その「副業申告」税務署に狙われています|事業所得と雑所得の判断基準と追徴課税リスク

公開日: 2026.01.29

最終更新日: 2026.01.25

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「副業収入は、とりあえず事業所得で申告すれば節税になる」──そう考えていませんか?
今、税務当局は安易な事業所得申告に厳しい目を向けています。あなたの申告が、ある日突然、多額の追徴課税という悪夢に変わるかもしれません。

本記事では、副業の事業所得と雑所得の違い、税務調査で否認されやすいポイント、追徴課税リスクを、税理士の視点から徹底解説します。損益通算・青色申告特別控除など、節税効果の裏に潜む厳しい条件を正しく理解しましょう。

この記事では、私たち寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)が、
副業の事業所得申告のリスク、税務調査で否認される典型例、追徴課税を回避する対策を徹底解説します。

重要なのは、形式的な「事業所得」申告ではなく、実態として「事業」と認められる証拠を整理し、税務調査リスクを回避することです。

当事務所は、税務調査対応450社以上の実績で、副業申告から税務調査対応まで、ワンストップでサポートします。

目次

その申告、「事業所得」で本当に大丈夫?雑所得との違い

多くの人が節税目的で選択する「事業所得」。しかし、そのメリットの裏には厳しい条件と税務署の監視があります。雑所得との違いを正しく理解し、ご自身のリスクを判断してください。

雑所得と事業所得の主な違い

項目 雑所得 事業所得
判断基準 ほとんどの副業収入が該当し、税務署から指摘されるリスクが低い 「事業」としての実態(継続性、営利性、設備など)が客観的に証明できなければならない
損益通算 赤字が出ても給与所得などとは合算できない。節税効果は限定的。 赤字を給与所得などと合算でき、大きな節税効果がある。
青色申告特別控除 不可。最大65万円の特別控除など、青色申告の特典は受けられない。 可能。最大65万円の青色申告特別控除が受けられる。
税務調査リスク 低い。ほとんどの副業が該当するため、否認リスクは小さい。 高い。税務署の重点監視対象。事業と認められない場合、申告を遡って修正され、過少申告加算税や延滞税が課される。
重要な注意

事業所得と雑所得の区分は、申告者の意思ではなく「業務の実態」で判断されます。「事業所得で申告すれば節税になる」と安易に考え、実態が伴わない申告をすると、税務調査で否認され、数百万円の追徴課税を受けるリスクがあります。

公式情報へのリンク

税務調査で否認される典型的な6つのパターン

税務調査官は、あなたの申告内容を鵜呑みにしません。客観的な証拠に基づき、「事業」か「お小遣い稼ぎ」かを判断します。以下の項目に一つでも不安があれば要注意です。

否認される6つの典型パターン

No. パターン 判断基準 税務署の判断
1 毎年赤字・利益創出の意思がない 営利性・有償性 数年にわたり赤字を垂れ流し、黒字化への具体的な計画や努力が見られない。調査官からは「損益通算目的の赤字申告」と見なされる可能性大。
2 事業と言えるほどの頻度がない 反復継続性 取引が散発的で、安定的な活動とは言えない。社会通念上の「事業」とは見なされにくく、単発の雑所得と判断される。
3 PC1台のみ・公私混同 人的・物的設備 プライベートと兼用のPCや電話、口座を使用。事務所もなく、事業としての独立した設備が何もない状態は、単なる内職と判断される要因。
4 広告活動なし・受け身の作業 企画遂行性 自ら顧客を開拓する努力(ウェブサイト、名刺など)が見られない。他人からの指示待ちで作業している場合、事業主ではなく給与所得者と見なされることも。
5 趣味の延長・片手間作業 精神的・肉体的労力 明らかに趣味の範囲を超えない活動時間や労力。事業に真剣に取り組んでいるとは到底言えず、「事業所得」の主張は説得力に欠ける
6 覚悟の欠如・将来性の無さ 本人の意識 「この事業で生計を立てる」という気概が感じられない。調査官からの質問に曖昧な回答しかできなければ、事業としての実態がないと判断される。
税務調査のポイント

税務調査では、帳簿・請求書・領収書・契約書などの客観的証拠が重視されます。口頭での説明だけでは「事業」として認められません。特に、継続性・営利性・設備・企画遂行性の4つの要素を総合的に判断されます。

事業所得が雑所得と判断された場合の追徴課税リスク

もしあなたの事業所得が否認され、雑所得として再計算されたらどうなるか。その金銭的インパクトは決して小さくありません。

追徴課税シミュレーション

設定:本業の給与所得 500万円 / 副業の赤字 100万円

項目 当初の申告(事業所得) 雑所得と判断された場合
給与所得 500万円 500万円
副業所得 ▲100万円(赤字) 0円(赤字は切り捨て)
損益通算 可能(赤字を相殺) 不可(赤字は切り捨て)
課税対象所得 400万円 500万円

