2024年(令和6年)和歌山県最低賃金は980円に引上げへ!適用は令和6年10月1日から
2024.10.01
2024年の最低賃金:和歌山県は980円
和歌山県の最低賃金は980円へ引上げ決定がされました。
和歌山県における最低賃金の適用は令和6年(2024年)10月1日の労働分からです。
2024年8月29日、厚生労働省は各都道府県の地方最低賃金審議会が決定した新しい地域別最低賃金の改定額を発表しました。今回の改定により、全国の最低賃金の加重平均額は昨年度より51円増加し、1,055円となります。これまでで最大の引き上げ幅であり、多くの労働者の生活に影響を与えると同時に、企業にとっても大きな課題となることが予想されます。本記事では、この最低賃金引き上げの背景やその影響について詳しく解説します。
全国の最低賃金引き上げ
2024年8月29日、厚生労働省は、全国の最低賃金を平均51円引き上げることを決定しました。これにより、全国の最低賃金平均は1,055円となり、過去最大の引き上げ幅となります。この決定は、多くの労働者にとって生活の向上をもたらす一方で、企業にとっては大きな負担となる可能性があります。
引き上げの背景と目的
最低賃金は、パートやアルバイトを含む全ての労働者に適用される時給の最低額で、毎年見直されています。2024年度の引き上げは、物価上昇が続く中で労働者の生活を守るために行われました。今年の春季労使交渉では、賃上げ率が平均5.1%と高く、これが最低賃金の大幅引き上げに影響を与えています。物価の上昇に対応し、労働者の生活水準を維持するために、今回の引き上げは必要とされています。
過去の最低賃金の推移
最低賃金は年々引き上げられており、今回の引き上げは過去最大の51円です。過去の全国加重平均額の推移を見ると、最低賃金は着実に上昇していることがわかります。
地域別の最低賃金と引き上げ幅
以下の画像は、今回の決定で51円引き上げられた2024年の各都道府県別の最低賃金額の一覧です。
飲食店の現状と対応策
飲食店業界では、最低賃金の引き上げが経営に大きな影響を与えると懸念されています。特にアルバイトやパートタイム労働者が多く働く業界では、人件費の上昇が直接的に経営コストに影響します。飲食店の経営者は、仕入れ業者の選定やメニューの見直し、サービスの向上などでコスト削減を図り、客単価を上げる努力をしています。これにより、最低賃金の引き上げ分をカバーし、経営の安定化を図ることが求められています。
最低賃金引き上げの影響と効果
最低賃金の引き上げは、低賃金労働者の生活を支える効果が期待されます。物価上昇が続く中で、最低賃金の引き上げは労働者が生活水準を維持するために必要な措置です。しかし一方で、企業にとっては原材料高騰などの影響もあり、経営に負担がかかる問題です。原材料高騰に加えて最低賃金の大幅引き上げは、さらに生産性の向上や価格転嫁の努力が必要となります。特に中小企業にとっては経営の圧迫が懸念されます。人件費の割合が多い業界(飲食店やサービス業など)では経営悪化による倒産のリスクも考えられます。政府の支援策(助成金など)が創設される可能性もあるため、最新の情報を収集しておくことが重要です。
詳細な最低賃金に関する情報
最低賃金に関する詳細な情報は、「和歌山県の最低賃金のお知らせ」をご覧いただくか、以下の連絡先にお問い合わせください。
【最低賃金についてのお問合せ先】
和歌山県労働局
電話番号:073-488-1020
最低賃金の対象となる賃金
最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。残業代やボーナスは含まれませんので、最低賃金を計算するときは下記のような諸手当や賞与を引いて計算する必要があります。
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
- 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
- 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
- 精勤・皆勤手当、通勤手当及び家族手当
最低賃金引上げで活用できるオススメの助成金・補助金
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2024年10月より、全国一斉に最低賃金が各都道府県で50円引き上げられることが決定しました。この大幅な引き上げに伴い、多くの事業者様が賃金引き上げに取り組むことが求められています。昨今の物価高騰を考慮すると、賃金引き上げは従業員の生活を支えるだけでなく、採用力の向上にも寄与します。そこで今回は、最低賃金引き上げで活用できる助成金や補助金についてご紹介します。これらの制度を活用し、最低賃金引き上げのタイミングで賃金を引き上げ、自社の成長に繋げてください。
詳しくはコチラ↓↓↓
『税理士・社労士がおすすめ!2024年最低賃金引き上げ対策と助成金・補助金』
月給者の最低賃金の求め方は?
