【非課税世帯の方へ】給付付き税額控除とは?いくらもらえる?受取方法を図解で徹底解説
公開日: 2025.09.23
最終更新日: 2025.12.28

「住民税が非課税なのですが、給付の対象になりますか?」
はい、対象となる見込みです。給付付き税額控除は、これまで税金の控除の恩恵を受けにくかった非課税世帯の方々を主な対象として設計されています。2026年1月から国民会議で本格的な議論が始まり、実際に制度が始まれば、税額控除の満額が現金で給付される可能性が非常に高いと考えられます。
この記事では、非課税世帯の方向けに、給付付き税額控除の仕組み、いくらもらえるか、受取方法、注意点を税理士が図解でわかりやすく解説します。
目次
- 住民税非課税世帯とは?年収の基準
- 給付付き税額控除とは?
- 非課税世帯は対象になる?
- 自分が非課税世帯か確認する方法
- いくらもらえる?世帯別シミュレーション
- 図解で見る給付の仕組み
- 受取方法と申請の流れ
- 他の給付金との違い
- 注意点と申請漏れを防ぐポイント
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- 関連記事
- 参考出典
住民税非課税世帯とは?年収の基準
住民税非課税世帯の定義
住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税(市町村民税・道府県民税)を課税されていない世帯のことです。所得が一定額以下の場合、住民税が非課税となります。
2026年の非課税基準(年収の目安)
2026年度(令和8年度)分の住民税から、非課税の基準が以下のように変更されます。
| 世帯構成 | 給与収入の目安(2026年) | 合計所得金額 |
|---|---|---|
| 単身者 | 年収110万円以下 | 45万円以下 |
| 夫婦のみ(配偶者扶養) | 年収約156万円以下 | 101万円以下 |
| 夫婦+子ども1人 | 年収約206万円以下 | 136万円以下 |
| 夫婦+子ども2人 | 年収約256万円以下 | 171万円以下 |
※ 自治体や世帯構成により異なる場合があります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
出典:江戸川区「2026年(令和8年)度分住民税から適用されるもの」
非課税世帯のメリット
- 国民健康保険料の減免
- 介護保険料の減免
- 高額療養費の自己負担限度額が低い
- 保育料の減免
- 各種給付金の対象になりやすい
給付付き税額控除とは?
給付付き税額控除(Refundable Tax Credit:RTC)とは、所得税の減税と現金給付を組み合わせた制度です。納税額が多い方は「減税」、納税額が少ない方や非課税世帯には「現金給付」という形で支援が行き届くため、より公平な分配を目指す制度として注目されています。
定額減税との決定的な違い
| 項目 | 定額減税(2024年実施) | 給付付き税額控除(検討中) |
|---|---|---|
| 非課税世帯 | ❌ 恩恵なし | ✅ 全額現金給付 |
| 支援方法 | 減税のみ | 減税+現金給付 |
| 実施期間 | 1回限り | 恒久的制度として検討 |
非課税世帯は対象になる?
結論:対象となる見込みです
給付付き税額控除は、非課税世帯を主な対象として設計されています。2024年の定額減税では恩恵を受けられなかった非課税世帯の方々も、この制度では全額現金給付の形で支援を受けられる見通しです。
「給付付き税額控除は、中間所得層だけでなく、非課税世帯を含む低所得層にも手厚い支援を届けることを目的としています」
出典:首相官邸「令和7年12月17日 高市内閣総理大臣記者会見」(2025年12月17日)
非課税世帯が対象となる理由
- 定額減税の教訓:2024年の定額減税では、納税額がゼロの非課税世帯には恩恵がなく、不公平感が指摘されました。
- 格差是正の目的:所得の低い方ほど、生活費に占める食料品等の負担割合が高いため、手厚い支援が必要です。
- 海外の先行事例:アメリカのEITC(勤労所得税額控除)など、非課税世帯も対象とする制度が多くの国で導入されています。
自分が非課税世帯か確認する方法
住民税の課税状況を確認する3つの方法
方法1:住民税決定通知書・納税通知書を確認
毎年5月〜6月頃に市区町村から送付される「住民税決定通知書」(給与所得者)または「納税通知書」(それ以外の方)に、住民税額が記載されています。税額が0円の場合、非課税世帯です。
方法2:市区町村の窓口で確認
お住まいの市区町村の税務課窓口で、課税証明書・非課税証明書を取得できます。本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)を持参してください。
- 手数料:300円程度(自治体により異なる)
- 即日発行可能
方法3:オンラインで試算(東京都・大阪府の公式サイト)
東京都と大阪府では、住民税の試算ができる公式サイトを提供しています。年収や家族構成を入力するだけで、おおよその住民税額を確認できます。
📍 東京都:税額シミュレーション
年収、扶養家族、各種控除を入力すると、住民税額を自動計算できます。
- 対象:東京都内にお住まいの方
- 所要時間:約5分
