【2026年最新】労働法・税制改正 完全まとめ|育児介護休業法・所得税改正・労基法改正見送りまで社労士・税理士が一覧解説

公開日: 2025.10.19

最終更新日: 2026.03.13

2025年・2026年にかけて、育児・介護休業法改正(施行済)、令和7年度税制改正(適用中)、健康保険の被扶養者認定基準変更(2026年4月施行)など、経営者・人事担当者が対応すべき制度改正が相次いでいます。一方、注目を集めていた労働基準法の大改正は2026年通常国会への提出が見送りとなり、2027年以降に先送りとなりました。

本記事では、厚生労働省・財務省の公式資料に基づく確定情報のみを時系列で整理し、企業が今すぐ取るべき対応を解説します。各テーマの詳細解説は関連記事をご参照ください。

2025年・2026年 労働法改正・税制改正の全体像を解説する税理士・社労士事務所のスタッフ

改正スケジュール一覧

2025年〜2028年にかけての主要改正を時系列でまとめます。

施行時期 改正内容 分野 状況
2025年1月 厚生年金保険法施行規則改正 社会保険 施行済
2025年4月 育児・介護休業法改正(子の看護等休暇拡大・介護離職防止等) 労務 施行済
2025年度分〜 令和7年度税制改正(基礎控除引上げ・特定親族特別控除新設等) 税務 適用中
2025年10月 柔軟な働き方実現措置・教育訓練休暇給付金創設 労務 施行済
2026年1月 源泉徴収・給与所得控除引上げ分の反映開始 税務 対応必要
2026年4月 健康保険の被扶養者認定基準変更(労働契約ベースへ) 社会保険 対応必要
2026年4月 高年齢労働者の労働災害防止措置(努力義務化) 労務 対応必要
2027年以降 労働基準法大改正(2026年通常国会提出は見送り・審議継続中) 労務 見送り
2028年頃 ストレスチェック 50人未満事業場にも義務化 労務 準備期間

2025年4月1日施行:育児・介護休業法改正

施行日: 2025年4月1日(施行済)

育児関連の主な改正

子の看護等休暇の見直しでは、名称が「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変わり、対象年齢が小学校就学前から小学校3年生修了までに拡大されました。取得事由には入園式・卒園式への参加が追加され、継続雇用6か月未満の除外規定も廃止されています。

所定外労働の制限(残業免除)の対象は、3歳未満の子を養育する労働者から小学校就学前の子を養育する労働者に拡大されました。

短時間勤務制度の代替措置にテレワークが追加されました。短時間勤務が困難な業務で労使協定を締結した場合に限り、テレワークを代替措置として選択できます。

育児休業取得状況の公表義務の対象企業が、従業員数1,000人超から300人超に拡大されました。公表内容は男性の育児休業等取得率で、年1回・前事業年度終了後おおむね3か月以内に公表する必要があります。

介護関連の主な改正

介護離職防止のための雇用環境整備として、以下4つのうち少なくとも1つの措置を講ずる義務が新設されました。①介護休業・両立支援に関する研修の実施、②相談窓口の設置、③介護休業取得事例の収集・提供、④利用促進に関する方針の周知、のいずれかです。

個別の周知・意向確認として、介護に直面した旨を申し出た労働者への個別対応と、労働者が40歳に達する年度に情報提供を行う義務が設けられました。

介護休暇取得要件の緩和では、継続雇用6か月未満を除外できる労使協定規定が廃止されています。

2025年10月1日施行:柔軟な働き方実現措置

施行日: 2025年10月1日(施行済)/根拠:育児・介護休業法改正

3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者を対象に、企業規模を問わず(労働者1人以上の全企業)、以下5つの措置から2つ以上を選択して実施する義務が課されました。なお、3歳未満については従来どおり短時間勤務制度等の別の措置義務が適用されます。

選択可能な5つの措置

  1. 始業時刻等の変更(フレックスタイム制、繰上げ・繰下げ等)
  2. テレワーク等(月10日以上、原則時間単位での利用可)
  3. 保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配・費用負担等を含む)
  4. 養育両立支援休暇の付与(年10日以上、原則時間単位での取得可)
  5. 短時間勤務制度(1日原則6時間)

選択した措置は、過半数組合または過半数代表者の意見聴取を経て就業規則に明記し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。未対応の場合は早急に対応してください。

2025年10月1日施行:教育訓練休暇給付金

施行日: 2025年10月1日(施行済)/根拠:雇用保険法改正

企業が設ける教育訓練休暇制度を利用し、連続30日以上の無給休暇を取得して厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講する雇用保険被保険者に対し、給付金が支給されます。

