【2026年確定申告】住民税非課税になるための完全ガイド|2025年税制改正対応版を税理士が解説
公開日: 2025.12.27

2025年の税制改正により、2026年度(令和8年度)分の住民税非課税ラインが大きく変わります。単身者の場合、給与収入で年収110万円以下(総所得金額45万円以下)であれば住民税が非課税となり、医療費の自己負担軽減や保育料の減免など、様々な支援制度を受けられます。

この記事では、パート・アルバイトで働く方、ひとり親世帯の方、年金受給者の方など、収入に制約のある方が確定申告で所得控除を活用して住民税非課税を実現する方法を、税理士が徹底解説します。
- 2025年税制改正で変わる住民税非課税ラインの詳細
- 確定申告で活用できる所得控除(医療費、社会保険料、iDeCoなど)
- 世帯構成別の非課税ラインと具体的なシミュレーション
- 2026年2月16日~3月16日の確定申告準備のポイント
⚠️ 必ずお読みください:この記事を読む前に知っておくべき2つの重要事項
1. 住民税非課税と「税額ゼロ」は全く別物です
住民税非課税とは、所得控除によって総所得金額が非課税ライン以下になり、そもそも課税対象にならない状態を指します。この場合、国民健康保険料7割軽減・医療費自己負担軽減・保育料減免などの支援制度の対象となります。
一方、住宅ローン控除やふるさと納税は「税額控除」であり、結果的に税額がゼロになっても「住民税非課税者」とは認定されず、上記の支援制度は受けられません。
本記事で解説するのは、支援制度の対象となる「住民税非課税」を実現する方法です。そのため、医療費控除・社会保険料控除・iDeCoなどの「所得控除」のみを扱い、住宅ローン控除などの税額控除は対象外です。
2. 住民税非課税ラインは市区町村によって異なります
本記事では、最も一般的な1級地(東京23区や政令指定都市など)の基準である「年収110万円以下」を基準に解説していますが、お住まいの市区町村の級地区分によって、実際の非課税ラインは異なる場合があります。
| 級地区分 | 対象地域(例) | 単身者の年収非課税ライン(目安) |
|---|---|---|
| 1級地 | 東京23区、政令指定都市など | 約110万円 |
| 2級地 | 県庁所在地など | 約106.5万円 |
| 3級地 | 一般的な市町村 | 約103万円 |
✅ 正確な非課税ラインの確認方法:
- お住まいの市区町村の公式サイトで「令和8年度(2026年度)住民税 非課税基準」を検索
- 市区町村の税務課窓口に直接お問い合わせ
- 確定申告相談会場で税理士・税務署職員に確認
特に、2級地・3級地にお住まいの方は、本記事の110万円よりも低い金額が非課税ラインとなる可能性がありますので、必ずご確認ください。
目次
- ⚠️ 必ずお読みください:記事を読む前に知っておくべき2つの重要事項
- 2026年度住民税非課税ラインとは?2025年税制改正のポイント
- 重要:住民税非課税と税額ゼロの違い
- 住民税非課税を目指すべき方
- 住民税非課税になるメリット
- 住民税非課税を実現する5つのステップ
- 医療費控除で所得を下げる方法
- 社会保険料控除を活用する
- iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)で所得を下げる
- 雑損控除(災害・盗難被害)
- その他の所得控除
- 世帯構成別の住民税非課税ライン一覧表
- 具体的なシミュレーション事例
- 確定申告の準備と必要書類
- よくある質問
- まとめ
2026年度住民税非課税ラインとは?2025年税制改正のポイント
2025年(令和7年)税制改正により、2026年度(令和8年度)分の個人住民税の非課税ラインが引き上げられました。これは2025年1月から12月までの所得に対して適用され、実際の住民税は2026年6月から課税されます。
改正の具体的な内容
今回の税制改正では、以下の2点が変更されました:
- 給与所得控除の最低額:55万円 → 65万円に引き上げ
- 基礎控除(住民税):合計所得金額2,400万円以下の場合、43万円 → 48万円(所得1,320万円以下の方)
この結果、単身者の住民税非課税ラインは、給与収入ベースで100万円から110万円に引き上げられました。
出典:総務省「地方税法等の一部を改正する法律」、財務省「令和7年度税制改正の大綱」
住民税非課税の判定基準
住民税が非課税となるかどうかは、前年(2025年)の総所得金額で判定されます。給与所得者の場合、以下の計算式で総所得金額を算出します:
総所得金額 = 給与収入 – 給与所得控除(最低65万円)
例えば、給与収入が110万円の場合:
110万円(給与収入)- 65万円(給与所得控除)= 45万円(総所得金額)