- 利用料:無料
その他の都道府県・市区町村
東京都・大阪府以外にお住まいの方は、お住まいの市区町村の公式サイトで「住民税 試算」「住民税 シミュレーション」などのキーワードで検索してみてください。多くの自治体で同様のサービスを提供しています。
検索例:
- 「横浜市 住民税 シミュレーション」
- 「名古屋市 住民税 試算」
- 「福岡市 住民税 計算」
確認のポイント
| 確認項目 | 非課税の判定 |
|---|---|
| 住民税所得割 | 0円 → 所得割非課税 |
| 住民税均等割 | 0円 → 均等割非課税 |
| 両方とも0円 | ✅ 住民税非課税世帯 |
※ 所得割と均等割の両方が0円の場合、「住民税非課税世帯」となります。
いくらもらえる?世帯別シミュレーション
立憲民主党が提案している「1人4万円案」を基に、非課税世帯がいくら受け取れるかをシミュレーションします。
非課税世帯の給付額シミュレーション(4万円案の場合)
| 世帯構成 | 世帯人数 | 年間給付額 | 月額換算 |
|---|---|---|---|
| 単身世帯 | 1人 | 4万円 | 約3,333円 |
| 夫婦のみ世帯 | 2人 | 8万円 | 約6,667円 |
| ひとり親世帯(子ども2人) | 3人 | 12万円 | 約1万円 |
| 夫婦+子ども2人 | 4人 | 16万円 | 約1.3万円 |
| 夫婦+子ども3人 | 5人 | 20万円 | 約1.7万円 |
※ 上記はあくまで試算です。実際の制度設計により金額は変動する可能性があります。
具体例:年収80万円の単身非課税世帯のAさん
- 所得税:0円(非課税)
- 住民税:0円(非課税)
- 給付付き税額控除:4万円を全額現金給付
- 結果:年間4万円を受取
図解で見る給付の仕組み
所得の状況によって支援の形がどう変わるかを、4つのケースで見ていきましょう。
Dさん:住民税非課税世帯(あなたのケース)
非課税世帯で、納税額が0円のケース
- 納税額:0円
- 控除額:4万円
- 減税:0円(税金がないため)
- 給付:4万円を全額現金給付
- 結果:現金4万円を受取
重要ポイント: 図解の通り、住民税非課税である「Dさん」のケースでは、控除額のすべてが現金で給付される見込みです。これまで税金の控除の恩恵を受けられなかった方々に、直接支援が届くようになります。
受取方法と申請の流れ
想定される受取方法
制度設計はまだ最終決定していませんが、以下の方法が検討されています。
1. マイナンバーと公金受取口座による自動給付
- マイナンバーカードに登録した公金受取口座に自動振込
- 申請不要で受け取れる可能性が高い
- 今すぐできる準備:マイナポータルで公金受取口座を登録
2. 確定申告・年末調整との連携
- 確定申告や年末調整のデータを基に給付額を算出
- 年1回まとめて給付される可能性
3. 市区町村からの申請書による給付
- マイナンバーカードや公金受取口座を登録していない方向け
- 市区町村から申請書が郵送される見込み
申請の流れ(想定)
- 制度開始の案内:市区町村や国から案内が届く
- 所得情報の確認:前年の所得情報を基に給付額が決定
- 給付:公金受取口座または指定口座に振込
※ 詳細は2026年末の具体案策定後に発表されます。
他の給付金との違い
住民税非課税世帯向けの主な給付金比較
| 給付金名 | 対象 | 金額 | 実施期間 |
|---|---|---|---|
| 給付付き税額控除 | 全国民(非課税世帯は全額給付) | 1人4万円案(検討中) | 恒久的制度として検討 |
| 定額減税(2024年) | 納税者のみ | 1人4万円 | 1回限り(終了) |
| 住民税非課税世帯給付金(2024年) | 非課税世帯 | 1世帯7万円 | 1回限り(終了) |
給付付き税額控除の特徴
- 恒久的制度:1回限りではなく、毎年継続的に支援
- 個人単位:世帯単位ではなく、1人あたりで給付
- 公平性:納税者も非課税世帯も平等に支援
注意点と申請漏れを防ぐポイント
注意点1:所得情報の正確な把握が必要
給付額は前年の所得情報を基に算出されるため、確定申告や年末調整を正しく行うことが重要です。収入があっても確定申告をしていない場合、正確な給付額が算出されない可能性があります。
注意点2:マイナンバーカードと公金受取口座の登録
自動給付を受けるには、マイナンバーカードと公金受取口座の登録が必要になる見込みです。今のうちに準備しておくことをおすすめします。
登録方法:
- マイナポータルにログイン
- 「公金受取口座の登録」を選択
- 口座情報を入力して登録完了
注意点3:課税最低限178万円との関係
2026年度税制改正により、課税最低限が178万円に引き上げられます(2026〜2027年の暫定措置)。これにより、年収110万円超〜178万円以下の方は所得税が非課税となりますが、住民税の非課税基準(年収110万円以下)とは異なるため、注意が必要です。
申請漏れを防ぐポイント
- ✅ 市区町村からの案内を見逃さない
- ✅ マイナンバーカードと公金受取口座を早めに登録
- ✅ 確定申告や年末調整を正しく行う
- ✅ 住所変更があった場合は速やかに届出
よくある質問(FAQ)
Q1. 住民税非課税世帯ですが、本当に給付の対象になりますか?