給付金の主な要件

  • 給付率:休業開始時賃金日額の60%
  • 給付期間:最大2年間(730日)
  • 被保険者期間:3年以上(初回は2年以上)
  • 企業の就業規則等で教育訓練休暇制度が定められていること
  • 連続30日以上の無給休暇取得であること
注意: この制度は法律で休暇付与を義務付けるものではありません。企業が任意で教育訓練休暇制度を設けた場合に、労働者が給付金を受給できる支援制度です。

2025年度税制改正(令和7年度)

根拠: 令和7年度税制改正大綱(2024年12月27日閣議決定)

所得税の改正(2025年分から適用)

基礎控除の引上げにより、合計所得金額2,350万円以下の方の基礎控除額が現行の48万円から58万円に引き上げられました。2025年分所得税から適用、源泉徴収への反映は2026年1月支給分からとなります。

給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられ、給与収入が少ない方の税負担が軽減されます。こちらも源泉徴収への反映は2026年1月からです。

特定親族特別控除(新設)は、19歳以上23歳未満の親族(合計所得金額123万円以下等の条件あり)で扶養控除対象外の方を持つ納税者に適用される新しい控除です。控除額は納税者の所得に応じて最大63万円から3万円まで段階的に設定されています。

扶養控除等の所得要件が一斉に緩和されました。同一生計配偶者・扶養親族は48万円以下から58万円以下に、勤労学生は75万円以下から85万円以下に引き上げられています。

生命保険料控除の拡充は、23歳未満の扶養親族がいる方を対象に、一般生命保険料控除の上限を4万円から6万円に引き上げる特例措置です。ただし2026年分(令和8年分)のみの時限措置である点に注意が必要です。

法人税の改正

中小企業者等の軽減税率特例は2年間延長されましたが、所得金額が年10億円を超える事業年度については、所得800万円以下部分の税率が15%から17%に引き上げられます。通算法人は適用対象から除外されます。

確定拠出年金制度の拠出限度額引上げ(2025年度施行)

  • 企業型DC: 月額5.5万円 → 月額6.2万円
  • iDeCo(第1号被保険者): 月額6.8万円 → 月額7.5万円
  • iDeCo(企業年金非加入者):月額6.2万円へ引上げ
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2026年4月施行:健康保険の被扶養者認定基準の変更

⚠ 2026年4月1日施行・対応が必要です

2026年4月1日より、健康保険の被扶養者認定における「年間収入130万円未満」の判定方法が「将来の収入見込み」から「労働契約の内容(賃金)」ベースに変わります。これは厚生労働省の通達(2025年10月6日付)によって確定した改正です。

改正の主なポイントは次のとおりです。残業代・通勤手当・賞与の扱いが整理され、労働契約に残業代の定めがない場合は収入に算入しない取り扱いが明確化されました。一方、一時的な収入超過があっても、労働契約の賃金に基づく判定が基本となるため、扶養が即座に取り消しになるケースは減少します。

企業としては、雇用契約書・労働条件通知書の賃金記載の見直しと、従業員への周知が2026年4月までに必要です。

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労働基準法大改正:2026年通常国会への提出は見送り

状況:2026年通常国会への提出を見送り。2027年以降に先送り。改正の方向性は白紙ではなく審議継続中。

約40年ぶりの大改正として注目を集めていた労働基準法改正ですが、2025年12月26日の上野厚生労働大臣の会見で、2026年通常国会への提出を見送ることが発表されました。高市政権の「日本成長戦略会議」が規制緩和を方針として掲げる一方、厚生労働省の改正案が規制強化方向であったことが対立の背景にあります。

ただし改正内容が白紙になったわけではありません。労働政策審議会・労働条件分科会での審議は継続中であり、連続勤務13日上限・勤務間インターバル11時間義務化・週44時間特例廃止など7つの改正ポイントは引き続き検討されています。2027年通常国会での提出・2027年以降の段階的施行が見込まれており、準備は今から進めておくことが重要です。

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2026年以降の施行予定事項

2026年4月施行:高年齢労働者の労働災害防止

高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置が事業者の努力義務とされます。また、ボイラー・クレーン等の製造許可・検査における民間登録機関の範囲が拡大されます。

2028年頃施行:ストレスチェック義務化の拡大

現在は労働者50人以上の事業場に義務付けられているストレスチェックが、50人未満の事業場にも義務化される予定です(公布後3年以内、2028年4月頃見込み)。地域産業保健センター(地さんぽ)の体制拡充など支援策も併せて整備される予定です。50人未満の事業場は、実施者の選定・産業医等との連携体制構築を計画的に進めておくことが重要です。

