている | △ シンプル設計だがクラウド機能は限定的 | ◎ 給与・人事労務などバックオフィス全体を統合管理 |
操作性 | ◎ 簿記経験者が直感的に使える・初心者にも扱いやすい | △ 入力操作性は優秀だがクラウド版は改善途上 | ◯ 初心者向けで直感的・簿記経験者は慣れが必要 |
システム連携 | ◎ 金融機関や外部サービスと柔軟に連携可能 | △ 外部連携は限定的で改善余地あり | ◎ 外部サービスとのAPI連携も充実 |
月額料金目安 | 個人: 900円~法人: 2,480円~ | 個人: 858円~法人: 2,900円~ | 個人: 980円~法人: 2,980円~ |
リンク | マネーフォワード会計 | freee会計 | 弥生クラウド会計 |
メリット
- 簿記経験者には特に馴染みやすい操作性:従来の会計ソフトに近い感覚で使えるため、経理経験者にとってはスムーズに導入できます。
- 高い自動連携機能:銀行口座やクレジットカード、POSレジなどとの連携が非常に強く、仕訳の自動作成やレシート取り込みなど、経理業務を大幅に効率化できます。
- 段階的な導入が可能:会計、給与、請求書、経費精算など、各業務ごとに独立したプロダクト(モジュール)が用意されており、必要なものから順に導入できるため、自社のペースでDXを進めたい企業に最適です。
- 会計事務所との連携に強み:会計事務所のニーズを積極的に取り入れて開発されているため、顧問税理士とのデータ共有や共同作業がスムーズです。
デメリット
- freeeに比べて「登録」というひと手間が必要:freeeに比べると、完全に経理業務と会計処理が「同期」しているわけではなく、「登録」というひと手間が必要な場合もあります。
freee(経理と会計が一体となったプロ向け「同期型」で効率化)
現役税理士の声
「経理業務を遂行することで会計処理が完了するという発想でシステムが構築されている点が特徴的です。だから、会計人にとっては直感的に理解しにくい部分もありますが、使いこなせるようになるとすごく効率的なシステムで、熱心なファンになるユーザーが多いのではないでしょうか。」
「簿記の知識がある人にとっては直感的に理解しにくい部分もありますが、簿記未経験者にとっては、コンセプトに沿って操作することで、迷うことなく請求や消込などの周辺業務までスムーズに行える点が強みだと感じています。」
「マネーフォワードでは会計側で仕訳を直接修正できますが、freeeでは元の取引情報、例えば売上請求書なら請求書自体を修正しないと、会計データも修正できません。この点が、freeeに対する苦手意識を引き起こす原因になっていると感じます。」
freeeの特徴
メリット | デメリット |
---|---|
・経理業務と会計処理が一体化 ・バックオフィス業務を統合管理 ・直感的なUIで初心者にも優しい |
・簿記経験者には独特な操作概念が理解しにくい ・業務フローを大幅に見直す必要あり |
メリット
- 「経理業務=会計処理」の圧倒的な一体感:請求書発行、経費精算、給与計算などの日常業務を行うだけで、自動的に会計仕訳が完了します。簿記の知識がない方でも、迷わず業務を進められます。
- バックオフィス業務全体を統合管理:人事労務、給与、請求書、経費精算など、幅広いバックオフィス業務をfreee一つで完結させたい企業に特に向いています。
- 直感的なUIで初心者にも優しい:簿記の知識がなくても、業務フローに沿って直感的に操作できるように設計されています。
デメリット
- 簿記経験者には独特な操作概念が理解しにくい:簿記の知識が豊富な方や、従来の会計ソフトに慣れている方にとっては、独特の概念や修正方法に慣れるまで時間がかかる場合があります。
- 業務フローをfreeeのコンセプトに合わせて大幅に見直す必要があるケースも。
弥生会計(長年の信頼と手入力のしやすさ)
現役税理士の声
「弥生会計は手入力では圧倒的に使いやすいですが、連携面では課題があります。」
「操作性の良さが際立っていますが、入力作業を極力減らすという時代の流れの中で、現状のクラウド化の流れにはやや遅れているので、弥生Nextの開発に期待したいところです。」
弥生会計の特徴
メリット | デメリット |
---|---|
・手入力のしやすさと操作性 ・低価格帯から利用可能 ・高いシェアと情報量 |
・クラウド連携機能が限定的 ・リアルタイム性に限界 |
メリット
- 圧倒的な操作性と手入力のしやすさ:従来の会計ソフトから多くのユーザーに支持されてきた実績があり、特に手入力での記帳においては、その操作性の良さに定評があります。
- 低価格帯からの利用が可能:他のクラウド会計ソフトと比較して、比較的安価なプランから利用できるため、コストを抑えたい企業に適しています。
- 高いシェアと豊富な情報:長年の実績と高いシェアを誇るため、情報源が多く、利用者コミュニティも充実しています。
デメリット
- クラウド連携機能は改善途上:他の2社に比べて、金融機関や外部サービスとの自動連携機能が限定的であり、まだ手入力に頼る部分が多く残る可能性があります。
- リアルタイム性の限界:クラウド機能が限定的なため、リアルタイムでの経営状況把握には限界があります。
「モジュール型」と「一体型」:あなたの会社に合うのはどっち?
クラウド会計ソフトには、大きく分けて「モジュール型」と「一体型」の2種類があります。どちらを選ぶかで導入の進め方や運用の柔軟性が大きく変わります。
モジュール型 (マネーフォワードクラウド会計など) |
一体型 (freeeなど) |
---|---|
・会計、給与、請求書などの業務ごとに分かれたプロダクトが用意され、 必要なものから段階的に導入できる ・従来型ソフトに近い設計で、簿記経験者にもなじみやすい操作性 ・会社の成長に応じてプロダクトを追加しながら、自社のペースでDX推進が可能 ・各機能が独立しているため、組織変更やフロー改善にも柔軟に対応 |
・請求や給与など日常業務を行うだけで会計仕訳が自動作成 ・経理業務と会計処理が完全に同期 ・簿記未経験者にも直感的なUIで操作しやすい ・導入にあたっては業務フローを全体的に見直す必要がある場合も |
どちらのタイプが適しているかは、現在の経理体制・人材構成・DXへのスタンスによって変わります。
「無理なく始めて、将来も広げていける」という意味では、モジュール型は中堅・成長企業に非常にフィットしやすい選択肢です。
クラウド会計導入が、あなたの会社にもたらす未来
クラウド会計の導入は、単なる業務効率化にとどまらず、会社の成長戦略や組織づくりを根本から支える力となります。
あなたの会社が得られるメリット |
---|
・経営の見える化と迅速な意思決定 リアルタイムな経営データに基づき、市場の変化に素早く対応し、攻めの経営を実現できます。 ・コスト削減と生産性向上 ・優秀な人材の確保と定着 ・税理士との真のパートナーシップ |
あなたに最適な会計ソフトと税理士を見つけるには?
ここまで、クラウド会計の価値と主要ソフトの特徴、導入のポイントをお伝えしてきました。
では、あなたの会社にとって本当に最適な会計ソフトと、未来を共に描ける税理士を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか?
クラウド会計ソフト選びの3つのポイント
- 自社のニーズと規模に合っているか?
- 個人事業主か法人か、従業員数、取引量などを考慮し、必要な機能(給与、請求書、経費精算など)が充実しているかを確認しましょう。将来的な事業拡大を見据えた拡張性も重要です。
- 「一体型(freee)」でバックオフィス全体を丸ごと効率化したいのか、「モジュール型(マネーフォワードクラウド会計)」で段階的に導入したいのか、自社の運用方針を明確にすることが大切ですす。
- 操作性とサポート体制はどうか?
- 無料トライアルを活用し、実際に経理担当者が操作感を試すのが一番です。直感的に使いやすいか、不明点があったときにチャットや電話でスムーズにサポートを受けられるかを確認しましょう。
- 顧問税理士との連携はスムーズか?
- 最も重要なポイントかもしれません。現在の顧問税理士がそのソフトに対応しているか、導入支援や運用のサポートをしてくれるかを確認しましょう。もし、現在の税理士がクラウド会計に後ろ向きであれば、税理士変更も視野に入れるべきです。
クラウド会計ソフトに強い税理士選びの3つのポイント
もし、今の税理士がクラウド会計の導入に前向きでなかったり、DX推進に理解がないと感じるなら、それは税理士変更を検討する良いタイミングかもしれません。
税理士変更の具体的なメリット・デメリットやタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください:[税理士変更のメリットデメリット、良いタイミング]
- クラウド会計への深い理解と実績
- 単に「対応しています」だけでなく、実際の導入支援実績が豊富で、複数のクラウド会計ソフトを使いこなせる税理士事務所を選びましょう。
- DX推進への積極性
- 経理業務の効率化やペーパーレス化に前向きで、最新のテクノロジーを活用した提案をしてくれるかどうかが重要です。
- コミュニケーションとサポート体制
- あなたの悩みや疑問に寄り添い、明確なアドバイスをくれる税理士を選びましょう。チャットやオンラインミーティングなど、現代的なツールを使ったスムーズなコミュニケーションができるかも確認ポイントです。
クラウド会計は、中小企業経営者が経営を「攻め」に転じるための強力なツールです。この記事が、あなたの会社にとって最適なクラウド会計ソフトと、信頼できる税理士を見つける一助となれば幸いです。