この総所得金額45万円以下が、単身者の住民税非課税ラインとなります。
重要:住民税非課税と税額ゼロの違い
住民税非課税と、税額控除で結果的に住民税がゼロになることは全く別物です。この違いを理解することが非常に重要です。
⬆️ 詳細は「必ずお読みください:記事を読む前に知っておくべき2つの重要事項」をご覧ください。
住民税非課税とは
所得控除によって総所得金額が非課税ライン以下になり、そもそも課税対象にならない状態です。住民税非課税者として認定され、以下のような支援制度の対象となります:
- 国民健康保険料の7割軽減
- 高額療養費制度の自己負担上限額が最低区分に
- 保育料の無償化または大幅減額
- NHK受信料免除
税額がゼロになること(非課税ではない)
税額控除(住宅ローン控除、配当控除など)によって結果的に税額がゼロになることです。総所得金額は変わらず、あくまで「課税所得者」として扱われるため、上記の支援制度の対象にはなりません。
| 項目 | 住民税非課税 | 税額ゼロ(税額控除) |
|---|---|---|
| 判定方法 | 総所得金額が非課税ライン以下 | 税額控除で税額がゼロ |
| 所得控除の影響 | ✅ 医療費控除、社会保険料控除などで総所得金額を下げる | ❌ 総所得金額は変わらない |
| 国保7割軽減 | ✅ 対象 | ❌ 対象外 |
| 医療費自己負担軽減 | ✅ 対象 | ❌ 対象外 |
| 保育料減免 | ✅ 対象 | ❌ 対象外 |
この記事では、支援制度の対象となる「住民税非課税」を実現するための方法を解説します。そのため、所得控除のみを対象としており、税額控除(住宅ローン控除など)は含まれません。
住民税非課税を目指すべき方
住民税非課税になることで、様々な支援制度や減免措置を受けられます。特に以下のような方は、確定申告で各種所得控除を活用することで非課税を実現できる可能性があります:
1. パート・アルバイトで働く方
年収が110万円前後の方は、医療費控除や社会保険料控除などの所得控除を活用することで、住民税非課税ラインに到達できる可能性があります。
2. ひとり親世帯など、収入に制約のある方
ひとり親世帯の方は、ひとり親控除(35万円)が適用されるため、住民税非課税ラインが大幅に引き上げられます。詳細は後述の世帯構成別一覧表をご参照ください。
3. 様々な事情で収入が少ない方
働く時間に制約がある方、健康上の理由で収入が限られている方なども、確定申告で適切に所得控除を申告することで、住民税非課税を実現できます。
4. 年金受給者の方
国民年金のみを受給している方など、年金収入が少ない方も対象となります。年金収入の場合、公的年金等控除が適用されます。
5. 会社員の方(追加控除を活用)
年末調整では適用できない所得控除(医療費控除など)を確定申告で申告することで、所得を下げられます。
住民税非課税になるメリット
住民税が非課税になると、税金が0円になるだけでなく、様々な支援制度や減免措置を受けられます:
| メリット項目 | 内容 |
|---|---|
| 住民税 | 所得割・均等割ともに0円 |
| 国民健康保険料 | 7割軽減(世帯全員が非課税の場合) |
| 介護保険料 | 軽減措置の対象 |
| 医療費 | 高額療養費制度の自己負担上限額が最低区分に |
| 保育料 | 無償化または大幅減額 |
| 高等教育の修学支援 | 授業料減免、給付型奨学金の対象 |
| その他 | NHK受信料免除、臨時福祉給付金など |
特に、医療費や保育料の負担軽減は、家計にとって大きなメリットとなります。
住民税非課税を実現する5つのステップ(流れ)
住民税非課税を目指すための基本的な流れを5つのステップで解説します:
STEP1:現在の所得を確認する
まず、2025年1月~12月の収入(給与、年金、事業所得など)を確認します。給与所得者の場合、源泉徴収票で「支払金額」を確認してください。
STEP2:非課税ラインとの差額を計算する
自分の世帯構成における非課税ラインを確認し、現在の総所得金額との差額を計算します。世帯構成別の非課税ラインは後述の一覧表をご参照ください。
STEP3:活用できる所得控除を洗い出す
以下のような所得控除が活用できないか確認します:
- 医療費控除(年間10万円以上の医療費支出)
- 社会保険料控除(国民年金、国民健康保険など)
- 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo、小規模企業共済)
- 雑損控除(災害・盗難被害)
- 生命保険料控除、地震保険料控除
STEP4:必要書類を準備する
確定申告に必要な書類(源泉徴収票、医療費領収書、社会保険料控除証明書など)を揃えます。詳細は後述の必要書類一覧をご参照ください。
STEP5:確定申告を行う