企業の対応チェックリスト

✅ 2025年4月施行分(施行済)

  • 就業規則:子の看護等休暇・所定外労働制限・介護休暇の規定を見直したか
  • 育児休業取得状況の公表体制を整備したか(300人超企業)
  • 介護離職防止のための研修・相談窓口等を整備したか
  • 介護申出時・40歳到達時の個別周知・意向確認フローを確立したか

✅ 2025年10月施行分(施行済)

  • 5つの措置から2つ以上を選択し、過半数組合等と意見聴取を行ったか(対象:3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者)
  • 選択した措置を就業規則に明記し、労働基準監督署に届け出たか
  • 妊娠・出産申出時と子が3歳前の意向確認体制を構築したか

⚠ 2026年1月・4月対応必要

  • 【税務・1月】給与計算システムの源泉徴収税額を更新したか(基礎控除・給与所得控除引上げ反映)
  • 【税務・年末調整】特定親族特別控除の新設に対応した申告書様式・システムを更新したか
  • 【社保・4月】雇用契約書・労働条件通知書の賃金記載が新認定基準に対応しているか確認したか
  • 【社保・4月】扶養している従業員家族の状況を確認し、必要な周知を行ったか

📅 2027〜2028年に向けた準備

  • 労働基準法大改正(2027年以降)を見据えた現行就業規則・勤務体制の棚卸し
  • ストレスチェック義務化(50人未満、2028年頃)に向けた実施者選定・体制整備

まとめ

2025年・2026年の労働法・税制改正は、働き方の多様化への対応税負担の適正化を両輪とした包括的な制度整備です。育児・介護休業法改正および柔軟な働き方実現措置はすでに施行済みであり、未対応の場合は早急な対応が求められます。

税制面では2026年1月の源泉徴収変更が目前に迫っています。給与計算システムの更新と、年末調整における特定親族特別控除対応を急ぎ確認してください。

2026年4月施行の被扶養者認定基準変更は、労働条件通知書の整備という労務管理の観点と、社会保険実務の観点の両方にまたがります。税理士と社労士の連携体制がある事務所への相談が最も効率的な対処法です。

なお、労働基準法大改正は2026年通常国会への提出が見送りとなりましたが、改正の方向性は変わっておらず、2027年以降に向けた準備は今から着実に進めておくことを推奨します。

この記事の監修者

寺田慎也(税理士・特定社会保険労務士)
テレビ朝日モーニングショー出演(2024年5月・6月、2025年8月)、PRONIアイミツ4年連続全国1位、税務弘報連載中、著書2冊(幻冬舎2018・日本法令2020)、創業75年・スタッフ20名・大阪東京2拠点・450社以上。
監修チーム:税理士2名・社労士6名(うち特定社労士2名)、株式会社フォーグッドコンサルティング含む。

よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年に施行される最も重要な改正は何ですか?
企業への実務影響が大きいのは2点です。①2026年1月からの源泉徴収変更(基礎控除・給与所得控除引上げの給与計算システムへの反映)と、②2026年4月からの健康保険被扶養者認定基準の変更(雇用契約書・労働条件通知書の賃金記載の見直し)です。どちらも多くの企業に対応義務があります。
Q2. 労働基準法改正は結局どうなったのですか?
2026年通常国会への提出が見送りとなりました。ただし改正は白紙ではなく、連続勤務13日上限・勤務間インターバル義務化・週44時間特例廃止などの改正内容は労働政策審議会で審議継続中です。2027年通常国会での提出、2027年以降の段階的施行が見込まれています。
Q3. 特定親族特別控除とはどのような制度ですか?
2025年分所得税から新設された控除です。19歳以上23歳未満の扶養控除対象外の親族(合計所得金額123万円以下等の条件あり)を持つ納税者に適用されます。従来、大学生等の子が一定の収入を得ると扶養控除が適用外となり、手取りが減少する問題がありました。特定親族特別控除はその対応策として設けられた制度です。
Q4. 柔軟な働き方実現措置は小規模企業にも適用されますか?
はい、労働者1人以上のすべての企業が対象です(2025年10月1日施行済み)。対象となる労働者は3歳以上小学校就学前の子を養育する方で、5つの措置から2つ以上を選択して就業規則に定め、届け出る必要があります。なお、3歳未満については別の措置義務(短時間勤務制度等)が引き続き適用されます。規模を問わず義務であるため、未対応の場合は早急に対応してください。

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