【2025年総合経済対策】21.3兆円規模の物価高対策を完全解説|高市首相が説明
公開日: 2025.12.08
最終更新日: 2025.12.08

【2025年総合経済対策】21.3兆円規模の物価高対策を完全解説|高市首相が説明
閣議決定:2025年11月21日|最終更新:2025年12月8日
📌 この記事の重要ポイント
- 閣議決定:2025年11月21日、総合経済対策を閣議決定
- 記者会見:2025年高市首相が記者団に説明
- 規模:国費等21.3兆円程度、財政措置等25.5兆円程度
- ガソリン税廃止:2025年12月31日(1世帯年間約1万2千円軽減)
- 電気ガス代支援:2026年1月〜3月(1世帯7,000円程度軽減)
- 103万円の壁対策:所得減税1.2兆円(1人2〜4万円、160万円へ引上げ)
- おこめ券:1人3,000円相当配布(使用期限2026年9月30日)→詳細記事
- 子育て応援手当:子ども1人2万円(2026年春頃支給予定)
- 医療介護支援:賃上げ支援(医療3%、介護月1万円×半年分)
総合経済対策の経緯と最新動向
正確な年表
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年11月21日 | 総合経済対策を閣議決定(国費等21.3兆円規模) |
| 2025年11月28日 | 2025年度補正予算案を閣議決定、臨時国会に提出 |
| 2025年11月下旬 | 高市首相がG20出発前に記者団に説明 |
2025年11月21日、政府は「強い経済を実現する総合経済対策」を閣議決定しました。その後、11月28日には裏付けとなる補正予算案も閣議決定され、臨時国会に提出されています。
本日2025年11月下旬、高市早苗首相は南アフリカで開催されるG20サミット出発前に記者団に対し、この総合経済対策について改めて説明を行いました。
高市首相は「国民の皆様に迅速に物価高対策をお届けすることを第一としつつ、危機管理投資、成長投資の戦略分野への予算措置を行う」と強調し、「日本と日本人の底力で不安を希望に変えるべく、戦略的な財政出動を行います」と述べました。
規模は一般会計で17.7兆円程度、減税特別会計を合わせた国費等(いわゆる「真水」)は21.3兆円程度、財政投入資を加えた国の財政措置等は25.5兆円程度となります。
総合経済対策の3つの柱
今回の総合経済対策は、以下の3つの柱で構成されています。
第1の柱:生活の安全保障・物価高への対応
物価高から暮らしと職場を守るため、各種施策を組み合わせて、対策の効果を迅速に国民の皆様にお届けることを最優先に、きめ細かく対応します。
🚗 ガソリン税・軽油引取税の廃止
| 税目 | 廃止日 | 負担軽減効果 |
|---|---|---|
| ガソリン税(暫定税率) | 2025年12月31日 | 1世帯平均で年間約1万2千円程度 (減税規模1.0兆円) |
| 軽油引取税 | 2026年4月1日 |
政党間の合意を踏まえ、いわゆる暫定税率を廃止します。廃止に伴い必要となる国及び地方自治体の安定財源を確保しつつ、廃止までの間も補助金を活用することで価格引き下げに対応します。
⚡ 電気ガス代の支援
2026年1月から3月の3ヶ月間、電気ガス代を支援します。1世帯あたり7,000円程度の負担軽減になります。
| 対象期間 | 電気料金(低圧) | 都市ガス料金 |
|---|---|---|
| 2026年1月使用分 | 4.5円/kWh | 18.0円/㎥ |
| 2026年2月使用分 | 4.5円/kWh | 18.0円/㎥ |
| 2026年3月使用分 | 1.5円/kWh | 6.0円/㎥ |
💰 103万円の壁対策(所得減税)
令和7年度税制改正法により、約1.2兆円規模の所得減税が行われます。納税者1人当たり2万円から4万円程度の減税となり、2025年の年末調整に反映されます。
課税最低限が103万円から160万円に引き上げられます。
また、基礎控除を物価に連動した形でさらに引き上げる税制措置について、令和8年度税制改正で検討し、結論を得ていきます。
