年金に月額5,450円以上プラス!【2026年版】年金生活者支援給付金|対象者・申請方法・もらい忘れ防止ガイド
公開日: 2025.12.23

年金生活者支援給付金により、条件を満たせば年金に月額5,450円以上がプラスされます。申請しなければ受給できない制度のため、65歳以上で住民税非課税世帯の方は必ず確認が必要です。
この記事を読むことで、以下のメリットが得られます:
- 年金生活者支援給付金の対象者かどうかが3分で分かる
- 2025年度の確定支給額と2026年度の予測情報が把握できる
- 申請方法と重要な期限(2026年1月5日)が理解できる
- さかのぼり支給を受けるためのポイントが分かる
- 税理士・社労士の視点から実務上の注意点が学べる
目次
- 年金生活者支援給付金とは?2026年版の基本情報
- あなたは対象者?3つの条件をチェック
- 2025年度・2026年度の支給額詳解
- 申請方法は3つ!最も簡単な電子申請
- 申請期限に要注意!さかのぼり支給のルール
- 2026年度の変更点|制度改正で何が変わる?
- 税理士・社労士が教える実務上の注意点
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:年金に月額5,450円以上をプラスするために

年金生活者支援給付金とは?2026年版の基本情報
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入や所得額が一定基準以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給される給付金です。消費税率引き上げ分を活用した制度で、2019年10月から開始されました。
制度の特徴
- 申請主義:自動的には支給されず、申請が必要
- 年金への上乗せ:年金と同じ偶数月の15日に振込
- 非課税収入:所得税・住民税の対象外
- 毎年改定:物価変動に応じて支給額が調整
2025年度と2026年度の比較
| 項目 | 2025年度(確定) | 2026年度(予測) |
|---|---|---|
| 基準額(月額) | 5,450円 | 5,450円以上※ |
| 増額率 | 前年度比+2.7% | 物価変動により決定 |
| 年間支給額(満額) | 65,400円 | 65,400円以上※ |
※2026年度の金額は2025年の物価変動により2026年4月頃に確定されます
制度の詳細については、厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」で最新情報をご確認ください。
あなたは対象者?3つの条件をチェック
年金生活者支援給付金を受給するには、以下の3つの条件すべてを満たす必要があります。一つでも欠けると対象外となるため、慎重な確認が必要です。
条件1:年齢・年金受給要件
- 65歳以上である
- 老齢基礎年金を受給している
実務上の注意点:特別支給の老齢厚生年金を受給中でも、老齢基礎年金の受給が65歳からのため、65歳になってから対象となります。
条件2:世帯の住民税状況
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
実務上の注意点:世帯分離をしている場合でも、住民票上の世帯で判定されます。また、配偶者が少しでも住民税を支払っている場合は対象外となります。
条件3:所得制限
前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が基準額以下であること:
| 生年月日 | 完全支給の基準 | 一部支給の基準 |
|---|---|---|
| 昭和31年4月2日以後生まれ | 809,000円以下 | 809,001円~909,000円以下 |
| 昭和31年4月1日以前生まれ | 806,700円以下 | 806,701円~906,700円以下 |
実務上の注意点:障害年金・遺族年金は非課税所得のため、この所得制限の計算に含まれません。また、その他の所得には給与所得、利子所得、配当所得等が含まれます。
2025年度・2026年度の支給額詳解
2025年度の確定支給額
保険料を40年間完納した方の場合:月額5,450円(年額65,400円)
支給額の計算方法
老齢年金生活者支援給付金の支給額は、以下の2つの合計額になります:
①保険料納付済期間に基づく額
計算式:5,450円 × 保険料納付済期間(月数)÷ 480月
②保険料免除期間に基づく額
計算式:
- 全額免除・4分の3免除・半額免除期間:11,551円 × 免除期間(月数)÷ 480月
- 4分の1免除期間:5,775円 × 免除期間(月数)÷ 480月
