130万円の壁を超えても2年までOK?社会保険扶養を維持する特例を解説
公開日: 2025.08.14
最終更新日: 2025.08.14
働き損はもうしない!「130万円の壁」の新ルールを徹底解説
最低賃金が上がり、意図せず年収が130万円を超えそうで不安に思っていませんか?2023年10月から始まった新特例を使えば、「一時的な収入増」なら最大2回まで扶養を維持できる可能性があります。このページで、制度を正しく理解し、賢く働き方を調整しましょう。

1. なぜ問題?「130万円の壁」の正体
2. 新特例「事業主の証明」とは?
この「手取りの逆転現象」を緩和するため、繁忙期などで「一時的に」収入が増えた場合に限り、勤務先の証明書を提出すれば扶養を継続できる特例が導入されました。
ルールの本質:「2年」ではなく「連続2回まで」
この特例は、年に1回の扶養資格確認(検認)で、原則として連続2回まで利用できます。期間ではなく回数が上限です。
2024年
一時的に超過
特例利用 (1回目)
2025年
再び一時的に超過
特例利用 (2回目)
2026年
また超過した場合
特例利用不可 (3回目)
3. あなたは対象?収入増の理由で確認
あなたの収入が増えた理由が「一時的」なものか、以下の例で確認しましょう。
✅ 特例の対象となる可能性が高いケース
-
繁忙期で残業が増えた
「一時的な収入増」の典型例です。
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同僚の退職・休職で業務が増えた
予期せぬ業務量の増加として「一時的」と見なされます。
❌ 特例の対象外となるケース
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時給が上がった(昇給した)
基本給の上昇は「恒常的な収入増」と見なされます。
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契約時間を長くした
雇用契約自体の変更は「恒常的な収入増」です。
4. 特例を利用する3ステップ
勤務先に相談
収入が一時的に超えそうだと伝え、「事業主の証明書」の発行を依頼します。
証明書を受け取る
勤務先が内容を確認し、厚労省指定様式の証明書を交付してくれます。
扶養者の会社へ提出
証明書を扶養者(配偶者など)に渡し、その勤務先経由でご加入の健康保険組合などへ提出します。
証明書のダウンロード
5. 【最重要】利用前に知るべき注意点
① 特例は「社会保険」だけ?税金や手当は?
その通りです。この特例は健康保険・年金の扶養にしか適用されません。
・税金の扶養:年収103万円を超えれば所得税の対象です。
・会社の配偶者手当:会社の規定が優先されるため、手当が停止される可能性があります。
② 証明書を出せば100%扶養に残れる?
いいえ、保証されません。証明書はあくまで判断材料の一つです。最終的な認定の可否は、扶養者が加入する健康保険組合などが決定します。
③ この制度はいつまで続く?
政府はこれを「当面の対応」と位置づけており、恒久的な制度ではありません。将来、より根本的な年金制度改革が行われる可能性があります。