【東京・IT企業100人超】急成長企業の労務崩壊を防ぐ|上場準備(IPO)企業の労務体制構築術
公開日: 2026.02.03
最終更新日: 2026.02.01


「従業員100人突破、売上も順調、IPOも視野に入ってきた──でも労務管理が追いついていない」
急成長するIT企業にとって、労務体制の崩壊はIPO審査で致命的です。未払残業代リスク、裁量労働制の誤用、36協定の未整備──こうした問題は、上場承認の取り消しや延期に直結します。
本記事では、東京のIT企業(100人超・IPO準備中)が直面する5つの労務リスク、IPO労務監査で指摘される20項目のチェックリスト、職種別の最適な労働時間制度設計を、社労士の視点から徹底解説します。急成長期の労務崩壊を防ぎ、確実なIPO実現を目指しましょう。

この記事では、私たち寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)が、
IPO準備企業の労務体制構築、労務監査対応、未払残業代リスクの解消を徹底解説します。
重要なのは、IPO審査で指摘される前に、労務体制を整備し、コンプライアンス違反を解消することです。
当事務所は、IPO準備企業の労務体制構築支援実績があり、労務デューデリジェンスから上場後の労務管理まで、ワンストップでサポートします。
目次
- 東京IT企業(100人超)のIPO労務リスク:なぜ急成長企業は労務でつまづくのか
- IPO審査で致命的な5つの労務リスク
- 職種別の最適な労働時間制度設計|裁量労働制vs変形労働時間制
- IPO労務監査で必ずチェックされる20項目
- 【実例】渋谷SaaS企業(従業員150人)のIPO労務体制構築ストーリー
- IPO準備企業が社労士を選ぶ5つの基準
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
- 関連記事
東京IT企業(100人超)のIPO労務リスク:なぜ急成長企業は労務でつまづくのか
東京のIT企業(SaaS、Web、AI、ゲーム開発など)は、創業期から急成長期に移行する過程で、労務管理が追いつかなくなるケースが多発しています。特に従業員100人を超えたタイミングで、以下のような問題が顕在化します。
急成長企業が抱える3つの構造的問題
| No. | 問題 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | スタートアップ時代の労務慣行を引きずっている | 創業期は少人数で柔軟に働けたが、100人を超えると「全員裁量労働制」「固定残業代80時間」などの運用が違法状態になっている。 |
| 2 | 人事・労務の専門人材が不足している | エンジニアや営業は採用できても、労務管理のプロが不在。人事担当者が「なんとなく」運用しており、法令違反に気づいていない。 |
| 3 | IPO準備で初めて労務リスクに気づく | IPO監査法人やVC(ベンチャーキャピタル)から「労務デューデリジェンス」を受けて初めて、未払残業代リスク数億円が発覚するケースも。 |
IPO審査では、過去2〜3年分の労務管理状況が厳しく審査されます。「今から直せばいい」では間に合いません。IPO準備を始める前、できれば従業員50人を超えた時点で、労務体制の整備を開始すべきです。
急成長企業で顕在化する労務管理の問題(イメージ)
IPO審査で致命的な5つの労務リスク
IPO審査(主幹事証券会社、監査法人、東京証券取引所)では、以下の5つの労務リスクが特に重視されます。1つでも重大な違反があれば、上場承認の取り消しや延期に直結します。
リスク1. 未払残業代(過去2〜3年分で数千万円〜数億円)
問題の実態
東京のIT企業(100人超)では、以下のような理由で未払残業代が発生しています。
- 固定残業代の誤用:「基本給に含まれる」と主張しているが、就業規則や雇用契約書に明記されていない
- 裁量労働制の誤用:営業職やカスタマーサポート職に裁量労働制を適用している(違法)
- 管理監督者の誤認:「マネージャー」という肩書だけで残業代を支払っていない
- 始業前・休憩時間中の業務:朝会、昼休みの電話対応などが労働時間としてカウントされていない
IPO審査での影響
未払残業代リスク試算(概算):
前提条件:
- 従業員100人
- 平均月給50万円(うち基本給35万円、固定残業代45時間分15万円と仮定)