税理士を「経営のパートナー」として、どこまで活かせていますか?
税理士を「申告だけの専門家」として使うのか、
「補助金・組織設計・財務会議まで任せる経営の参謀」として活かすのか——。
同じ顧問契約でも、“使い方”次第で得られる成果は大きく変わります。
申告・記帳・決算だけではもったいない。
経営支援まで頼れる“次の税理士像”を、今こそ具体的に知ってください。

「ずっと同じ税理士。悪くはないけど、最近は物足りない」
そんな声、実はとても多いのです。
企業が成長し課題が複雑になると、創業当初からの税理士では対応しきれないことも増えてきます。
「試算表は出るけど、経営の相談はできない」「補助金やITの提案がない」──
そんな“見えないギャップ”が、経営の成長スピードにブレーキをかけているかもしれません。
「税理士は一生の付き合い」から「会社に合ったパートナーへ」
今こそ、前向きな見直しが選ばれています。

「うちの税理士、申告は完璧。でも──経営支援までは頼めていない気がする」
実は今、そんな相談が増えています。
税理士の活用は、まだ“半分”かもしれません。
申告だけでなく、補助金、組織設計、人件費分析、財務会議、経営計画——
経営に活きる支援まで踏み込むことで、社内の数字も人も“動き始めた”という事例が増えています。
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