税理士が解説!法定調書合計票の作成マニュアル|提出期限・書き方・e-Tax対応

公開日: 2026.01.07

最終更新日: 2026.01.07

法定調書合計票は、源泉徴収票や支払調書などの「法定調書」を税務署へ提出するときに、提出する調書を種類ごとに集計して添付する(いわば表紙)の役割を持つ書類です。この記事では、初めて担当する方でも迷わないように、提出期限・作成手順・e-Tax提出の実務ポイントを税理士・社労士(社会保険労務士)の視点で整理します。

  • 法定調書合計票の役割と、提出が必要なケースがわかる
  • 作成前に集める資料と、記入の流れがわかる
  • e-Tax(WEB版)での作成・提出の注意点がわかる
  • よくあるミス(人数・金額・提出漏れ)を防げる

目次

法定調書合計票とは(何のための書類?)

法定調書合計票は、給与所得の源泉徴収票支払調書などを税務署へ提出する際に、提出する法定調書の種類ごとに枚数(人数)や金額を集計して添付する「とりまとめ表」です。国税庁でも、法定調書は書面のほかe-Taxで作成・提出でき、e-Taxソフト(WEB版)で対象となる法定調書の作成・送信ができる旨を案内しています。
[参考]法定調書(源泉徴収票、支払調書)の作成と提出

「法定調書」って何?(超ざっくり)

法定調書とは、所得税法などの規定により税務署への提出が義務づけられている書類の総称です。給与や報酬、不動産賃借料など「支払った事実」を報告するイメージです。
[参考]No.7400 法定調書の提出義務者

「給与支払報告書」と混同しやすいので注意

給与支払報告書は、市区町村へ提出する住民税のための書類です。一方、法定調書(源泉徴収票・支払調書など)と法定調書合計票は、税務署への提出が中心です。なお国税庁は、給与所得の源泉徴収票について、eLTAX(地方税ポータルシステム)を利用して市区町村向けの支払報告書とあわせて一括して電子提出できる旨も案内しています。
[参考]法定調書(源泉徴収票、支払調書)のe-Taxによる提出のご案内

提出期限・提出先・提出方法(紙/e-Tax)

提出期限

法定調書の提出期限は、原則として「支払の確定した日」の属する年の翌年1月31日までです。年によっては土日祝に重なるため、最終的な期限は国税庁の手引で確認するのが確実です。
[参考]法定調書の提出義務者

年分ごとの提出期限(カレンダー上の具体日付)は、毎年公表される手引で確認できます。
[参考]給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

提出先

提出先は、原則として「支払事務を取り扱う事務所、事業所等の所在地を所轄する税務署」です。法人・個人の別や社内体制によって判断が必要なケースもあるため、迷う場合は所轄税務署で確認してください。

提出方法(紙/e-Tax/クラウド/光ディスク等)

提出は紙だけでなく、e-Tax等の電子提出が可能です。国税庁は、e-Tax(WEB版)・e-Taxソフト・クラウドサービス等・光ディスク等による提出について案内しています。

注意:提出方法や対象帳票は「e-Tax(WEB版)で作れるもの」「e-Taxソフト(インストール版)が必要なもの」で分かれます。自社が作る帳票がどちらに該当するかを、最初に確認しておくと迷いません。

作成前に準備するもの(チェックリスト)

法定調書合計票は「集計表」なので、元になるデータが揃っていないと作成が止まります。税理士・社労士の実務では、次の3点を先に固めるとスムーズです。

項目名 内容
対象期間 原則として1月〜12月の支払確定分。社内で「支払の確定」の考え方(締め日・支払日・計上ルール)がブレないように整えます。
対象者リスト 従業員(給与)/役員(役員報酬・退職金)/外注先(報酬・料金等)/家主(不動産使用料等)など。
支払データ 支払金額・源泉徴収税額・支払先情報(氏名/法人名、住所等)。e-Tax提出ならCSV形式の準備も検討します。

e-Tax(WEB版)を使うなら、CSV準備も視野に

国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)で「画面上で1件別に入力」または「他ソフトで作成したCSVファイルを取り込んで送信」できること、またCSV作成・分割・データチェックを行えるツールがあることを案内しています。

法定調書合計票の書き方(欄ごとの考え方)

法定調書合計票は、帳票の種類ごとに「提出する調書の枚数(人数)」と「支払金額・源泉税額等の合計」をまとめます。実際の欄名・記載要領は年分の様式に依存するため、最新の国税庁の手引・様式を見ながら作成してください。

基本の考え方(ここだけ押さえる)

  • 「人員(枚数)」=提出する法定調書の枚数(人数)
  • 「支払金額」=該当する支払の合計(給与、報酬、賃借料など)
  • 「源泉徴収税額」=実際に天引きした税額の合計

注意:給与は年末調整(再年調を含む)で数値が動くことがあります。「年末調整が確定したあとに法定調書・合計票を作る」順序を守ると、集計ズレを減らせます。

様式(公式)を探す

法定調書関係の様式は、国税庁の「法定調書関係」ページから探せます。[参考]法定調書関係

e-Taxで提出する手順(WEB版中心)

国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)で、給与所得の源泉徴収票・退職所得の源泉徴収票・報酬等の支払調書など、主要な法定調書の作成・送信が可能であることを案内しています。

実務の流れ(ざっくり)