- 実際の平均残業時間:月50時間
- 未払残業時間:月5時間(50時間-45時間)
- 過去2年分を試算
計算
- 時給換算(基本給ベース):35万円÷173時間≒2,023円
- 残業代単価:2,023円×1.25=2,529円
- 月額未払残業代:2,529円×5時間=12,645円
- 1人あたり2年分:12,645円×24ヶ月=303,480円
- 100人分:約3,000万円
※固定残業代が適切に運用されている場合の試算。固定残業代が無効と判断された場合、全残業時間(月50時間×24ヶ月×100人)について追加支払が発生し、約1億5,000万円のリスクとなります。さらに、付加金(裁判所の裁量により最大同額)、遅延損害金(年3%〜14.6%)が加算される可能性があります。
※固定残業代の有効性は「明確区分性」「対価性」等で判断され、無効の場合の扱いは個別事案により異なります。
未払残業代リスクの試算イメージ
リスク2. 裁量労働制・変形労働時間制の誤用
問題の実態
IT企業では、エンジニアやデザイナーに裁量労働制を適用するケースが多いですが、以下のような誤用が頻発しています。
- 対象業務の誤認:「システム開発」と一括りにしているが、実態は上司の指示に従う定型業務
- 労使協定の未締結:裁量労働制導入に必要な労使協定を締結していない
- 労働基準監督署への届出漏れ:労使協定を締結しても、労基署に届け出ていない
- 健康管理措置の未実施:裁量労働制適用者の労働時間を把握していない
「プログラマー」という肩書だけでは裁量労働制の対象にはなりません。実際の業務内容が「情報処理システムの分析又は設計」「情報処理システムの設計又は作成(プログラム作成)」に該当し、かつ業務遂行の手段や時間配分の決定を労働者に委ねる必要がある場合のみ適用可能です。上司の指示に従って定型的なコーディング作業を行う場合は対象外です。
厚生労働省:専門業務型裁量労働制
IPO審査での影響
裁量労働制の誤用が発覚すると、適用者全員分の未払残業代が遡及請求されます。さらに、労働基準監督署からの是正勧告や、最悪の場合、書類送検のリスクもあります。
リスク3. 36協定の未整備・形骸化
問題の実態
- 36協定の未締結:残業させているのに36協定を締結していない(労働基準法違反)
- 特別条項の未整備:月45時間を超える残業があるのに、特別条項を締結していない
- 上限規制違反:2019年4月以降、以下の上限規制を守っていない
- 年720時間以内
- 複数月平均80時間以内(休日労働含む)
- 月100時間未満(休日労働含む)
- 月45時間を超えられるのは年6ヶ月まで
- 労働基準監督署への届出漏れ:36協定を締結しても、労基署に届け出ていない
IPO審査での影響
36協定の未整備は、IPO審査で最も基本的なチェック項目です。未締結が発覚すると、即座に是正を求められ、上場スケジュールが遅れる可能性があります。
リスク4. 就業規則・退職金規程の未整備
問題の実態
- 就業規則の未作成:従業員10人以上で作成義務があるのに、未作成
- 労働基準監督署への届出漏れ:就業規則を作成しても、労基署に届け出ていない
- 内容が古い:法改正(育児介護休業法、パワハラ防止法など)に対応していない
- 退職金規程の未整備:口約束で「退職金を支払う」と言っているが、規程がない
IPO審査での影響
就業規則の未整備は、IPO審査で必ず指摘されます。また、退職金規程がない場合、IPO後に従業員から「退職金を支払え」と訴えられるリスクがあります。
リスク5. ハラスメント対応の未整備
問題の実態
- 相談窓口の未設置:パワハラ・セクハラの相談窓口がない
- 研修の未実施:管理職向けのハラスメント研修を実施していない
- 就業規則への未記載:ハラスメント禁止規定や懲戒処分が就業規則に明記されていない
- 対応記録の未保存:ハラスメント相談があっても、記録を残していない
IPO審査での影響
2020年6月施行のパワハラ防止法(中小企業は2022年4月から義務化)により、企業にはハラスメント防止措置義務が課されています。未対応の場合、IPO審査で指摘され、是正を求められます。
職種別の最適な労働時間制度設計|裁量労働制vs変形労働時間制
IT企業では、エンジニア、営業、カスタマーサポート、バックオフィスなど、職種によって最適な労働時間制度が異なります。IPO準備企業は、職種別に適切な制度を導入し、労務リスクを最小化する必要があります。