追加の税負担(概算)

  • 所得税・住民税の追加負担:約30万円(所得税率20%、住民税率10%と仮定)
  • 過少申告加算税(10%):約3万円
  • 延滞税(年率):年数により変動

合計:約33万円以上の追加負担

リスク回避のポイント

事業所得が否認されると、差額100万円に対する追加の所得税・住民税に加え、過少申告加算税や延滞税といった重いペナルティが課されます。事業所得として申告する場合は、税理士に相談し、客観的証拠を整理しておくことが重要です。

事業所得と認められるための5つの証拠固め

追徴課税を避けるため、あなたの備えは万全ですか?事業所得と主張するための証拠固めは、あなた自身の責任です。

5つの必須準備項目

No. 準備項目 内容・重要性
1 請求書、領収書、契約書、帳簿の整理・保管 税務調査では、客観的証拠が最重視されます。帳簿は複式簿記で記帳し、請求書・領収書は漏れなく保管してください。電子データも含め、7年間の保存義務があります。
2 事業用のウェブサイトやSNS、名刺の作成 「事業」として対外的にアピールしている証拠が必要です。ウェブサイト、SNS、名刺、チラシなど、顧客開拓のための広告活動を行っていることを証明してください。
3 事業専用の銀行口座の開設 プライベートと事業を完全に分けることで、「事業」としての独立性を証明できます。屋号付きの銀行口座を開設し、事業の入出金を明確に管理してください。
4 黒字化への具体的な事業計画書の作成 赤字が続いている場合、「いつ黒字化するか」の具体的な計画が必要です。売上目標、コスト削減策、マーケティング戦略など、黒字化への道筋を文書化してください。
5 業務日報・作業時間記録の作成 日々の業務内容や作業時間を記録することで、「真剣に事業に取り組んでいる」ことを証明できます。趣味の延長ではないことを示すため、業務日報は重要な証拠となります。
自己防衛のポイント

上記の5つの項目を全て準備しているか、自己チェックしてください。1つでも欠けている場合、税務調査で「事業」として認められないリスクが高まります。特に、帳簿・請求書・事業計画書は必須です。

寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)が選ばれる5つの理由

理由1. 税務調査対応450社以上の実績

当事務所は、税務調査対応450社以上の実績があります。副業の事業所得申告で否認された事例を多数扱っており、税務署との交渉ノウハウを熟知しています。

理由2. 事業所得と雑所得の判断に精通

副業の事業所得申告は、継続性・営利性・設備・企画遂行性など、多角的な判断が必要です。当事務所では、国税庁の通達や判例を踏まえた実務対応が可能です。

理由3. 創業75年、4年連続全国1位の実績

当事務所は創業75年の実績を持ち、大阪・東京の2拠点で全国450社以上の企業をサポートしています。また、アイミツ「税理士と社労士が在籍するおすすめ事務所」実績部門で4年連続全国1位に選出されており、お客様からの高い評価をいただいています。

理由4. 予防的な申告書作成・証拠固め支援

税務調査で指摘される前に、帳簿の整備、事業計画書の作成、業務日報の記録など、予防的な対応を支援します。事後対応ではなく、事前のリスク回避が重要です。

理由5. 税理士と社労士のダブルライセンスでワンストップ対応

当事務所は税理士事務所と社労士法人を併設しており、副業の税務申告から社会保険手続きまで、ワンストップでサポートできます。複数の専門家に依頼する手間とコストを削減できます。

よくある質問(Q&A)

Q1. 副業の事業所得と雑所得の違いは何ですか?

A1. 事業所得は「事業」として認められる場合の所得、雑所得は事業に該当しない所得です。事業所得の場合、損益通算(他の所得と赤字を相殺)や青色申告特別控除(最大65万円)など、税制上のメリットがあります。一方、雑所得の場合は損益通算ができず、青色申告も適用されません。事業所得として認められるには、継続性・営利性・相当な人的物的設備・企画遂行性など、社会通念上「事業」と呼べる実態が必要です。

Q2. 「事業所得で申告すれば節税になる」と聞きましたが、本当ですか?

A2. 実態が伴わない事業所得申告は、税務調査で否認され、追徴課税のリスクがあります。事業所得として申告すれば損益通算や青色申告特別控除が受けられますが、税務署は「事業」としての実態を厳しく審査します。帳簿、請求書、事業計画書など、客観的証拠が整っていない場合、雑所得として更正処分を受け、修正申告による本税の追加納付、過少申告加算税(10%または15%)、延滞税が課されます。
参考:国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき

Q3. 税務調査で事業所得が否認されると、どうなりますか?

A3. 更正処分により、事業所得が雑所得に変更され、(1)本税の追加納付、(2)過少申告加算税、(3)延滞税が課されます
具体例: 給与所得500万円、副業赤字100万円のケース
・当初申告:損益通算で課税所得400万円
・更正後:雑所得の赤字は切り捨て、課税所得500万円
・追加納付税額(概算):所得税・住民税で約30万円、過少申告加算税で約3万円、延滞税は経過年数により変動
参考:国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき

Q4. 副業で赤字が続いていますが、事業所得として認められますか?