月給者の場合の最低賃金の求め方は、この記事の後半で解説しています。
月給者の最低賃金の求め方の解説位置にジャンプする
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【月給の人も関係がある】月給の最低賃金の求め方
「最低賃金はパートやアルバイトなどの時給制の人しか関係ない」と思っていませんか?最低賃金はパートやアルバイト、臨時職員、嘱託などの雇用形態に関係なく適用され、時給や日給、月給の給料の支払い形態も関係ありません。月給の人であっても、気付かないうちに最低賃金を下回っている可能性があります。最低賃金の確認は、時給制であれば簡単に確認することができますが、日給制や月給制の場合は月給を時給に換算する計算を行わなければなりません。ここでは、日給制や月給制の人が最低賃金を上回っているかどうかの確認方法をご紹介します。
日給制の確認方法
日給制の最低賃金を上回っているかどうかの確認方法は、次の算式に当てはめて計算を行います。
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
※所定労働時間とは、始業時間から就労時間までの勤務時間から所定の休憩時間を差引いた労働時間のことを言います。
例えば、大阪府の事業所で日給8,000円、1日の所定労働時間が8時間の場合は、
8,000円÷8時間=時給1,000円
時給1,000円は、大阪府の最低賃金964円(令和2年時点)を上回っているため「最低賃金以上の賃金」となります。
月給制の確認方法
月給制の最低賃金を上回っているかどうかの確認方法は、次の算式に当てはめて計算を行います。
月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
※月給には、職務手当などの各種手当を含めます。通勤手当、時間外手当などは最低賃金の対象となりません。
例えば、大阪府の事業所で月給15万円、年間所定労働日数250日、1日の所定労働時間8時間の場合は、年間所定労働日数を基準に時給に換算する計算を行います。
(15万円×12か月)÷(250日×8時間)=900円(時給)
時給900円は、大阪府の最低賃金を下回っているため「最低賃金以下の賃金」となります。
大阪府の事業所で、年間所定労働日数250日、1日の所定労働時間8時間の場合の最低賃金の月給を算定すると、964円×250日×8時間÷12か月=160,666円になります。
間違えやすい最低賃金のポイント
Q1.「入社後3か月間は試用期間のため、給料が減額される」と言われたのですが、試用期間中の給与は最低賃金が適用されないのですか?
A1.試用期間であっても最低賃金は適用されます。最低賃金は、原則的にすべての労働者に適用されます。ただし、最低賃金が適用されない「最低賃金の減額の特例許可制度」があります。この特例は、他の労働者と能力が異なり、一律に最低賃金を適用すると雇用の機会を狭めてしまう可能性がある労働者に適用されます。使用者が県の労働局長に申請を行い、許可を受けることでその労働者については最低賃金の適用がされません。この特例は、試用期間(試の使用期間中)の労働者についても対象になりますが、使用者が「最低賃金の減額の特例許可の申請」を労働局長に行っているケースは極めて少ないため、ほとんどのケースで試用期間中であっても最低賃金が適用されます。
Q2.給料の形態が出来高払いの場合は最低賃金の適用はありますか?
A2.給料の形態が出来高払いであっても最低賃金は適用されます。ただし、月給制と同じように時給に換算して最低賃金を上回っているかどうか確認しなければなりません。確認方法は、出来高払いの賃金の総額を対応する労働時間数で割ることで時間当たりの賃金を算出し、最低賃金と比較します。
例えば、大阪府の事業所で出来高払いの賃金16万円、その月の労働時間165時間の場合、
16万円÷165時間=969円(時給)
時給969円は、大阪府の最低賃金964円を上回っているため「最低賃金以上の賃金」となります。
Q3.最低賃金以下の場合の罰則は?
A3.最低賃金以下の場合は、たとえ使用者と労働者の間で合意があったとしても、その合意は法律上無効になり、最低賃金と同額で合意したものとみなされます。そのため、使用者は最低賃金との差額を労働者に追加で支払わなくてはなりません。支払いが行われない場合は、最低賃金法40条の規定により50万円の罰則規定が設けられています。
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