🌾 重点支援地方交付金(おこめ券含む)
地域のニーズに応じたきめ細かい物価高対応として、重点支援地方交付金を拡充し2兆円を措置します。
- 一般枠:1世帯あたり平均1万円程度の支援に相当
- 特例加算分(食料価格高騰対策):1人3,000円相当(4人家族で1万2,000円相当)
- ➡️ おこめ券配布がこの特例加算分に含まれます
- ➡️ おこめ券の詳細はこちら(使用期限2026年9月30日、配布時期、利用店舗など)
加えて、灯油や水道代の支援、中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備、各種低所得者支援・事業者支援など推奨メニューの事業を強化します。
👶 子育て応援手当
公明党の幅広い所得層を対象とした迅速な支援を実施すべきとのご提言や、立憲民主党の物価高・食卓給付金のご提言も踏まえ、子ども1人あたり2万円の物価高対応子育て応援手当(総額0.4兆円、補正予算案で3,677億円)を盛り込みました。
- 対象:0〜18歳の全ての子ども(高校3年生まで)
- 所得制限:なし
- 申請:不要(見込み)
- 支給方法:児童手当口座へ自動振込
- 支給時期:2026年春頃(2〜4月が有力)
🏥 医療・介護等支援パッケージ
国民の皆様の命と暮らしを守るため、赤字の医療機関・介護施設を中心に、報酬改定の時期を待たず、前倒しで補助金を緊急措置します。
- 医療従事者:賃上げに取り組む医療機関で働く従事者に対して、プラス3%の半年分の賃上げ支援
- 介護従事者:介護従事者全般に月1万円の半年分の賃上げ支援
加えて、診療材料費、病院建て替え、病床数適正化等の経営改善支援を行います。
🏢 中小・小規模事業者対策
価格転嫁を徹底するとともに、中小・小規模事業者対策については、政府全体で1兆円規模の支援を行います。基金も活用し、賃上げに取り組む中小企業などによる成長投資支援を抜本的に強化します。
その他
- クマ被害対策支援施策パッケージの着実かつ迅速な実施
- 治安・テロ対策強化、外国人問題への対応の強化
- 公教育再生、教育無償化など、安心できる地域社会の基盤整備
- 国民民主党の経済対策案を踏まえ、長年の懸案であった旧自売席特価への繰り戻し
第2の柱:危機管理投資・成長投資による強い経済の実現
複数年度にわたる事業について、予見可能性をもって取り組んでいただけるように推進します。その際、これまでのGX・AI半導体の複数年度の財源フレームに基づく対応に続き、経済安全保障上の重要分野の危機管理投資に関して、新たな枠組みの検討に着手します。
戦略17分野については、その頭出しとなる予算を措置します。
🔐 経済安全保障の強化
- 半導体、造船、漁業、宇宙、情報通信、重要鉱物、サイバーセキュリティ等の戦略分野の官民連携投資
- 重要物資のサプライチェーン強化等の取組
🌾 食料安全保障の確立
- 農水産業の構造転換
- 完全閉鎖型植物工場等の最先端技術の支援
- 農林水産物・食品の輸出を通じた生産能力向上の支援
⚡ エネルギー・資源安全保障の強化
GX推進戦略に基づく成長志向型カーボンプライシング構想の具体化を通じた計画的支援を行います。
🏗️ 防災・減災、国土強靭化
国土強靭化実施中期計画に基づく対応等を進めます。
🚀 未来に向けた投資の拡大
- 先端科学技術の支援
- スタートアップ支援強化
- コンテンツ分野等の振興
- 攻めの予防医療を含む健康医療安全保障の構築
- その他の研究開発支援
第3の柱:防衛力と外交力の強化
国民の皆様の安全と国の繁栄を支えます。
🛡️ 防衛力の抜本的強化
厳しさを増す国際情勢を踏まえ、防衛力の抜本的強化を進めます。人的基盤の強化等を図り、我が国を守る方々が誇りを持って任務を果たせる環境を整えます。
国家安全保障戦略に定める対GDP比2%水準につきましては、当初予算と合わせて2025年度中に11兆円程度を前倒しして措置します。つまり、追加的に1.1兆円を措置することになります。
🤝 米国関税措置への対応
日米戦略的投資イニシアティブに必要な措置を講ずるとともに、中小企業向けの資金繰り支援や事業環境整備等により、国内経済・産業への影響緩和に万全を期します。