2026年2月16日(月)~3月16日(月)の期間に確定申告を行います。e-Taxを利用すれば自宅から申告できます。還付申告の場合は、2026年1月1日から受付開始です。
医療費控除で所得を下げる方法
医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に受けられる所得控除です。年末調整では適用できないため、必ず確定申告が必要です。
医療費控除の計算式
医療費控除額 = (年間医療費 – 保険金等で補填される金額)- 10万円
※総所得金額が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得金額の5%を差し引きます。
控除上限額:200万円
対象となる医療費
- 病院・診療所での治療費、薬代
- 歯科治療費(保険適用外の自由診療も一部対象)
- 介護保険サービスの自己負担額(一部)
- 通院のための交通費(公共交通機関)
- 治療のためのマッサージ・鍼灸
医療費控除の具体例
【例】パートで年収108万円の方(単身者)
- 給与収入:108万円
- 給与所得控除:65万円
- 総所得金額:43万円(108万円 – 65万円)
- 年間医療費:15万円
- 医療費控除:5万円(15万円 – 10万円)
- 控除後の総所得金額:38万円(43万円 – 5万円)
この場合、総所得金額が45万円以下となり、住民税非課税となります。
社会保険料控除を活用する
社会保険料控除は、国民年金保険料、国民健康保険料、介護保険料などを支払った場合に受けられる所得控除です。支払った金額の全額が所得控除の対象となります。
対象となる社会保険料
- 健康保険、国民年金、厚生年金保険の保険料
- 国民健康保険料
- 介護保険料
- 雇用保険料
- 国民年金基金の掛金
社会保険料控除の特徴
控除上限額なし:支払った金額の全額が控除されます。
家族分も控除可能:配偶者や親族の国民年金保険料を支払った場合も控除対象です。
前納分や過去の未払分もその年に支払えば全額控除可能:2年分の国民年金保険料を前納した場合、過去の未払分をまとめて支払った場合も、全額控除することもできます。
社会保険料控除の具体例
【例】年金収入145万円の方(単身者、65歳以上)
- 年金収入:145万円
- 公的年金等控除:110万円
- 総所得金額:35万円(145万円 – 110万円)
- 国民健康保険料:年間8万円支払い
- 社会保険料控除:8万円
- 控除後の総所得金額:27万円(35万円 – 8万円)
この場合、総所得金額が45万円以下となり、住民税非課税となります。
詳細:国税庁「社会保険料控除」
iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)で所得を下げる
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、小規模企業共済等掛金控除として、支払った金額の全額が所得控除の対象となります。
iDeCoの特徴
- 控除上限額なし:掛金の全額が所得控除の対象
- 掛金上限額:月額12,000円~68,000円(加入区分による)
- 年末調整または確定申告:どちらでも控除可能
iDeCoの具体例
【例】パートで年収115万円、iDeCo加入の方(単身者)
- 給与収入:115万円
- 給与所得控除:65万円
- 総所得金額:50万円(115万円 – 65万円)
- iDeCo掛金:月額5,000円 × 12ヶ月 = 6万円
- 小規模企業共済等掛金控除:6万円
- 控除後の総所得金額:44万円(50万円 – 6万円)
この場合、総所得金額が45万円以下となり、住民税非課税となります。
詳細:国税庁「小規模企業共済等掛金控除」、iDeCo公式サイト
雑損控除(災害・盗難被害)
雑損控除は、災害、盗難、横領によって生活に必要な資産に損害を受けた場合に受けられる所得控除です。
雑損控除の計算式
以下の①②のうち、いずれか多い方の金額が控除額となります:
①(損害金額 – 保険金等)- 総所得金額の10%
②災害関連支出 – 5万円
控除しきれない金額は、翌年以降3年間繰越可能です。
対象となる損害
- 自然災害(地震、台風、豪雨、火災など)
- 盗難(詐欺・恐喝は対象外)
- 横領
必要書類
- 被害届の受理証明書(盗難の場合)
- 罹災証明書(災害の場合)
- 災害関連支出の領収書
詳細:国税庁「雑損控除」
その他の所得控除
生命保険料控除
生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合、一定額が所得控除されます。
- 所得税:各控除最大4万円、合計最大12万円
- 住民税:各控除最大2.8万円、合計最大7万円
詳細:国税庁「保険と税」
地震保険料控除
