【徹底比較】こども支援NISA vs 学資保険!教育資金の準備に本当に有利なのはどっち?
公開日: 2025.10.05
最終更新日: 2025.12.31

結論:「こども支援NISA」は高収益を狙える攻めの選択、「学資保険」は元本確保の守りの選択。お子様の教育資金準備には、両者を組み合わせた「ハイブリッド戦略」が最も効果的です。さらにNISAは親子の金融教育にも活用できます。
2025年12月19日、令和8年度税制改正大綱で「こども支援NISA」が正式決定。年間60万円、非課税保有限度額600万円で2027年1月から開始することが確定しました。12歳以降は子どもの同意で引き出し可能という柔軟性も明確化され、学資保険との比較がより具体的になりました。
この記事を読むことで、以下のメリットを得られます:
- こども支援NISAと学資保険の違いが明確に分かる
- 収益性・安全性・柔軟性の観点から最適な選択ができる
- ハイブリッド戦略でリスクを管理しながら収益も追求
- 親子の金融教育としてNISAを活用する方法を習得
目次
- こども支援NISAのメリット・デメリット
- 学資保険のメリット・デメリット
- 【一覧表】NISAと学資保険の5つの違い
- 【シミュレーション】18年間でどれだけ差がつく?
- 【目的別】我が家に最適なプランはどっち?
- 攻めと守りの「ハイブリッド戦略」とは?
- 親子で学ぶ「金融教育」としてのNISA活用術
- まとめ:最適な選択をするために
- よくある質問(FAQ)
こども支援NISAのメリット・デメリット
「こども支援NISA」は、2027年1月から開始される子どもの教育資金準備を目的とした非課税投資制度です。年間60万円、非課税保有限度額600万円で、0歳から17歳までの子どもが利用できます。親が口座を開設し、投資信託などで運用、その運用益が非課税になる仕組みです。
✅ 2027年最新情報
- 開始時期:2027年1月(正式決定)
- 引き出し:12歳以降、子どもの同意で可能
- 18歳到達時:成人NISAへ自動移行
- 対象商品:債券比率50%超の投資信託も追加予定
メリット
- 高い収益性が期待できる:投資信託などで運用するため、学資保険の返戻率(平均105〜110%程度)を大きく上回るリターンが期待できます。年利5%で運用できれば、18年間で元本の約1.6倍に成長する可能性があります。
- 運用益が非課税:通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内での利益は非課税になるため、効率的に資産を増やせます。
- 12歳以降は柔軟に引き出し可能:ジュニアNISAと異なり、12歳以降は子どもの同意を得れば引き出し可能。中学受験、高校入学、留学など、教育資金として柔軟に活用できます。
- 無期限の非課税期間:18歳になるまで無期限で非課税運用が可能。0歳から始めれば最長18年間の長期投資が実現します。
- 18歳で成人NISAへ自動移行:非課税保有限度額が引き継がれ、引き続き非課税運用が継続できます。
デメリット
- 元本割れのリスクがある:投資であるため、市場の状況によっては支払った金額よりも資産が減ってしまう可能性があります。特に短期(5年以内)で引き出す場合はリスクが高まります。
- 12歳未満は原則引き出し不可:小学校入学費用や習い事の費用など、12歳より前に必要な教育費には対応できません。
- 保障機能はない:学資保険のように、契約者(親)に万が一のことがあった場合の保険料払込免除といった保障はありません。
- 金融知識が必要:投資信託の選択や運用管理には、ある程度の金融リテラシーが求められます。
学資保険のメリット・デメリット
学資保険は、子どもの教育資金を準備するための貯蓄型の保険商品です。毎月決まった保険料を支払い、満期になると満期保険金やお祝い金を受け取れます。
メリット
- 元本保証の安心感:保険会社が破綻しない限り、契約時に定めた満期保険金が受け取れるため、計画的に資金を準備できます。市場の変動に左右されない安定性があります。
- 保障機能がある:契約者である親が死亡または高度障害状態になった場合、それ以降の保険料の支払いが免除され、満期保険金は予定通り受け取れる商品が一般的です。これは大きな安心材料です。