職種別の労働時間制度設計マトリクス
| 職種 | 最適な制度 | 理由・メリット | 残業代 |
|---|---|---|---|
| エンジニア(R&D) | 専門業務型裁量労働制 | 情報処理システムの分析・設計、プログラム開発(研究開発)は裁量労働制の対象業務。労使協定と労基署への届出が必須。業務遂行の裁量が必要。 | 不要(みなし時間分)※深夜・休日は必要 |
| デザイナー | 専門業務型裁量労働制 | デザイナー(工業デザイン、インテリアデザイン等)は裁量労働制の対象業務。 | 不要(みなし時間分)※深夜・休日は必要 |
| 営業・CS | フレックスタイム制+固定残業代見直し | 裁量労働制は適用不可。フレックスタイム制で柔軟性を確保しつつ、固定残業代を実態に合わせて見直す。 | 必要(実労働時間分) |
| バックオフィス | フレックスタイム制 | 定型業務が多いため、裁量労働制は不適。フレックスタイム制で柔軟性を確保。 | 必要(実労働時間分) |
裁量労働制導入の5つの要件
裁量労働制は、対象業務が法定されており、厳格な要件があります。以下の5つの要件を全て満たさない限り、裁量労働制は導入できません。
| No. | 要件 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 対象業務が法定されている | 労働基準法施行規則第24条の2の2に列挙された20業務(2024年4月改正で中小企業診断士が追加)のみ。IT企業では「情報処理システムの分析又は設計」「情報処理システムの設計又は作成(プログラム作成)」「ゲーム用ソフトウェアの創作」など。 厚生労働省:専門業務型裁量労働制(PDF) |
| 2 | 労使協定の締結 | 過半数労働組合または過半数代表者と労使協定を締結する。協定には、対象業務、みなし労働時間、健康確保措置、本人同意手続などを記載。 |
| 3 | 労働基準監督署への届出 | 労使協定を所轄労働基準監督署に届け出る。届出がない場合、裁量労働制は無効。 |
| 4 | 本人同意(2024年4月改正で厳格化) | 対象労働者本人の同意を得る。2024年4月改正により、同意取得時の説明義務・同意撤回手続の整備が義務化されました。強制適用は不可。同意しなかった労働者への不利益取扱いも禁止。 |
| 5 | 健康確保措置の実施 | 労働時間の状況把握、健康診断の実施、産業医面談、勤務間インターバルなどの健康確保措置を講じる。 |
裁量労働制を導入しても、深夜労働(22時〜5時)と休日労働には割増賃金が必要です。「裁量労働制だから残業代は一切不要」という認識は誤りです。また、対象業務以外の業務が主である場合、裁量労働制は無効となります。
裁量労働制の適用イメージ
IPO労務監査で必ずチェックされる20項目
IPO準備企業は、主幹事証券会社や監査法人による労務デューデリジェンス(労務DD)を受けます。以下の20項目は、必ずチェックされる重要ポイントです。
IPO労務監査チェックリスト(20項目)
| No. | チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 1 | 就業規則の作成・届出 | 従業員10人以上で作成義務。労基署への届出済みか。 |
| 2 | 就業規則の法改正対応 | 育児介護休業法、パワハラ防止法、同一労働同一賃金など、最新法令に対応しているか。 |
| 3 | 雇用契約書の締結 | 全従業員と雇用契約書を締結しているか。労働条件通知書の交付でも可。 |
| 4 | 36協定の締結・届出 | 残業させる場合、36協定の締結と労基署への届出が必須。特別条項も確認。 |
| 5 | 残業時間の上限規制遵守 | 年720時間以内、複数月平均80時間以内、月100時間未満、月45時間超は年6ヶ月までなどの上限規制を守っているか。 |
| 6 | 未払残業代の有無 | 過去2〜3年分の未払残業代リスクを試算。特に固定残業代、裁量労働制、管理監督者の運用を確認。 |
| 7 | 固定残業代の有効要件 | 基本給と固定残業代の区別、就業規則・雇用契約書への明記、超過分の支払い実績を確認。 |
| 8 | 裁量労働制の適法性 | 対象業務(20業務)、労使協定、労基署届出、本人同意(2024年4月改正で厳格化)、健康確保措置の5要件を全て満たしているか。 |
