【2025年最新】最低賃金改定ガイド|全国一覧、計算方法から助成金まで網羅解説
公開日: 2025.09.16
最終更新日: 2025.09.16
2025年版・最低賃金まるわかりガイド
事業者も労働者も知っておきたい、最低賃金の最新情報と重要ポイントを網羅解説
2025年 全国地域別最低賃金一覧
2025年度の地域別最低賃金は、地方最低賃金審議会の答申がすべて出揃いました。適用開始は都道府県によって異なり、2025年10月から2026年3月にかけて順次施行されます。自社の所在地の金額と発効日を必ず確認しましょう。
都道府県 | 改定前(2024年) | 改定後(2025年) | 発効年月日 |
---|---|---|---|
北海道 | 1,010 | 1,075 | 2025年10月4日 |
青森 | 953 | 1,029 | 2025年11月21日 |
岩手 | 952 | 1,031 | 2025年12月1日 |
宮城 | 973 | 1,038 | 2025年10月4日 |
秋田 | 951 | 1,031 | 2026年3月31日 |
山形 | 955 | 1,032 | 2025年12月23日 |
福島 | 955 | 1,033 | 2026年1月1日 |
茨城 | 1,005 | 1,074 | 2025年10月12日 |
栃木 | 1,004 | 1,068 | 2025年10月1日 |
群馬 | 985 | 1,063 | 2026年3月1日 |
埼玉 | 1,078 | 1,141 | 2025年11月1日 |
千葉 | 1,076 | 1,140 | 2025年10月3日 |
東京 | 1,163 | 1,226 | 2025年10月3日 |
神奈川 | 1,162 | 1,225 | 2025年10月4日 |
新潟 | 985 | 1,050 | 2025年10月2日 |
富山 | 998 | 1,062 | 2025年10月12日 |
石川 | 984 | 1,054 | 2025年10月8日 |
福井 | 984 | 1,053 | 2025年10月8日 |
山梨 | 988 | 1,052 | 2025年12月1日 |
長野 | 998 | 1,061 | 2025年10月3日 |
岐阜 | 1,001 | 1,065 | 2025年10月18日 |
静岡 | 1,034 | 1,097 | 2025年11月1日 |
愛知 | 1,077 | 1,140 | 2025年10月18日 |
三重 | 1,023 | 1,087 | 2025年11月21日 |
滋賀 | 1,017 | 1,080 | 2025年10月5日 |
京都 | 1,058 | 1,122 | 2025年11月21日 |
大阪 | 1,114 | 1,177 | 2025年10月16日 |
兵庫 | 1,052 | 1,116 | 2025年10月4日 |
奈良 | 986 | 1,051 | 2025年11月16日 |
和歌山 | 980 | 1,045 | 2025年11月1日 |
鳥取 | 957 | 1,030 | 2025年10月4日 |
島根 | 962 | 1,033 | 2025年11月17日 |
岡山 | 982 | 1,047 | 2025年12月1日 |
広島 | 1,020 | 1,085 | 2025年11月1日 |
山口 | 979 | 1,043 | 2025年10月16日 |
徳島 | 980 | 1,046 | 2026年1月1日 |
香川 | 970 | 1,036 | 2025年10月18日 |
愛媛 | 956 | 1,033 | 2025年12月1日 |
高知 | 952 | 1,023 | 2025年12月1日 |
福岡 | 992 | 1,057 | 2025年11月16日 |
佐賀 | 956 | 1,030 | 2025年11月21日 |
長崎 | 953 | 1,031 | 2025年12月1日 |
熊本 | 952 | 1,034 | 2026年1月1日 |
大分 | 954 | 1,035 | 2026年1月1日 |
宮崎 | 952 | 1,023 | 2025年11月16日 |
鹿児島 | 953 | 1,026 | 2025年11月1日 |
沖縄 | 952 | 1,023 | 2025年12月1日 |
最低賃金の基本をチェック
最低賃金の計算には、毎月支払われる基本的な賃金が対象となります。しかし、以下の手当は最低賃金の計算から除外されます。自社の給与体系がどの手当を含んでいるか、改めて確認することが重要です。
対象となる賃金
- 基本給
- 職務手当、役職手当など
- その他、毎月固定的に支払われる手当
対象とならない賃金
- 臨時に支払われる賃金 (結婚手当など)
- 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 (賞与など)
- 時間外・休日・深夜労働の割増賃金
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
固定残業代の扱いは?
固定残業代は、本来の割増賃金として明確に区分されており、その計算方法が労働契約で定められているなど、有効な要件を満たしている場合は最低賃金の計算から除外されます。しかし、要件を満たしていない「支払っているつもりの固定残業代」は、基本給の一部と見なされ、最低賃金の計算に含めて判断されることがあります。
月給者の最低賃金計算方法
月給制の場合、単純に月給を労働日数で割るのではなく、時間額に換算して最低賃金額を上回っているか確認する必要があります。計算式は以下の通りです。
(月給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間) ≧ 最低賃金額
1ヶ月の平均所定労働時間の計算方法
(365日 – 年間所定休日) × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月
休憩時間が取れていない場合は注意
もし、本来取得すべき休憩が取れていない実態がある場合、その時間も労働時間とみなされます。これにより、計算式の分母である「労働時間」が増加し、結果として時間あたりの賃金が下がり、最低賃金を下回ってしまうリスクがあります。
間違いやすい注意点
特定(産業別)最低賃金とは?
特定の産業については、地域別最低賃金よりも高い金額が設定されている「特定最低賃金」が適用される場合があります。例えば、鉄鋼業や機械器具製造業などで設定されていることがあります。自社が該当するかどうか、都道府県の労働局のウェブサイトで確認が必要です。地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される労働者には、高い方の額が適用されます。
適用日の考え方 (深夜勤の場合)
最低賃金が切り替わる日をまたいで勤務する場合、例えば10月1日から新料金が適用される地域で、9月30日の22時から10月1日の朝6時まで働いた場合、労働を開始した「暦日」が基準となります。この例では、9月30日の勤務として扱われるため、その勤務全体に対しては改定前の最低賃金が適用されます。
外国人労働者の取り扱い
最低賃金制度は、国籍を問わず、日本国内で働くすべての労働者に適用されます。技能実習生や特定技能外国人なども例外ではありません。同様に、時間外手当の計算方法なども日本人労働者と全く同じです。
賃金アップに使える助成金
最低賃金の引き上げに伴い、従業員の賃金を引き上げる企業を支援するための助成金制度があります。代表的なものに「業務改善助成金」があります。
業務改善助成金
- 要件: 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資などを行うこと。
- 助成率: 賃金引き上げ額や引き上げる労働者数、設備投資等の費用に応じて変動(例: 3/4、4/5など)。
- 対象経費の例: POSレジシステム導入、勤怠管理システムの導入、業務効率化のための専門家コンサルティング費用など。