- 生命保険料控除が使える:支払った保険料は生命保険料控除の対象となり、年末調整や確定申告で税金の還付が受けられます(年間最大4万円の所得控除)。
- 強制貯蓄効果:毎月自動的に引き落とされるため、貯蓄が苦手な方でも確実に教育資金を準備できます。
デメリット
- 収益性が低い:現在の低金利下では返戻率が105〜110%程度の商品が多く、資産を大きく増やすことは期待できません。インフレに負ける可能性もあります。
- 柔軟性が低い:満期前に解約すると、解約返戻金が支払った保険料を下回る(元本割れする)ことがほとんどです。特に加入後10年以内の解約は大きな損失になります。
- インフレリスク:固定金利のため、将来インフレが進んだ場合、実質的な価値が目減りする可能性があります。
【一覧表】NISAと学資保険の5つの違い
両者の違いを分かりやすく表にまとめました。
| 比較項目 | こども支援NISA | 学資保険 |
|---|---|---|
| 開始時期 | 2027年1月(正式決定) | 現在加入可能 |
| 年間投資/保険料 | 最大60万円 | 商品により異なる |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | – |
| 収益性 | 高い(年利3〜5%期待) | 低い(返戻率105〜110%) |
| 元本保証 | なし(元本割れリスクあり) | あり(満期まで継続の場合) |
| 引き出し | 12歳以降、子の同意で可能 | 途中解約は元本割れ |
| 税制優遇 | 運用益が非課税 | 生命保険料控除(最大4万円) |
| 保障機能 | なし | あり(保険料払込免除) |
| 非課税期間 | 無期限(18歳まで) | – |
| 18歳到達時 | 成人NISAへ自動移行 | 満期保険金受取 |
【シミュレーション】18年間でどれだけ差がつく?
0歳から18年間、毎月同じ金額を積み立てた場合の比較シミュレーションです。
ケース①:毎月1万円を18年間積立
| 項目 | こども支援NISA | 学資保険 |
|---|---|---|
| 積立総額 | 216万円 | 216万円 |
| 想定利回り | 年利5% | 返戻率108% |
| 18年後の総額 | 約349万円 | 約233万円 |
| 増加額 | +133万円 | +17万円 |
差額:約116万円(NISAの方が多い)
ケース②:毎月3万円を18年間積立(第三子以降の児童手当全額活用)
| 項目 | こども支援NISA | 学資保険 |
|---|---|---|
| 積立総額 | 648万円 | 648万円 |
| 想定利回り | 年利5% | 返戻率108% |
| 18年後の総額 | 約1,048万円 | 約700万円 |
| 増加額 | +400万円 | +52万円 |
差額:約348万円(NISAの方が多い)
⚠️ シミュレーションの注意事項
上記のシミュレーションは、年利5%で運用できた場合の試算です。実際の運用成果は市場環境により変動し、この利率を保証するものではありません。元本割れのリスクもあることをご理解ください。
【目的別】我が家に最適なプランはどっち?
どちらの制度が良いかは、ご家庭の考え方や状況によって異なります。
こども支援NISAが向いている家庭
- 長期投資(10年以上)ができる:時間が味方になり、複利効果を最大限活かせます
- 元本割れリスクを許容できる:短期的な変動に動揺せず、長期的な視点を持てる
- 投資に興味がある、または勉強したい:金融リテラシーを高めたい意欲がある
- 12歳以降の教育資金が中心:中学・高校・大学の教育費が主な目的
- 親子で金融教育をしたい:子どもと一緒にお金の勉強をしたい
学資保険が向いている家庭
- 確実性を最優先:元本割れは絶対に避けたい
- 18歳など特定時期に必ず資金が必要:大学入学金など確実に準備したい
- 投資に抵抗感がある:リスクを取ることに心理的抵抗がある
- 保障機能が必要:親に万が一のことがあった場合の備えが欲しい
- 強制貯蓄が必要:自分で貯蓄するのが苦手
攻めと守りの「ハイブリッド戦略」とは?