| 9 | 管理監督者の要件 | 経営者と一体的な立場、労働時間の裁量、職務内容・責任と権限の重要性、賃金等の待遇の4要素を満たしているか。 |
| 10 | 勤怠管理の適正性 | 原則としてタイムカードやクラウド勤怠システムで客観的に記録。自己申告を用いる場合は、実態との乖離確認・調査・補正措置が必要。完全な自己申告制のみは不適切。 |
| 11 | 有給休暇の取得促進 | 年5日の有給休暇取得義務(2019年4月施行)を遵守しているか。 |
| 12 | 社会保険の加入状況 | 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険に適切に加入しているか。未加入者はいないか。 |
| 13 | 退職金規程の整備 | 退職金を支払う場合、規程を作成し、就業規則に記載しているか。 |
| 14 | ハラスメント防止措置 | 相談窓口の設置、就業規則への明記、研修の実施、対応記録の保存。 |
| 15 | 解雇・雇止めの適法性 | 過去2〜3年分の解雇・雇止め事例を確認。客観的合理的理由と社会通念上の相当性があるか。 |
| 16 | 同一労働同一賃金 | 正社員と非正規社員の待遇差を説明できるか。不合理な待遇差はないか。 |
| 17 | 育児介護休業の取得実績 | 育児休業・介護休業の申請があった場合、適切に対応しているか。拒否していないか。 |
| 18 | 安全衛生管理体制 | 50人以上で衛生管理者・産業医の選任義務。ストレスチェックの実施(50人以上)。 |
| 19 | 労働基準監督署の是正勧告 | 過去2〜3年分の是正勧告の有無。是正済みか未対応か。 |
| 20 | 労働組合・団体交渉 | 労働組合の有無、団体交渉の履歴、労働委員会への申立ての有無。 |
上記20項目のうち、1つでも重大な違反があれば、IPO審査で不適格と判断される可能性があります。特に、未払残業代リスク、裁量労働制の誤用、36協定の未整備は致命的です。IPO準備を始める前に、社労士による労務監査を受けることを強く推奨します。
IPO労務監査のイメージ
【実例】渋谷SaaS企業(従業員150人)のIPO労務体制構築ストーリー
※本事例は、当事務所の支援実績を基にした仮想事例です。実際の企業名・数値は変更しています。
ここでは、実際に当事務所がサポートした渋谷のSaaS企業(仮称:F社、従業員150人)のIPO労務体制構築ストーリーを紹介します。
F社の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | SaaS(営業支援ツール) |
| 従業員数 | 150人(エンジニア60人、営業・CS 50人、バックオフィス40人) |
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| IPO目標 | 2年後にグロース市場上場 |
BEFORE:労務体制の問題点
| 問題点 | 内容 |
|---|---|
| 全員に固定残業代45時間 | 実際の平均残業時間は月50時間。超過分の未払残業代リスク:約9,000万円(2年分、固定残業代が無効の場合) |
| 裁量労働制の未導入 | エンジニアに裁量労働制を適用していないため、全員に残業代を支払う必要がある。 |
| 勤怠管理が自己申告制 | リモートワークで自己申告制。実労働時間が把握できていない。 |
| 36協定の特別条項なし | 月45時間を超える残業があるのに、特別条項を締結していない。労働基準法違反。 |
| 就業規則・退職金規程なし | 就業規則は作成しているが、労基署に届け出ていない。退職金規程もなし。 |
支援内容:6ヶ月で労務体制を構築
| 月次 | 支援内容 |
|---|---|
| 1ヶ月目 | 労務監査・リスク診断:過去2年分の勤怠記録、給与明細、雇用契約書を精査。未払残業代リスクを試算。 |
| 2ヶ月目 | 職種別の労働時間制度設計:エンジニア→裁量労働制、営業・CS→フレックスタイム制+固定残業代見直し、バックオフィス→フレックスタイム制 |
| 3ヶ月目 | 裁量労働制の導入:労使協定の締結、労基署への届出、対象者への説明と同意取得 |
| 4ヶ月目 | 固定残業代の見直し:実態に合わせて45時間→30時間に変更。基本給を増額し、手取りを維持。 |