  • 法定調書の種類を確定(給与、退職、報酬、不動産等)
  • 入力(1件ずつ)またはCSV取込でデータ作成
  • 法定調書合計票を作成(提出する調書の集計)
  • 送信して受付結果を確認

ポイント:e-Taxソフト(WEB版)は専用ソフトのインストール不要でブラウザで利用できます。一方、全ての法定調書の作成・送信に対応するのはe-Taxソフト(インストール版)です。

税理士・社労士の実務ポイント(ミスが多い所)

1)「集計対象が漏れる」問題(年末のスポット支払)

12月末〜1月にかけて、外注費・講師謝金・士業報酬などが駆け込みで発生しがちです。実務では「支払の確定」をいつと見るかがズレると、合計票の数字が合わなくなります。年度末に支払が集中する業種ほど、早めに支払先を棚卸ししておくのが安全です。

2)給与と退職金の線引き(退職所得の源泉徴収票)

退職金は「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」側に整理して提出が必要になるケースがあります。給与と混在させると帳票が合わなくなります。国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)で退職所得の源泉徴収票・特別徴収票を作成・送信できる旨を案内しています。

3)e-Tax等による提出義務の判定(枚数基準)

提出枚数が一定以上の場合、e-Tax、クラウド等または光ディスク等による提出が必要となることがあります(法定調書の種類ごとに判定)。基準や判定の考え方は、国税庁の案内で必ず確認してください。
[参考]法定調書の提出枚数が100枚以上の場合のe-Tax、光ディスク等又はクラウド等による提出義務

4)マイナンバーの取扱い(社内の安全管理)

法定調書はマイナンバー(個人番号)を取り扱う場面があるため、社内の保管・アクセス権限・廃棄ルールを整えておくことが実務上重要です。国税庁には法定調書に関するマイナンバーFAQが用意されています。
[参考]法定調書に関するFAQ

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)

Q1. 法定調書合計票の提出期限に間に合わなかった場合はどうなりますか?

A1. 期限内提出が原則です。万一遅れた場合でも、まずは速やかに提出し、状況によっては所轄税務署へ確認してください。提出期限の考え方(原則)や提出義務者の整理は国税庁の案内が一次情報です。

Q2. e-Tax(WEB版)で法定調書合計票も作れますか?

A2. 国税庁は、e-Taxソフト(WEB版)で一定の法定調書の作成・送信が可能で、画面入力またはCSV取込で送信できる旨を案内しています。自社が作成する帳票がWEB版の対象かどうかを確認のうえ進めるのが確実です。

Q3. どの法定調書を提出すべきか分かりません。

A3. まずは「給与(従業員・役員)」「退職金」「外注費(士業・講師・原稿料など)」「不動産関連(賃借料など)」の4カテゴリに分けて支払先を棚卸しすると判断しやすいです。制度全体の整理は、国税庁の「法定調書の種類」や「提出義務者」の説明が一次情報になります。

Q4. 提出後に誤りに気づいた場合、訂正はできますか?

A4. はい。国税庁は、提出した法定調書に誤りがあった場合の手順(書面の場合・e-Taxの場合)を整理して案内しています。自己判断で処理せず、一次情報に沿って対応するのが安全です。[参考]提出した法定調書に誤りがあった場合

まとめ

法定調書合計票は、法定調書(源泉徴収票・支払調書など)を税務署へ提出する際の集計・とりまとめとして重要な書類です。提出先・提出期限・提出方法を一次情報(国税庁)で確認し、社内のデータを整えたうえで作成しましょう。

  • 提出期限は原則「支払の確定した日」の属する年の翌年1月31日(年分ごとの具体日付は手引で確認)
  • 提出先は原則「支払事務を取り扱う事務所等の所在地を所轄する税務署」
  • e-Tax(WEB版)はインストール不要で便利だが、対象帳票の範囲に注意
  • 人数・金額の集計ズレ、年末の支払漏れ、マイナンバー管理がミスの温床

不明点が残る場合は、所轄税務署の案内や国税庁の一次情報を確認しつつ、必要に応じて税理士・社会保険労務士へご相談ください。

※本記事は作成日時点の法令に基づき作成しております。記事の内容に関するお問い合わせや、内容の正確性・完全性についての責任は負いかねますので、あらかじめご了承ください。具体的なご相談はお住まいの行政機関や専門家までお問い合わせください。

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記事監修

【記事監修】
寺田慎也(てらだ しんや)
税理士・特定社会保険労務士
寺田税理士事務所 / 社労士法人フォーグッド / 株式会社フォーグッドコンサルティング 代表

【専門分野】
税務顧問、確定申告、税務調査対応、社会保険手続き、給与計算、労務相談、補助金・助成金申請支援

【保有資格】
税理士、特定社会保険労務士

【実績・メディア掲載】

  • テレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」専門家として出演
  • 日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞など主要メディアへの取材協力多数
  • 「税務弘報」「税務通信」「企業実務」など専門誌への執筆・寄稿
  • 著書:『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』(幻冬舎、2018年)
  • 著書:『雇用関係助成金申請・手続マニュアル』(日本法令、2020年)
  • 税制改正・社会保険制度に関する専門家コメント提供
  • 中小企業経営者向けセミナー講師(通算50回以上登壇)
  • 顧問先企業数:450社以上(製造業、小売業、サービス業、IT企業など幅広い業種に対応)
  • 補助金・助成金申請支援:累計採択額10億円超

参考資料(一次情報)

寺田税理士・社会保険労務士事務所

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