一つの方法に絞る必要はありません。両方の良いところを活かす「ハイブリッド戦略」も非常に有効です。
基本戦略:リスク分散で安心+成長を両立
①「守り」の部分を学資保険で固める
- 大学入学金:私立大学約30万円、国立大学約28万円
- 初年度前期授業料:私立文系約50万円、国立大学約27万円
- 合計約80〜100万円を学資保険で確実に確保
②「攻め」の部分をこども支援NISAで増やす
- 在学中の授業料(2年目以降)
- 留学費用・資格取得費用
- 就職活動費用
- こうした「あればより良い」資金をNISAで積極運用
具体的な配分例
パターン①:バランス型(月5万円の場合)
- 学資保険:月2万円(確実に約460万円確保)
- こども支援NISA:月3万円(年利5%で約629万円期待)
- 合計:約1,089万円の教育資金準備
パターン②:攻め重視型(月5万円の場合)
- 学資保険:月1万円(最低限の入学金を確保)
- こども支援NISA:月4万円(年利5%で約839万円期待)
- 合計:約1,072万円の教育資金準備
パターン③:守り重視型(12歳未満の資金も必要な場合)
- 学資保険:月3万円(小学校入学金も含めて確保)
- こども支援NISA:月2万円(年利5%で約419万円期待)
- 預貯金:適宜(12歳未満の急な出費用)
このように、ベースの資金を学資保険で固めつつ、NISAで上乗せを狙うことで、リスクを管理しながら収益性も追求できます。
親子で学ぶ「金融教育」としてのNISA活用術
「こども支援NISA」は、単なる資産形成の手段にとどまりません。お子様と一緒にお金や経済について学ぶ「生きた教材」として活用できます。
年齢別の金融教育ステップ
幼児期(0〜6歳)
- 「お金が増える」という概念を絵本で教える
- 「○○ちゃんの大学のためのお金だよ」と目的を伝える
小学生(7〜12歳)
- 一緒に証券会社のサイトで運用状況を確認
- 「今月は〇円増えたね」「なぜ増えたのかな?」と対話
- 投資している企業の商品を一緒に使ってみる
- 12歳から引き出しには子どもの同意が必要なことを教え、責任感を育む
中学生以降(13歳〜)
- 投資信託の中身(どんな会社に投資しているか)を一緒に調べる
- 経済ニュースと資産の増減を関連付けて考える
- 将来の進路と必要な資金を具体的に計算
- 引き出しの判断を子どもと一緒に考える(金融教育の実践)
実践!親子で投資先を選ぶ3ステップ
- 家族で目標を話そう:「何のためにこのお金を増やすのか」を親子で共有し、お子様に当事者意識を持たせます。
- 一緒に投資先を選んでみよう:お子様の好きな商品を作っている会社や、応援したいサービスを展開している会社を投資先に選ぶことで、社会と経済のつながりに興味を持つきっかけになります。
- 運用状況を定期的にチェック:月に一度、「今月は少し増えたね」「どうしてだろう?」と親子で話し合う時間を作ることで、自然と金融リテラシーが育まれます。
お金の話をタブーとせず、幼い頃から一緒に学ぶ姿勢が、お子様の将来を豊かにする一番の投資かもしれません。
まとめ:最適な選択をするために
「こども支援NISA」と「学資保険」は、どちらも一長一短です。積極的に増やしたいならNISA、堅実に貯めたいなら学資保険が基本ですが、最も重要なのは「ご自身の家庭の方針に合っているか」です。
<今考えるべきポイント>
- リスク許容度を家族で話し合う:元本割れを受け入れられるか、確実性を優先するか
- 必要資金の時期と金額を明確化:いつ、いくら必要かを具体的に計算
- 12歳未満の資金ニーズを確認:小学校入学金、習い事費用などは別途準備が必要
- ハイブリッド戦略も視野に入れる:両方の良いところを活かす
- 金融教育の機会としても活用する:子どもと一緒にお金について学ぶ
最終チェックリスト:
| 質問 | YES → NISA | NO → 学資保険 |
|---|---|---|
| 10年以上の長期投資ができる? | ✓ | |
| 一時的な元本割れを許容できる? | ✓ | |
| 投資に興味がある・勉強したい? | ✓ | |
| 12歳未満の資金ニーズは少ない? | ✓ | |
| 絶対に元本を守りたい? | ✓ | |
| 親に万が一の保障が必要? | ✓ |
両者の特徴を正しく理解し、時には組み合わせることも視野に入れながら、後悔のない選択をしてください。この記事が、お子様の輝かしい未来への第一歩をサポートできれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
Q1: こども支援NISAは元本保証ですか?
A: いいえ、元本保証ではありません。こども支援NISAは投資信託などで運用するため、市場の状況によっては元本割れのリスクがあります。その分、学資保険よりも高いリターンが期待できる可能性があります。長期投資(10年以上)を前提とすることで、リスクを軽減できます。
Q2: 12歳より前に急にお金が必要になった場合はどうすればいいですか?
A: 12歳未満は原則引き出しできません。そのため、小学校入学費用や習い事の費用など、12歳より前に必要な教育費は、預貯金や学資保険で別途準備することをおすすめします。こども支援NISAは中学・高校・大学の教育費として活用するのが適切です。
Q3: 12歳以降の引き出しに制限はありますか?
