2025年(令和7年)北海道最低賃金は1,075円へ!10月1日適用

公開日: 2025.08.10

最終更新日: 2025.08.10

2025年の最低賃金:北海道は1,075円 適用は2025年10月1日から

北海道の2025年(令和7年)最低賃金は1,075円へ引上げされる予定です。
北海道における2025年(令和7年)最低賃金の適用予定日2025年(令和7年)10月1日の労働分からです。

 2025年8月5日、引き上げ額の目安の決定を受けて、福岡県では7日から、県内での実際の引き上げ額を決める審議会が開かれます。福岡県の今の最低賃金は992円です。目安通りに引き上げられると1055円となります。
参考:YahooJapanニュース:「最低賃金1075円へ 北海道労働局に答申 物価高に年収の壁…働き手や雇用する側は複雑な思い」

全国の最低賃金引き上げ

2025年8月4日、厚生労働省は、全国の最低賃金を平均63円引き上げることを決定しました。これにより、全国の最低賃金平均は1,118円となり、昨年に引き続き過去最大の引き上げ幅となります。この決定は、多くの労働者にとって生活の向上をもたらす一方で、企業にとっては大きな負担となる可能性があります。

引き上げの背景と目的

最低賃金は、パートやアルバイトを含む全ての労働者に適用される時給の最低額で、毎年見直されています。この大幅な引き上げの背景には、近年の物価高騰と、高水準で決着した今春闘の賃上げ動向があります。

過去の最低賃金の推移

最低賃金は年々引き上げられており、今回の引き上げは過去最大の63円です。過去の全国加重平均額の推移を見ると、最低賃金の引き上げ幅は毎年拡大していることがわかります。

これまでの最低賃金引き上げ額の推移グラフ

地域別の最低賃金と引き上げ幅

 以下の画像は、今回の決定で平均63円引き上げられた2025年の各都道府県別の最低賃金額の一覧です。

飲食店の現状と対応策

たとえば飲食店業界では、最低賃金の引き上げが経営に大きな影響を与えると懸念されています。特にアルバイトやパートタイム労働者が多く働く業界では、人件費の上昇が直接的に経営コストに影響します。飲食店の経営者は、仕入れ業者の選定やメニューの見直し、サービスの向上などでコスト削減を図り、客単価を上げる努力をしています。これにより、最低賃金の引き上げ分をカバーし、経営の安定化を図ることが求められています。

最低賃金引き上げの影響と効果

最低賃金の引き上げは、低賃金労働者の生活を支える効果が期待されます。物価上昇が続く中で、最低賃金の引き上げは労働者が生活水準を維持するために必要な措置です。しかし一方で、企業にとっては原材料高騰などの影響もあり、経営に負担がかかる問題です。原材料高騰に加えて最低賃金の大幅引き上げは、さらに生産性の向上や価格転嫁の努力が必要となります。特に中小企業にとっては経営の圧迫が懸念されます。人件費の割合が多い業界(飲食店やサービス業など)では経営悪化による倒産のリスクも考えられます。政府の支援策(助成金など)が創設される可能性もあるため、最新の情報を収集しておくことが重要です。

賃上げは負担だけじゃない!人件費増をチャンスに変える助成金

賃上げに取り組む企業を、国は「業務改善助成金」で強力に後押しします。これは、生産性向上への投資費用を国が助成し、経済全体の好循環を目指す制度です。

たとえば、業務改善助成金でこんな活用が可能です

都内の飲食店(ビストロTokyoの例)では…

設備投資額: 54万円

実質負担額: 13.5万円

(助成額 40.5万円)

具体的にどれくらいお得になるか、関連記事で詳しく解説しています。

最低賃金引上げで活用できるオススメの助成金・補助金

関連記事『2025年 最低賃金・助成金ナビ|引上げ対策の業務改善助成金を社労士が解説』

人件費増を補う「業務改善助成金」をご存知ですか?設備投資やDX化の費用を国が助成。生産性を向上させ、賃上げを成長の機会に変える方法を社労士が解説します。
 詳しくはコチラ↓↓↓
『2025年 最低賃金・助成金ナビ|引上げ対策の業務改善助成金を社労士が解説』

詳細な最低賃金に関する情報

最低賃金に関する詳細な情報は、「北海道の最低賃金のお知らせ」をご覧いただくか、以下の連絡先にお問い合わせください。

【最低賃金についてのお問合せ先】
北海道労働局北海道労働局総合労働相談コーナー
電話番号:011-707-2700

最低賃金の対象とならない賃金

 最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。残業代や賞与は含まれませんので、最低賃金を計算するときは注意が必要です。以下のような手当や賞与、時間外手当などの残業代を除いて計算する必要があります。

  • 精勤・皆勤手当、通勤手当、住宅手当、家族手当
  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金=残業代など)
  • 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  • 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)

月給者の最低賃金の求め方は?

