【2025-2026年完全版】年収の壁103万円・106万円・130万円・160万円・168万円・178万円徹底解説|パート・扶養で働く人への影響シミュレーション

公開日: 2025.12.17





<br /> 【2025-2026年完全版】年収の壁103万円・106万円・130万円・160万円・168万円・178万円<br /> 徹底解説|パート・扶養で働く人への影響シミュレーション<br />

⚠️ 緊急速報:2026年度税制改正の焦点(2025年12月中旬決定)

2025年1月施行済みの「160万円の壁」に加え、さらなる引き上げが議論されています。

  • 自民党案:168万円(物価上昇率反映・現実路線)
  • 国民民主党案:178万円(最低賃金上昇反映・大幅減税)
  • 最終調整:2025年12月中旬の税制改正大綱で決定予定

※本記事では、施行済みの2025年制度と、検討中の2026年制度を明確に区別して解説します。

2025年から日本の税制は大きく変わりました。長年親しまれてきた「103万円の壁」は過去のものとなり、現在は「160万円の壁」が新たな基準となっています。さらに、2026年に向けて「168万円」または「178万円」への引き上げ議論も進行中です。

しかし、ここで注意が必要なのは「社会保険の壁(106万円・130万円)」は変わっていないという点です。税金の壁だけを気にして働きすぎると、社会保険料の負担で手取りが減ってしまう可能性があります。

本記事では、450社以上を支援する税理士・社労士が、最新の法改正情報を整理し、パート・アルバイトの方が損をしないための最適な働き方をシミュレーション付きで解説します。

1. 年収の壁タイムライン表:施行済みと予定を一目で確認

情報が錯綜しているため、まずは「何が決定済みで、何が検討中か」を整理しましょう。

壁の種類 旧制度 2025年施行済み 2026年予定 現在の状態
所得税の壁 103万円 160万円 ✅ 168万円 or 178万円 🟠 2025年1月施行済み
(2026年は検討中)
配偶者控除 103万円 123万円 ✅ 変更なし 2025年1月施行済み
住民税の壁 100万円程度 110万円程度 ✅ 変更なし 2025年1月施行済み
(※自治体により異なる)
社保106万円 106万円 変更なし 適用拡大 🟠 据え置き
(2026年10月:賃金要件撤廃予定)
(企業規模要件は2027年以降段階的撤廃)
社保130万円 130万円 変更なし 運用変更 🟠 据え置き
(2026年4月:認定基準の運用変更予定)
(契約ベースの判定に変更)

年収の壁タイムライン

✅ ポイント:
所得税(税金)の壁は大きく引き上げられましたが、社会保険(年金・健康保険)の壁は変わっていません。この「ズレ」に注意が必要です。

2. 「5つの壁」完全解説

それぞれの壁が何を意味するのか、最新の基準額で解説します。

① 住民税の壁:給与収入110万円程度(※自治体により異なる。旧100万円程度)

住民税がかかり始めるボーダーラインです。2025年から多くの自治体で基礎控除引き上げに伴い、110万円程度まで非課税枠が拡大しています。
超えるとどうなる? 年間数千円〜数万円の住民税が発生しますが、手取りが逆転することは稀です。

② 社会保険106万円の壁(据え置き)

従業員51人以上の企業で働くパート・アルバイトが、社会保険(厚生年金・健康保険)への加入義務が発生するラインです。
超えるとどうなる?
給与の約15%(年間約16万円)が保険料として天引きされ、手取りが大きく減ります(手取り回復には年収125万円程度が必要)。

③ 配偶者控除の壁:123万円(旧103万円)

2025年1月から施行済み。配偶者(夫など)が「配偶者控除(38万円)」を満額受けられる年収の上限です。
超えるとどうなる?
夫の税金が増えますが、「配偶者特別控除」があるため、年収201万円までは段階的に控除が受けられます。世帯全体の手取りへの影響は限定的です。

④ 社会保険130万円の壁(据え置き・2026年4月運用変更予定)

すべての企業規模に関係なく、配偶者の扶養から外れて自分で国民年金・国民健康保険(または社会保険)を払う必要が出るラインです。
超えるとどうなる?
年間約20〜30万円の負担増となり、最も「働き損」が発生しやすい壁です。手取りを回復するには年収160万円以上が必要です。
【2026年4月変更点】従来は「今後1年間の収入見込み」で判定していましたが、「労働契約時点で想定される年間収入」で判定されるようになります。一時的に130万円を超えても、契約上130万円未満なら扶養継続が可能になります。

⑤ 所得税の壁:160万円(旧103万円)

2025年1月から施行済み。あなた自身の所得税が発生するラインです。
超えるとどうなる?
所得税がかかりますが、超過分に対して課税されるだけなので、手取りが逆転することはありません。

3. 2025年の改正内容【施行済み】

以下の変更は、2025年1月1日から既に適用されています。

  • ✅ 基礎控除等の引き上げ(所得税の壁)
    基礎控除(最大95万円:58万円+特例上乗せ37万円※令和7・8年分)と給与所得控除(最低額65万円)の組み合わせにより、非課税枠が103万円から160万円に拡大しました。※令和9年(2027年)以降は基礎控除58万円に戻る予定です。
  • ✅ 配偶者控除の要件緩和
    配偶者控除の対象となる年収要件が、103万円以下から123万円以下に引き上げられました。
  • ✅ 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の控除枠拡大
    大学生などの子供に対して「特定扶養親族特別控除」が新設され、控除対象となる年収上限が103万円から188万円まで緩和されました(合計所得58万円超〜123万円以下、給与収入123万円超〜188万円以下)。