地震保険料を支払った場合、所得控除が受けられます。
- 所得税:最大5万円
- 住民税:最大2.5万円
詳細:国税庁「地震保険料控除」
障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除
これらの控除は年末調整で適用されますが、適用漏れがある場合は確定申告で申告できます。
- 障害者控除:27万円(特別障害者は40万円)
- ひとり親控除:35万円
- 寡婦控除:27万円
世帯構成別の住民税非課税ライン一覧表
世帯構成によって住民税非課税ラインが異なります。以下の表を参考にしてください:
| 世帯構成 | 総所得金額 | 給与収入換算 | 年金収入換算(65歳以上) |
|---|---|---|---|
| 単身者 | 45万円以下 | 110万円以下 | 155万円以下 |
| 夫婦(配偶者あり) | 112万円以下 | 177万円以下 | 222万円以下 |
| 夫婦+扶養親族1人 | 145万円以下 | 210万円以下 | 255万円以下 |
| 夫婦+扶養親族2人 | 178万円以下 | 243万円以下 | 288万円以下 |
| ひとり親+扶養親族1人 | 125万円以下 | 190万円以下 | 235万円以下 |
| ひとり親+扶養親族2人 | 158万円以下 | 223万円以下 | 268万円以下 |
※ひとり親の場合、ひとり親控除35万円が適用されるため、非課税ラインが大幅に高くなります。
※自治体によって非課税ラインが若干異なる場合があります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
具体的なシミュレーション事例
ケース1:パートで働く方(年収108万円)
【基本情報】
- 単身者、パート収入108万円
- 年間医療費:15万円
【計算】
- 給与収入:108万円
- 給与所得控除:65万円
- 総所得金額:43万円(108万円 – 65万円)
- 医療費控除:5万円(15万円 – 10万円)
- 控除後の総所得金額:38万円
【結果】38万円 < 45万円 → 住民税非課税
ケース2:ひとり親世帯の方(年収180万円)
【基本情報】
- ひとり親、子ども1人(扶養親族)
- パート収入180万円
- 国民健康保険料:年間10万円
【計算】
- 給与収入:180万円
- 給与所得控除:72万円
- 総所得金額:108万円(180万円 – 72万円)
- 社会保険料控除:10万円
- 控除後の総所得金額:98万円
【非課税ライン】ひとり親+扶養親族1人:125万円以下
【結果】98万円 < 125万円 → 住民税非課税
ケース3:年金受給者(年金収入150万円)
【基本情報】
- 単身者、65歳以上
- 年金収入:150万円
- 医療費:12万円
- 国民健康保険料:6万円
【計算】
- 年金収入:150万円
- 公的年金等控除:110万円
- 総所得金額:40万円(150万円 – 110万円)
- 医療費控除:2万円(12万円 – 10万円)
- 社会保険料控除:6万円
- 控除後の総所得金額:32万円
【結果】32万円 < 45万円 → 住民税非課税
確定申告の準備と必要書類
確定申告の期間
2026年2月16日(月)~3月16日(月)
※還付申告の場合は、2026年1月1日から受付開始です。早めに申告することで、還付金を早く受け取れます。
必要書類チェックリスト
| 控除項目 | 必要書類 |
|---|---|
| 共通 | 源泉徴収票、マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)、銀行口座情報 |
| 医療費控除 | 医療費の領収書、医療費控除の明細書 |
| 社会保険料控除 | 国民年金保険料控除証明書、国民健康保険料納付額通知書 |
| 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo) | 小規模企業共済等掛金払込証明書 |
| 雑損控除 | 罹災証明書、被害届の受理証明書、災害関連支出の領収書 |
| 生命保険料控除 | 生命保険料控除証明書 |
| 地震保険料控除 | 地震保険料控除証明書 |
確定申告の方法
- e-Tax(電子申告):自宅からインターネットで申告できます。マイナンバーカードとICカードリーダーが必要です。
- 郵送:確定申告書を印刷して、税務署に郵送します。
- 税務署窓口:税務署で直接申告します(混雑するため、予約推奨)。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って入力するだけで申告書を作成できます:国税庁 確定申告書等作成コーナー
よくある質問
Q1. 確定申告をすると、必ず住民税非課税になりますか?