 月給者の場合の最低賃金の求め方は、この記事の後半で解説しています。
月給者の最低賃金の求め方の解説位置にジャンプする

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【月給の人も関係がある】月給の最低賃金の求め方

月給者の最低賃金の計算方法

「最低賃金はパートやアルバイトなどの時給制の人しか関係ない」と思っていませんか?最低賃金はパートやアルバイト、臨時職員、嘱託などの雇用形態に関係なく適用され、時給や日給、月給の給料の支払い形態も関係ありません。月給の人であっても、気付かないうちに最低賃金を下回っている可能性があります。最低賃金の確認は、時給制であれば簡単に確認することができますが、日給制や月給制の場合は月給を時給に換算する計算を行わなければなりません。ここでは、日給制や月給制の人が最低賃金を上回っているかどうかの確認方法をご紹介します。

日給制の確認方法

日給制の最低賃金を上回っているかどうかの確認方法は、次の算式に当てはめて計算を行います。

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

※所定労働時間とは、始業時間から就労時間までの勤務時間から所定の休憩時間を差引いた労働時間のことを言います。

例えば、東京都の事業所で日給10,000円、1日の所定労働時間が8時間の場合は、
10,000円÷8時間=時給1,250円
時給1,250円は、東京都の最低賃金1,226円(令和7年時点)を上回っているため「最低賃金以上の賃金」となります。

月給制の確認方法

月給制の最低賃金を上回っているかどうかの確認方法は、次の算式に当てはめて計算を行います。

月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

なお「月給」には、職務手当などの各種手当を含めますが、通勤手当、精皆勤手当、家族手当、住宅手当、時間外手当などは最低賃金の対象となりません。

例えば、東京都の事業所で月給18万円、年間所定労働日数240日、1日の所定労働時間8時間の場合は、年間所定労働日数を基準に時給に換算する計算を行います。
(18万円×12か月)÷(240日×8時間)=1,125円(時給)
時給1,125円は、東京都の最低賃金1,226円を下回っているため「最低賃金以下の賃金」となり違法となります。

東京都の事業所で、年間所定労働日数240日、1日の所定労働時間8時間の場合の最低賃金の月給を算定すると、1,226円×240日×8時間÷12か月=196,160円になります。

間違えやすい最低賃金のポイント

間違えやすい最低賃金のポイント

Q1.「入社後3か月間は試用期間のため、給料が減額される」と言われたのですが、試用期間中の給与は最低賃金が適用されないのですか?

A1.試用期間であっても最低賃金は適用されます。最低賃金は、原則的にすべての労働者に適用されます。ただし、最低賃金が適用されない「最低賃金の減額の特例許可制度」があります。この特例は、他の労働者と能力が異なり、一律に最低賃金を適用すると雇用の機会を狭めてしまう可能性がある労働者に適用されます。使用者が県の労働局長に申請を行い、許可を受けることでその労働者については最低賃金の適用がされません。この特例は、試用期間(試の使用期間中)の労働者についても対象になりますが、使用者が「最低賃金の減額の特例許可の申請」を労働局長に行っているケースは極めて少ないため、ほとんどのケースで試用期間中であっても最低賃金が適用されます。

Q2.給料の形態が出来高払いの場合は最低賃金の適用はありますか?

A2.給料の形態が出来高払いであっても最低賃金は適用されます。ただし、月給制と同じように時給に換算して最低賃金を上回っているかどうか確認しなければなりません。確認方法は、出来高払いの賃金の総額を対応する労働時間数で割ることで時間当たりの賃金を算出し、最低賃金と比較します。

例えば、東京都の事業所で出来高払いの賃金221,000円、その月の労働時間170時間の場合、
221,000円÷170時間=1,300円(時給)
時給1,300円は、東京都の最低賃金1,226円(令和7年の最低賃金額)を上回っているため「最低賃金以上の賃金」となります。

Q3.最低賃金以下の場合の罰則は?

A3.最低賃金以下の場合は、たとえ使用者と労働者の間で合意があったとしても、その合意は法律上無効になり、最低賃金と同額で合意したものとみなされます。そのため、使用者は最低賃金との差額を労働者に追加で支払わなくてはなりません。支払いが行われない場合は、最低賃金法40条の規定により50万円の罰則規定が設けられています。

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参考:厚生労働省「最低賃金制度の概要

参考:厚生労働省「最低賃金制度

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