| 5ヶ月目 | クラウド勤怠システム導入:自己申告制から客観的記録へ変更。リモートワークでもPC起動時間で管理。 |
| 6ヶ月目 | 未払残業代の解消:過去2年分の未払残業代を従業員と合意の上、分割支払いで解消。就業規則・退職金規程を労基署に届出。 |
AFTER:労務体制構築後の成果(1年後)
| 成果指標 | BEFORE→AFTER |
|---|---|
| 平均残業時間 | 月50時間→月30時間(▲40%) |
| 残業代コスト | 年間5,000万円→年間2,500万円(▲50%、年間2,500万円削減相当) |
| 未払残業代リスク | 約9,000万円→ゼロ |
| 離職率 | 年25%→年12%(▲52%) |
| 労働生産性(1人あたり売上) | 年1,200万円→年1,500万円(+25%) |
| IPO審査 | 労務リスク多数→労務問題ゼロで上場承認 |
投資対効果(ROI)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 社労士顧問料(年間) | 180万円 |
| 残業代コスト削減(年間) | 2,500万円相当 |
| 採用コスト削減(離職率低下) | 200万円相当 |
| 年間効果(合計) | 2,700万円相当 |
| ROI(投資対効果) | 約15倍 |
※効果は企業規模・業種・状況により異なります
労務体制構築後の成果イメージ
IPO準備企業が社労士を選ぶ5つの基準
IPO準備企業にとって、社労士選びは極めて重要です。以下の5つの基準を満たす社労士を選ぶことをおすすめします。
基準1. IPO準備企業の労務体制構築支援実績がある
IPO労務監査は、通常の労務管理とは異なる専門知識が必要です。IPO準備企業の労務体制構築支援実績がある社労士を選びましょう。
基準2. 税理士とのダブルライセンス
IPO準備では、労務だけでなく税務も重要です。税理士と社労士のダブルライセンス事務所であれば、税務調査対応や役員報酬設計まで、ワンストップでサポートできます。
基準3. 監査法人・VCとの連携経験
IPO準備では、監査法人やVCとの調整が不可欠です。大手監査法人(BIG4)、主要VC(グロービス、ジャフコなど)との連携経験がある社労士を選びましょう。
基準4. 迅速な対応力
IPO準備は時間との勝負です。24時間以内の初回対応、最短6ヶ月での労務体制構築など、迅速な対応力が求められます。
基準5. 透明性の高い料金体系
IPO準備の社労士費用は、月額15万円〜30万円程度が相場です。成功報酬型ではなく、月額固定型の料金体系が望ましいです。当事務所は、初回相談無料、見積もり提示後の追加料金なしで対応します。
IPO支援に強い専門家のイメージ
よくある質問(Q&A)
Q1. IPO準備はいつから始めるべきですか?
A1. IPO目標の2〜3年前、従業員50人を超えた時点で労務体制の整備を開始すべきです。IPO審査では過去2〜3年分の労務管理状況が審査されるため、直前に慌てて整備しても間に合いません。特に、未払残業代リスク、裁量労働制の導入、36協定の整備は、最低でも1年以上の準備期間が必要です。
Q2. IPO労務監査で最も指摘されやすいポイントは何ですか?
A2. 未払残業代リスク、裁量労働制の誤用、36協定の未整備の3つが最も指摘されやすいです。特に、固定残業代の有効要件(基本給との区別、就業規則への明記、超過分の支払い)を満たしていないケースが多く、過去2〜3年分の未払残業代が数千万円〜数億円に上ることもあります。
Q3. 裁量労働制はどの職種に適用できますか?
A3. 労働基準法施行規則第24条の2の2に列挙された20業務(2024年4月改正で中小企業診断士が追加)のみに適用可能です。IT企業では、「情報処理システムの分析又は設計」「情報処理システムの設計又は作成(プログラム作成)」「ゲーム用ソフトウェアの創作」が対象業務となります。ただし、業務遂行の手段や時間配分の決定を労働者に委ねる必要があり、上司の指示に従って定型的なコーディング作業を行う場合は対象外です。また、営業職、カスタマーサポート職、バックオフィス職には適用できません。さらに、対象業務であっても、労使協定の締結、労基署への届出、本人同意(2024年4月改正で厳格化)、健康確保措置の5要件を全て満たす必要があります。
厚生労働省:専門業務型裁量労働制(PDF)
Q4. 未払残業代リスクはどのように解消すればよいですか?