リスクへの備え(予備費)
今後仮に自然災害の発生、さらなる物価高、クマ被害の拡大等といった事態が生じた場合の予期せぬ財政需要に迅速に対応し、暮らしの安全・安心等を確保するため、予備費を追加的に確保することといたします。
家計への影響シミュレーション
今回の総合経済対策により、家庭にどのような経済的影響があるのか、家族構成別にシミュレーションしてみましょう。
ケース1:単身世帯(独身・納税者)
| 支援項目 | 金額 |
|---|---|
| ガソリン税廃止(年間) | 約12,000円 |
| 電気ガス代支援(3ヶ月) | 約7,000円 |
| 103万円の壁対策(所得減税) | 20,000〜40,000円 |
| 重点支援地方交付金・一般枠(推定) | 約10,000円 |
| おこめ券(食料価格高騰対策) | 3,000円相当 |
| 合計 | 約52,000〜72,000円 |
ケース2:夫婦2人世帯(共働き・納税者2人)
| 支援項目 | 金額 |
|---|---|
| ガソリン税廃止(年間) | 約12,000円 |
| 電気ガス代支援(3ヶ月) | 約7,000円 |
| 103万円の壁対策(所得減税)×2人 | 40,000〜80,000円 |
| 重点支援地方交付金・一般枠(推定) | 約10,000円 |
| おこめ券(食料価格高騰対策)×2人 | 6,000円相当 |
| 合計 | 約75,000〜115,000円 |
ケース3:4人家族(夫婦+子ども2人、共働き・納税者2人)
| 支援項目 | 金額 |
|---|---|
| ガソリン税廃止(年間) | 約12,000円 |
| 電気ガス代支援(3ヶ月) | 約7,000円 |
| 103万円の壁対策(所得減税)×2人 | 40,000〜80,000円 |
| 重点支援地方交付金・一般枠(推定) | 約10,000円 |
| おこめ券(食料価格高騰対策)×4人 | 12,000円相当 |
| 子育て応援手当(子ども2人×2万円) | 40,000円 |
| 合計 | 約121,000〜161,000円 |
※ 金額は目安であり、実際の支給額は自治体や世帯の状況により異なります。
財政の持続可能性について
高市首相は記者会見で、財政の持続可能性について以下のように述べました。
「当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額は、昨年度の補正後42.1兆円を下回る見込みであります。財政の持続可能性にも十分配慮した姿となっています。」
「強い経済を構築し、成長率を高めていくということと相まって、政府債務残高対GDP比を引き下げ、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信任を確保してまいります。」
「成長なくして財政の持続可能性は維持できません。次の世代のためにも、成長する経済により、企業収益の改善と賃金上昇に伴う個人所得の増加という、経済の好循環による税収増を通じて、財政の持続可能性を実現しなくてはなりません。」
高市首相は「責任ある積極財政」を掲げ、成長による税収増を通じた財政健全化を目指す方針を明確にしています。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 総合経済対策はいつ閣議決定されましたか?
A. 2025年11月21日に閣議決定されました。その後、高市首相が記者団に対して内容を説明しました。
Q2. 総合経済対策の規模はどのくらいですか?
A. 一般会計で17.7兆円程度、減税特別会計を合わせた国費等で21.3兆円程度、財政投入資を加えた国の財政措置等は25.5兆円程度となります。
Q3. ガソリン税はいつ廃止されますか?
A. ガソリン税(暫定税率)は2025年12月31日に廃止、軽油引取税は2026年4月1日に廃止されます。ガソリン税廃止により1世帯平均で年間約1万2千円程度の負担軽減が見込まれます。
Q4. 電気ガス代の支援はいつからいつまでですか?