A: 12歳以降は、子どもの同意を得れば親権者が引き出し可能です。子どもの同意が必要という点がポイントで、中学受験、高校入学、留学など、教育資金として柔軟に活用できます。親子で話し合って使い道を決めることで、金融教育にもつながります。
Q4: こども支援NISAと学資保険は併用できますか?
A: はい、併用することは非常に有効な戦略です。大学入学金など必ず必要になる資金を学資保険で確実に準備し、授業料や留学費用などをNISAで積極的に増やすことを目指す、といったハイブリッドな活用方法がおすすめです。リスク分散にもなります。
Q5: こども支援NISAの年間60万円を使い切れない場合は?
A: 年間60万円は上限であり、無理に使い切る必要はありません。児童手当(月1〜3万円)を活用するだけでも、18年間で大きな資産を形成できます。無理のない範囲で積立を続けることが重要です。
Q6: 学資保険の返戻率が低い理由は?
A: 現在の低金利環境が主な理由です。保険会社も国債などの安全資産で運用しているため、高い利回りを出すのが難しい状況です。ただし、元本保証と保障機能がついているため、安全性を重視する方には適しています。
Q7: こども支援NISAで損をした場合、税金はどうなりますか?
A: NISA口座内の損失は、他の課税口座の利益と損益通算(相殺)することができません。これはNISAのデメリットの一つです。ただし、利益が出た場合は完全非課税というメリットがあります。
Q8: 18歳になったらこども支援NISAはどうなりますか?
A: 18歳になると、こども支援NISA口座の資産は本人名義の成人用新NISA口座に自動的に移管されます。その際、非課税保有限度額は引き継がれ、引き続き非課税運用が可能です。
参考リンク(公的機関)
📚 こども支援NISAに関する公的情報
金融庁:NISA特設サイト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html
NISAの公式情報、制度の詳細、対象商品リストなど最新情報が掲載されています。こども支援NISAの正式な制度内容や開始時期についても、こちらで確認できます。
金融庁:つみたてNISA対象商品リスト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html
こども支援NISAで購入できる投資信託の一覧です。長期・積立・分散投資に適した商品が金融庁の基準に基づいて選定されています。
💰 学資保険・教育資金に関する公的情報
生命保険文化センター:学資保険とは
https://www.jili.or.jp/knows_learns/q_a/life_insurance/life_insurance_q26.html
公益財団法人 生命保険文化センターによる学資保険の基本的な仕組みと選び方について、中立的な立場から解説されています。保険料控除や返戻率についても詳しく説明されています。
こども家庭庁:児童手当制度
https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/
2024年10月から拡充された児童手当の最新情報が掲載されています。こども支援NISAと児童手当を組み合わせた教育資金準備の参考にできます。
関連記事
📚 あわせて読みたい
【記事監修】
寺田慎也(てらだ しんや)
税理士・特定社会保険労務士
寺田税理士事務所 / 社労士法人フォーグッド 代表
【専門分野】
税務顧問、確定申告、税務調査対応、社会保険手続き、給与計算、労務相談、補助金・助成金申請支援
【保有資格】
税理士、特定社会保険労務士
【実績・メディア掲載】
- テレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」専門家として出演
- 日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞など主要メディアへの取材協力多数
- 「税務弘報」「税務通信」「企業実務」など専門誌への執筆・寄稿
- 著書:『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』(幻冬舎、2018年)
- 著書:『雇用関係助成金申請・手続マニュアル』(日本法令、2020年)
- 税制改正・社会保険制度に関する専門家コメント提供
- 中小企業経営者向けセミナー講師(通算50回以上登壇)
- 顧問先企業数:450社以上(製造業、小売業、サービス業、IT企業など幅広い業種に対応)
- 補助金・助成金申請支援:累計採択額10億円超
※本記事は2025年12月31日時点の情報に基づき作成しております。こども支援NISAは2025年12月19日の税制改正大綱で正式決定されましたが、詳細な運用ルールや対象商品の範囲などは2026年中に政令・省令で確定される予定です。最新情報は金融庁や各金融機関の公式サイトでご確認ください。記事の内容に関するお問い合わせや、内容の正確性・完全性についての責任は負いかねますので、あらかじめご了承ください。具体的な投資判断や税務相談は、金融機関や税理士などの専門家にご相談ください。