納付期間別の受給例(2025年度)
| 保険料納付期間 | 月額支給額 | 年額支給額 |
|---|---|---|
| 40年(完納) | 5,450円 | 65,400円 |
| 35年 | 4,769円 | 57,225円 |
| 30年 | 4,088円 | 49,050円 |
| 25年 | 3,406円 | 40,875円 |
一部支給(補足的老齢年金生活者支援給付金)の計算
所得が809,000円を超え909,000円以下の場合は、調整支給率により減額された金額が支給されます。
実務上の注意点:免除期間がある方は、免除の種類により計算が複雑になります。正確な金額は年金証書や支給額変更通知書で確認してください。
申請方法は3つ!最も簡単な電子申請
1. 電子申請(推奨)
マイナンバーカード+スマートフォンで簡単に申請できます:
- 所要時間:約5分
- 24時間いつでも申請可能
- 郵送の手間が不要
- 申請状況がリアルタイムで確認可能
2. 郵送申請
日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書」に記入して返送
- 必要事項を正確に記入
- 印鑑を忘れずに押印
- 返送用封筒を使用
3. 年金事務所窓口
お近くの年金事務所で直接手続き
- 平日の8:30~17:15
- 本人確認書類を持参
- 代理人申請も可能(委任状が必要)
必要書類
- 年金生活者支援給付金請求書
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、年金証書等)
- 印鑑(郵送・窓口申請の場合)
実務上の注意点:65歳になる方は、老齢基礎年金の請求と同時に申請することで、手続きが一本化され効率的です。
申請手続きの詳細や必要書類については、日本年金機構「年金生活者支援給付金」をご覧ください。
申請期限に要注意!さかのぼり支給のルール
重要な期限:2026年1月5日
2026年1月5日までに日本年金機構に請求書が届けば、2025年10月分からさかのぼって支給されます。この期限を過ぎると、申請した翌月分からの支給となり、最大3か月分(約16,350円)の給付金を受け取り損ねる可能性があります。
支給開始のタイミング
| 申請時期 | 支給開始月 | 備考 |
|---|---|---|
| 2026年1月5日まで | 2025年10月分から | さかのぼり支給あり |
| 2026年1月6日以降 | 申請翌月分から | さかのぼり支給なし |
新規申請のタイミング
- 65歳の誕生月:老齢基礎年金の申請と同時に手続き
- 要件を満たした翌月:所得や世帯状況の変化により対象となった場合
- 世帯分離後:住民税非課税世帯となった場合
実務上の注意点:申請忘れが多いのは、世帯の状況変化(配偶者の死亡、世帯分離、収入減少)があった場合です。このような変化があった際は、必ず確認することをお勧めします。
2026年度の変更点|制度改正で何が変わる?
在職老齢年金制度の改正との関係
2026年4月から、在職老齢年金の支給停止基準額が現行の50万円から62万円に引き上げられます。
年金生活者支援給付金への影響
- 働きながら年金を満額受給できる方が増加
- 年金収入増加により所得制限に抵触する可能性
- 給付金の対象から外れるケースが発生
金融所得の医療保険料反映開始
2025年度から段階的に実施される金融所得の把握により、一部の方の所得判定に影響が生じる可能性があります。
実務上の注意点:株式の配当収入や譲渡所得がある方は、確定申告の方法(総合課税・申告分離課税・申告不要)により所得の取り扱いが変わるため、税理士への相談をお勧めします。
税理士・社労士が教える実務上の注意点
申請時の注意点
- 住民票の世帯構成を正確に把握する:世帯分離の効果的な活用を検討
- 所得の計算で見落としがちな収入:不動産所得、雑所得、一時所得等
- 配偶者の所得状況:少額でも住民税が課税されていないか確認
年金相談でよく見る失敗例
- 申請期限を過ぎてからの相談:さかのぼり支給を受けられない
- 世帯状況の変化を見落とし:配偶者死亡後の手続き忘れ
- 所得制限の誤解:非課税所得も含めて計算してしまう
税務・社会保険への影響
- 年金生活者支援給付金は非課税:確定申告に含める必要なし
- 国民健康保険料への影響なし:保険料算定の所得に含まれない
- 介護保険料への影響なし:所得段階の判定に影響しない
専門家からのアドバイス:年金制度は複雑で、個人の状況により適用される制度が異なります。不明な点がある場合は、税理士・社会保険労務士等の専門家に相談することをお勧めします。
よくある質問(Q&A)
Q1: 厚生年金も受給していますが、対象になりますか?