A4. 形式的に事業の外観があっても、数年間継続して赤字で、黒字化への具体的な計画や努力が認められない場合、「営利性・有償性」が否定され、事業所得として認められないリスクがあります。税務調査では、売上目標、コスト削減策、マーケティング戦略など、黒字化への道筋を文書化した事業計画書の提示を求められることがあります。赤字が続く場合でも、設備投資、人員増強、広告宣伝活動など、事業拡大への積極的な取り組みが認められれば、一時的な赤字として事業所得が認められる余地があります。

Q5. 副業をプライベートのPCでやっていますが、問題ありますか?

A5. プライベートと事業の区分が曖昧な場合、「事業」としての独立性・設備投資が認められず、事業所得として否認されるリスクがあります。ただし、PC等の設備が公私混用であることのみをもって直ちに事業所得が否認されるわけではなく、使用実態・使用割合を合理的に説明できるかが重要です。事業専用のPC、電話、銀行口座を用意し、使用記録(業務日報等)を残すことで、事業実態を証明しやすくなります。屋号付きの銀行口座開設も有効です。
参考:国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識

Q6. 副業の税務申告を税理士に依頼すると、どのくらいの費用がかかりますか?

A6. 副業の確定申告(雑所得・事業所得)の税理士報酬は、一般的に年間5万円〜15万円程度が目安です。ただし、事業所得として申告する場合、複式簿記による帳簿作成、証拠書類の整理、税務調査対応などの追加業務が発生するため、費用が高くなる場合があります。また、売上規模、取引件数、記帳代行の有無により報酬は変動します。当事務所では、お客様の状況をヒアリングした上で、最適なプランをご提案いたします。初回相談は無料です。

Q7. 税理士に相談するタイミングはいつですか?

A7. 事業所得として申告する前、できれば副業を開始する前の段階で相談することをおすすめします。確定申告書を提出した後に税務調査で否認されると、更正処分により本税の追加納付、過少申告加算税、延滞税が発生します。事前に税理士に相談し、(1)事業所得として認められる要件を満たしているか、(2)帳簿・証拠書類の整備方法、(3)青色申告承認申請のタイミング、などを確認することで、税務リスクを大幅に軽減できます。
参考:国税庁 No.2070 青色申告制度

外注費と給与の判断基準完全ガイド
「その外注費処理は正しいですか?」

「外注費として処理していたら、税務調査で給与認定されて追徴課税」──こうしたリスクに不安を感じていませんか?
外注費と給与の違い、判断基準、税務調査で指摘されやすいケースを、税理士・社労士の視点から徹底解説します。

▶ 外注費と給与の判断基準完全ガイド|税務調査で指摘される前に知るべき10のポイント ▶

まとめ:副業の事業所得申告は「実態」が全て

副業の事業所得申告は、継続性・営利性・設備・企画遂行性など、客観的な証拠に基づいて総合的に判断されます。税務調査で「事業」と認められない場合、申告を遡って修正され、数十万円〜数百万円の追徴課税を受けるリスクがあります。

私たち寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)は、税務調査対応450社以上の実績で、副業申告から税務調査対応まで、ワンストップでサポートします。帳簿の整備、事業計画書の作成、業務日報の記録など、予防的な対応を支援します。副業の税務申告にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

副業の税務申告は税理士へ!

創業75年、税務調査対応450社以上、4年連続おすすめ事務所全国1位の実績

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※本記事は作成日時点の情報に基づき作成しております。法改正等により内容が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。具体的なご相談は専門家までお問い合わせください。

記事監修

【記事監修】
寺田慎也(てらだ しんや)
税理士・特定社会保険労務士
寺田税理士事務所 / 社労士法人フォーグッド / 株式会社フォーグッドコンサルティング 代表

【専門分野】
税務顧問、確定申告、税務調査対応、社会保険手続き、給与計算、労務相談、補助金・助成金申請支援

【保有資格】
税理士、特定社会保険労務士

【組織体制】
創業75年の実績を持つ専門家集団。スタッフ20名、税理士4名・社労士6名(うち特定社労士2名)が在籍し、大阪・東京の2拠点で全国450社以上の企業をサポート。

【代表者の実績・メディア掲載】

  • テレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」専門家として複数回出演(2024年5月・6月、2025年8月)
  • アイミツ「税理士と社労士が在籍するおすすめ事務所」実績部門 4年連続全国1位
  • 中央経済社『税務弘報』にて連載執筆中「新・労務知識アップデート講座」
  • 著書:『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』(幻冬舎、2018年)
  • 著書:『雇用関係助成金申請・手続マニュアル』(日本法令、2020年)

参考資料(一次情報)

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