4. 2026年の改正見込み【検討中】

現在議論されており、2025年12月中旬に方向性が決定する内容です。

🅰️ 自民党案:168万円

物価上昇率(約6%)や最低賃金の上昇を加味した現実的な案。
可能性:高い

🅱️ 国民民主党案:178万円

「手取りを増やす」を掲げ、大幅な引き上げを目指す案。財源(約7兆円減収)が課題。
可能性:調整が必要

※どちらの案になっても、2026年1月からの施行が予定されています。社会保険の壁への影響はない見込みです。

5. 家族構成別シミュレーション(手取り額)

「結局、いくら手取りが残るの?」という疑問にお答えします。

【ケース1】配偶者の扶養内で働く場合(従業員51人未満の企業)

社会保険加入義務がない小規模企業で働くケースです。

年収 税金・社保 手取り概算 備考
103万円 0円 103万円 以前の壁(今は余裕あり)
129万円 約1.5万円 127.5万円 ★働き損なしの最大値
130万円 約20万円(社保) 110万円 ⚠️ 130万円の壁(手取り激減)
160万円 約24万円(社保+税) 136万円 ここまで稼げば回復

【ケース2】社会保険適用事業所で働く場合(従業員51人以上)

大手チェーン店などで働くケースです。

年収 税金・社保 手取り概算 備考
105万円 0円 105万円 壁の手前
106万円 約16万円(社保) 90万円 ⚠️ 106万円の壁(手取り減)
125万円 約19万円(社保) 106万円 ここで手取り回復
160万円 約24万円(社保) 136万円 将来の年金増額メリットあり

6. 働き方別の最適年収ガイド

あなたの状況に合わせた「損しない年収」は以下の通りです。

働き方別最適年収

✅ 扶養内で手取りを最大化したい人

目標年収:129万円(小規模企業)または105万円(大企業)

社会保険の扶養から外れないギリギリを狙う戦略です。ただし、通勤手当が含まれる場合がある(130万円の壁)ので、月額10.8万円以内に抑えるのが安全です。

✅ 将来の年金を増やしたい人

目標年収:160万円以上

「壁」を気にせず働き、厚生年金に加入する戦略です。手取りは一時的に減る区間がありますが、将来受け取る年金が増え、傷病手当金などの保障も手厚くなります。2025年からは所得税もかからないため、以前よりメリットが大きくなりました。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 2025年から103万円を超えても税金はかからないのですか?

A.
はい、所得税については年収160万円まで非課税(施行済み)となりました。ただし、住民税は110万円程度からかかる自治体が多いのでご注意ください。

Q2. 106万円の壁も引き上げられましたか?

A.
いいえ、社会保険(106万円・130万円)の壁は変更ありません。ここが最大の注意点です。税金がかからなくても、社会保険料が発生する可能性があります。

Q3. 学生アルバイトですが、親の扶養はどうなりますか?

A.
2025年から特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の控除枠が緩和され、年収188万円までは親の税金が高くならないようになりました(新設:特定扶養親族特別控除)。ただし、親の会社の健康保険の扶養(130万円の壁)は変わらないため、130万円未満に抑えるのが無難です。

Q4. 168万円と178万円、どちらになりそうですか?

A.
2025年12月16日現在、自民党案の「168万円」が現実的と見られていますが、国民民主党との協議で「178万円」に近づく可能性もあります。12月中旬の大綱決定を待ちましょう。

Q5. 交通費は年収に含まれますか?

A. 壁の種類によって異なります。

103万/160万円の壁(税金):交通費は含まれません(非課税限度額内なら)。

106万/130万円の壁(社会保険):交通費も含まれます。ここを間違えると扶養から外れてしまうので要注意です。

8. まとめ

まとめ

2025年の税制改正により、「税金の壁」は大幅に緩和されました。しかし、「社会保険の壁」は依然として存在します。

📌 2025-2026年の働き方・3つのポイント

  1. 税金の壁は160万円(2025年)へ。所得税を気にする必要はほぼなくなりました。
  2. 社会保険の壁(106万/130万)は健在。扶養内希望ならここを死守してください。
  3. 2026年はさらに枠拡大の可能性。168万円〜178万円への引き上げ議論に注目してください。

ご自身の働き方がどの「壁」に該当するのか、しっかりシミュレーションして、損のない働き方を選択してください。

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📝 本記事の監修者について

寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)
税理士・社労士のダブルライセンスで450社以上を支援し、助成金受給実績25億円超創業70年の信頼と実績を持つ専門家集団です。
テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』出演、日本最大級BtoBマッチングサイト「アイミツ」にて3年連続実績部門全国1位(2023・2024・2025年)。

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【免責事項】
本記事の内容は2025年12月16日時点の情報に基づいています。2026年度税制改正の内容は今後変更される可能性があります。具体的な税務判断については、顧問税理士にご相談ください。

【参考資料・出典】
• 国税庁公式サイト
• 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
• 内閣府税制調査会
• e-Gov法令検索


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