A4. 過去2〜3年分の未払残業代を試算し、従業員と合意の上、分割支払いで解消するのが一般的です。一括払いが困難な場合、6ヶ月〜12ヶ月の分割払いで合意することが多いです。また、未払残業代の解消と同時に、固定残業代の見直しや裁量労働制の導入など、今後の残業代コストを削減する施策も併せて実施します。
Q5. IPO準備中の社労士費用はどのくらいですか?
A5. IPO準備企業の社労士顧問料は、月額15万円〜30万円程度が相場です。従業員100人超の場合、月額20万円前後が目安です。ただし、未払残業代の解消や裁量労働制の導入など、スポット業務が発生する場合は、別途費用が発生します。当事務所では、初回相談無料、見積もり提示後の追加料金なしで対応します。
Q6. IPO審査で労務問題が発覚した場合、上場は取り消されますか?
A6. 重大な労務問題が発覚した場合、上場承認の取り消しや延期となる可能性があります。特に、未払残業代リスクが数億円規模、労働基準監督署からの是正勧告が複数回、労働組合との団体交渉が紛糾している場合などは、上場承認が見送られるケースがあります。ただし、問題を早期に発見し、適切に解消すれば、上場承認される可能性は高まります。
Q7. IPO後も社労士のサポートは必要ですか?
A7. はい、IPO後も継続的な社労士のサポートが必要です。上場企業は、四半期開示、有価証券報告書などで労務管理状況を開示する必要があり、コンプライアンス違反は株価に直結します。また、従業員数が増加するにつれ、労務トラブルのリスクも高まるため、予防法務の観点からも社労士のサポートが不可欠です。
まとめ:IPO成功の鍵は「労務体制の早期整備」
東京のIT企業(100人超・IPO準備中)にとって、労務体制の整備はIPO成功の必須条件です。未払残業代リスク、裁量労働制の誤用、36協定の未整備など、1つでも重大な違反があれば、上場承認の取り消しや延期に直結します。
私たち寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)は、IPO準備企業の労務体制構築支援実績があり、労務デューデリジェンスから上場後の労務管理まで、ワンストップでサポートします。税理士と社労士のダブルライセンスで、税務調査対応から労務監査まで、一括で対応可能です。IPO準備にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
※本記事は作成日時点の情報に基づき作成しております。法改正等により内容が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。具体的なご相談は専門家までお問い合わせください。
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記事監修
【記事監修】
寺田慎也(てらだ しんや)
税理士・特定社会保険労務士
寺田税理士事務所 / 社労士法人フォーグッド / 株式会社フォーグッドコンサルティング 代表
【専門分野】
税務顧問、確定申告、税務調査対応、社会保険手続き、給与計算、労務相談、IPO労務支援、補助金・助成金申請支援
【保有資格】
税理士、特定社会保険労務士
【組織体制】
創業75年の実績を持つ専門家集団。スタッフ20名、税理士4名・社労士6名(うち特定社労士2名)が在籍し、大阪・東京の2拠点で全国450社以上の企業をサポート。
【代表者の実績・メディア掲載】
- テレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」専門家として複数回出演(2024年5月・6月、2025年8月)
- アイミツ「税理士と社労士が在籍するおすすめ事務所」実績部門 4年連続全国1位
- 中央経済社『税務弘報』にて連載執筆中「新・労務知識アップデート講座」
- 著書:『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』(幻冬舎、2018年)
- 著書:『雇用関係助成金申請・手続マニュアル』(日本法令、2020年)

4年連続:おすすめ事務所 実績部門『全国1位』
私たち 寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)は、2023年、2024年、2025年に続き、2026年も「実績部門 全国1位」に選出されました。
この結果に甘んじることなく、税務と労務のワンストップ支援で、日本中のお客様に貢献できるよう努めてまいります。