A1. はい、対象となる見込みです。給付付き税額控除は、非課税世帯を主な対象として設計されており、控除額の全額が現金給付される可能性が非常に高いです。
Q2. いつから給付が始まりますか?
A2. 2026年1月に国民会議が設置され、2026年6月に中間整理、2026年末に具体案が策定される予定です。本格導入は早くても2027年以降となる見通しです。
Q3. 申請は必要ですか?
A3. マイナンバーと公金受取口座を登録していれば、申請不要で自動給付される可能性が高いです。ただし、登録していない場合は、市区町村から申請書が郵送される見込みです。
Q4. 生活保護を受けていますが、対象になりますか?
A4. 制度設計次第ですが、生活保護受給世帯も対象となる可能性があります。ただし、生活保護費との調整が行われる場合もあるため、詳細は今後の発表をご確認ください。
Q5. 年金受給者も対象になりますか?
A5. はい。年金収入のみで住民税が非課税の方も対象となる見込みです。年金収入が一定額以下であれば、非課税世帯として全額給付を受けられます。
Q6. 4万円は確定ですか?
A6. いいえ、4万円はあくまで立憲民主党が提案した案です。最終的な金額は、国民会議での議論を経て決定されます。
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日)
まとめ
給付付き税額控除は、非課税世帯の方々を主な対象として設計された新しい支援制度です。2024年の定額減税では恩恵を受けられなかった非課税世帯の方々も、この制度では全額現金給付の形で支援を受けられる見通しです。
この記事のポイント
- 非課税世帯は控除額の全額を現金給付として受け取れる見込み
- 1人4万円案の場合、単身4万円、4人家族16万円を受給可能
- マイナンバーと公金受取口座の登録で自動給付の可能性
- 2027年以降の本格導入を目指す
今後のスケジュール
- 2026年1月:国民会議設置
- 2026年6月:中間整理
- 2026年末:具体案策定
- 2027年以降:本格導入(見通し)
今すぐできる準備
- ✅ マイナンバーカードの取得
- ✅ 公金受取口座の登録(マイナポータル)
- ✅ 確定申告・年末調整を正しく行う
最新情報は随時更新してまいります。引き続き、当サイトをご確認ください。
関連記事
参考出典
- 首相官邸「令和7年12月17日 高市内閣総理大臣記者会見」(2025年12月17日)
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日)
- 江戸川区「2026年(令和8年)度分住民税から適用されるもの」
- 日本経済新聞「給付付き税額控除、政府・与野党が国民会議 26年中に設計めざす」(2025年12月27日)
- 読売新聞「社会保障制度改革へ『国民会議』新設の方針」(2025年12月26日)
- 東京都主税局「個人住民税の試算・申告書作成」
- 大阪府「個人住民税の試算」
免責事項
本記事は、2025年12月時点の公開情報を基に作成しています。税制や給付制度は変更される可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。個別の税務相談については、税理士等の専門家にご相談ください。
【記事監修】
寺田慎也(てらだ しんや)
税理士・特定社会保険労務士
寺田税理士事務所 / 社労士法人フォーグッド 代表
【専門分野】
税務顧問、確定申告、税務調査対応、社会保険手続き、給与計算、労務相談、補助金・助成金申請支援
【保有資格】
税理士、特定社会保険労務士
【実績・メディア掲載】
- テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」専門家出演
- 日本経済新聞・朝日新聞・読売新聞など主要メディアの取材協力多数
- 専門誌執筆(税務弘報・税務通信・企業実務など)
- 著書2冊:
- 幻冬舎『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』(2018年)
- 日本法令『雇用関係助成金申請・手続マニュアル』(2020年)
- 中小企業向けセミナー講師(通算50回以上登壇)
- 顧問先企業数:450社以上(製造業・小売・サービス・IT等)
- 補助金・助成金申請支援:累計採択額10億円超
【備考】
2025年10月以降、給付付き税額控除に関する最新情報を随時更新しています。最新記事は公式サイトをご確認ください。
寺田税理士事務所 / 社労士法人フォーグッド
〒540-0029 大阪府大阪市中央区本町3丁目2番6号 イケガミサウスビル4階
公式サイト:https://taxlabor.com/