A: はい、対象になります。厚生年金を受給していても、老齢基礎年金を受給しており、その他の条件を満たせば給付金を受け取れます。厚生年金の金額は支給額の計算には影響しません。
Q2: 障害年金を受給していますが、影響はありますか?
A: 障害年金・遺族年金等の非課税収入は、所得制限の計算に含まれません。老齢基礎年金と併給している場合は、老齢年金生活者支援給付金の対象となる可能性があります。
Q3: 申請を忘れていた場合はどうなりますか?
A: 申請した翌月分から支給開始となります。ただし、2026年1月5日までであれば2025年10月分からさかのぼって支給されます。期限を過ぎた場合でも、要件を満たしていれば申請は可能です。
Q4: 毎年申請が必要ですか?
A: いいえ、一度申請すれば継続して支給されます。ただし、所得や世帯状況に変化があった場合は、自動的に支給停止や再開の手続きが行われます。
Q5: 海外在住でも受給できますか?
A: いいえ、日本国内に住所がない場合は支給されません。また、住所を海外に移した場合は支給停止となります。
Q6: パート収入がある場合はどうなりますか?
A: パート収入は給与所得として所得制限の計算に含まれます。年間の公的年金等の収入金額と給与所得等の合計が基準額以下であれば対象となります。
まとめ:年金に月額5,450円以上をプラスするために
年金生活者支援給付金は、条件を満たす方にとって貴重な生活支援となる制度です。申請しなければ受給できないため、以下のポイントを必ず確認してください:
今すぐ行うべき行動
- 対象要件の確認:3つの条件(65歳以上・住民税非課税世帯・所得制限以下)をすべてチェック
- 申請方法の選択:電子申請なら5分で完了、24時間対応
- 期限の確認:2026年1月5日まででさかのぼり支給(最大3か月分)
専門家への相談が必要な場合
- 世帯の状況が複雑で対象者かどうか判断が困難
- 所得の計算方法に不安がある
- 在職老齢年金制度の改正により影響を受ける可能性がある
- 配偶者の死亡や世帯分離などの状況変化があった
次の行動:
- まずは自分が対象者かどうかを確認
- 対象者の場合は速やかに申請手続きを実施
- 不明な点があれば年金事務所または専門家に相談
- 家族や知人にも制度の存在を伝える
不明な点がある場合は、お近くの年金事務所(平日8:30~17:15)または給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)にお問い合わせください。また、複雑な状況の場合は、税理士・社会保険労務士等の専門家への相談をお勧めします。
2026年度の正確な金額や制度変更については、厚生労働省の公式発表をご確認いただくようお願いいたします。
監修者情報
監修:寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)
税理士・社会保険労務士として、年金・社会保険制度に関する専門的なアドバイスを提供。多くの企業・個人の年金相談実績を持ち、複雑な制度をわかりやすく解説することを得意としています。
参考文献・出典
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
- 厚生労働省「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか」
監修者情報
📝 本記事の監修者について
寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)
税理士・社労士のダブルライセンスで450社以上を支援し、助成金受給実績25億円超、創業70年の信頼と実績を持つ専門家集団です。
テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』出演、日本最大級BtoBマッチングサイト「アイミツ」にて3年連続実績部門全国1位(2023・2024・2025年)。
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