A. 2026年1月から3月までの3ヶ月間、電気ガス代を支援します。1世帯あたり7,000円程度の負担軽減になります。1月・2月は電気4.5円/kWh・ガス18.0円/㎥、3月は電気1.5円/kWh・ガス6.0円/㎥の値引きです。
Q5. 103万円の壁対策はどうなりますか?
A. 令和7年度税制改正法により、約1.2兆円規模の所得減税が行われ、納税者1人当たり2万円から4万円程度の減税となります。これは2025年の年末調整に反映されます。課税最低限は103万円から160万円に引き上げられます。
Q6. 子育て応援手当はいくらもらえますか?
A. 子ども1人あたり2万円の物価高対応子育て応援手当が支給されます。0〜18歳が対象で、所得制限はありません。2026年春頃(2〜4月が有力)に児童手当口座へ自動振込される予定です。申請は不要の見込みです。
Q7. おこめ券の配布はこの対策に含まれますか?
A. はい。重点支援地方交付金2兆円の中に、食料価格高騰対策として1人3,000円相当のおこめ券配布(特例加算分)が含まれています。使用期限は2026年9月30日までです。詳しくは関連記事をご覧ください。
Q8. 医療・介護従事者への支援はありますか?
A. はい。医療・介護等支援パッケージにより、医療機関従事者にはプラス3%の半年分賃上げ支援、介護従事者には月1万円の半年分賃上げ支援が措置されます。報酬改定の時期を待たず、前倒しで補助金を緊急措置します。
Q9. 補正予算はいつ成立しますか?
A. 2025年11月28日に補正予算案が閣議決定され、臨時国会に提出されています。高市首相は「補正予算案を早期に成立させていきます」と述べています。具体的な成立時期は国会審議の進捗により決まります。
Q10. 財政の持続可能性は大丈夫ですか?
A. 高市首相は「当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額は、昨年度の補正後42.1兆円を下回る見込み」と述べ、財政の持続可能性に配慮した姿となっていることを強調しています。また、「成長なくして財政の持続可能性は維持できない」として、成長による税収増を通じた財政健全化を目指すとしています。
まとめ
2025年11月21日に閣議決定された総合経済対策は、国費等21.3兆円規模の大型対策となりました。高市首相がG20出発前に記者団に対し、改めてその内容を説明しました。
物価高対策を最優先としつつ、危機管理投資・成長投資、防衛力・外交力の強化という3つの柱で、国民の暮らしを守り、強い経済を実現することを目指しています。
特に注目されるのは以下の施策です:
- ✅ ガソリン税廃止(2025年12月31日、年間約1万2千円軽減)
- ✅ 電気ガス代支援(2026年1〜3月、約7,000円軽減)
- ✅ 103万円の壁対策(所得減税1.2兆円、160万円へ引上げ)
- ✅ おこめ券配布(1人3,000円相当、使用期限2026年9月30日)→ 詳細記事
- ✅ 子育て応援手当(子ども1人2万円、2026年春頃支給)
- ✅ 医療・介護従事者への賃上げ支援
補正予算案は11月28日に閣議決定され、臨時国会で審議中です。成立後、実際の支援が国民の皆様に届けられることになります。
税理士・社労士として、これらの施策がクライアントや国民の皆様の暮らしにどのように影響するか、引き続き注視し、分かりやすく情報提供してまいります。
参考情報・公式リンク
- 📺 【速報】高市首相が記者団にコメント(2025年11月) – 日テレNEWS(YouTube)
- 🏛️ 首相官邸|令和7年総合経済対策
- 🏛️ 首相官邸|総合経済対策等についての会見(2025年11月21日)
- 📄 内閣府|「強い経済」を実現する総合経済対策(PDF)
- 📰 朝日新聞|政府が総額21兆円の経済対策決定
- 📰 日本経済新聞|政府、21.3兆円の経済対策を決定
- 📰 読売新聞|21兆円の総合経済対策を閣議決定
- 🌾 農林水産省|米に関する統計情報
- 🌾 【2026年おこめ券】詳細記事|いつ・いくら・どこで使える?
※ 本記事の情報は2025年12月8日時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。