いいえ、確定申告をすれば必ず非課税になるわけではありません。確定申告で所得控除を適用し、総所得金額が非課税ラインを下回る場合に初めて住民税非課税となります。ご自身の世帯構成に応じた非課税ラインを確認してください。
Q2. 年末調整を受けている会社員も確定申告が必要ですか?
年末調整では適用できない所得控除(医療費控除など)がある場合は、確定申告が必要です。また、複数の勤務先がある場合や、給与以外の所得がある場合も確定申告が必要になることがあります。
Q3. 医療費控除はいくらから受けられますか?
原則として、年間の医療費(保険金等を除く)が10万円を超えた場合に医療費控除を受けられます。ただし、総所得金額が200万円未満の方は、総所得金額の5%を超えた場合に控除を受けられます。
Q4. 住宅ローン控除では住民税非課税になりませんか?
いいえ、住宅ローン控除は税額控除のため、住民税非課税にはなりません。住宅ローン控除は税額を減らすだけで、総所得金額は変わりません。そのため、国民健康保険料の軽減や医療費の自己負担軽減などの支援制度の対象にもなりません。
Q5. 住民税非課税になると、国民健康保険料も安くなりますか?
はい、世帯全員が住民税非課税の場合、国民健康保険料は7割軽減されます。また、高額療養費制度の自己負担上限額も最低区分となり、医療費の負担が大幅に軽減されます。
Q6. 確定申告の期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
還付申告(税金が戻ってくる申告)の場合、5年以内であればいつでも申告可能です。ただし、還付金を早く受け取るためには、期限内に申告することをおすすめします。
Q7. 住民税非課税ラインは全国一律110万円ですか?
いいえ、全国一律ではありません。住民税非課税ラインは、お住まいの市区町村の級地区分(1級地・2級地・3級地)によって異なります。
- 1級地(東京23区・政令指定都市など): 約110万円
- 2級地(県庁所在地など): 約106.5万円
- 3級地(一般的な市町村): 約103万円
正確な金額は、お住まいの市区町村の公式サイトまたは税務課窓口にご確認ください。
まとめ
2025年の税制改正により、2026年度の住民税非課税ラインが引き上げられました。単身者の場合、給与収入110万円以下(総所得金額45万円以下)であれば住民税非課税となります。
パート・アルバイトで働く方、ひとり親世帯など収入に制約のある方、年金受給者の方などは、確定申告で以下の所得控除を活用することで、住民税非課税を実現できる可能性があります:
- 医療費控除:年間医療費10万円超(または総所得金額の5%超)
- 社会保険料控除:支払った金額の全額(上限なし)
- 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo):掛金の全額
- 雑損控除:災害・盗難被害による損失
- 生命保険料控除・地震保険料控除:一定額
※住宅ローン控除やふるさと納税は税額控除のため、住民税非課税にはなりません。
※本記事の110万円は1級地(東京23区・政令指定都市など)の基準です。お住まいの市区町村の級地区分により、非課税ラインが異なる場合があります(約103万円~110万円)。必ずお住まいの市区町村にご確認ください。
住民税非課税になると、住民税が0円になるだけでなく、国民健康保険料の7割軽減、医療費の自己負担軽減、保育料の減免など、様々なメリットがあります。
2026年2月16日(月)~3月16日(月)の確定申告期間に、必ず申告を行いましょう。還付申告の場合は2026年1月1日から受付開始です。
【免責事項】
本記事は2025年12月時点の税制に基づいて作成されています。税制は改正される可能性がありますので、最新情報は国税庁ホームページや税務署、専門家にご確認ください。また、本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な税務アドバイスを行うものではありません。実際の申告にあたっては、税理士等の専門家にご相談されることをおすすめします。
この記事の監修者
寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)
代表税理士・社会保険労務士
税務・労務の専門家として、中小企業から個人事業主まで幅広くサポート。確定申告、節税対策、社会保険手続きなど、お客様の「困った」を解決します。
監修日:2025年12月24日 | 情報取得日:2025年12月24日
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監修者情報
📝 本記事の監修者について
寺田税理士・社会保険労務士事務所(社労士法人フォーグッド)
税理士・社労士のダブルライセンスで450社以上を支援し、助成金受給実績25億円超、創業70年の信頼と実績を持つ専門家集団です。
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