事業主必見!「人材開発支援助成金」の事業展開等リスキリング支援コースとは?
2023.07.15
「人材開発支援助成金」の 事業展開等リスキリング支援コースについて
以下の取組を実施する企業には必見の助成金です
・新たな新商品や新サービスの提供で事業展開を考えている事業主
・ITツールなどの導入でデジタル化、DX化を考えている事業主
・ドローンなどの導入でグリーン・カーボンニュートラル化を考えている事業主
以上の取組のため企業内での人材育成に取り組む事業主には必見の助成金です!
新規事業展開やDX推進などの人材育成に「人材開発支援助成金」が活用できます。
今回はそんな「事業展開等リスキリング支援コース」のご紹介です。
はじめに
「人材開発支援助成金」は、事業主が雇用する労働者に対して訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。「事業展開等リスキリング支援コース」では、新たな事業の立ち上げや事業展開に伴い必要な知識や技術を習得させるための訓練を助成の対象にしています。
支給される対象者について
・ 事業主:雇用保険適用事業所の事業主
・ 労働者:雇用保険被保険者
支給対象となる訓練について
⑴ 訓練時間数が10時間以上であること
⑵ OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
⑶ 職務に関連した訓練で、以下の①②いずれかに該当する訓練であること
① 企業において事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識や技能の習得をさせるための訓練
② 事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識や技能の習得をさせるための訓練
注意事項
・ 本コースでは、事業展開などの内容を記載した「事業展開等実施計画」(様式第2号)を職業訓練実施計画届と併せて提出する必要があります。取り組み内容を整理し、具体的な記載ができるよう、事前に準備をお願いします。
・「事業展開」は、訓練開始日から起算して、3年以内に実施する予定のものまたは過去6か月以内にすでに実施したものである必要があります。
参考
・ 事業展開の例:新商品や新サービスの開発、製造、提供または販売を開始するなど
・ デジタル・DX化の例:ITツールの活用や電子契約システムを導入し、社内のペーパーレス化を進めたなど
・ グリーン・カーボンニュートラル化の例:農薬の散布にトラクターを使用していたが、ドローンを導入したなど
助成率・助成額
助成率・助成限度額
経費助成率
▶ 中小企業:75%(大企業60%)
賃金助成額(1人1時間)
▶ 中小企業:960円(大企業480円)
1事業所1年度あたりの助成限度額
▶ 1億円
受講者1人あたりの経費助成限度額
10時間以上100時間未満
▶ 中小企業:30万(大企業20万)
100時間以上200時間未満
▶ 中小企業:40万(大企業25万)
200時間以上
▶ 中小企業:50万(大企業30万)
※注意:e-ラーニング、通信制、定額制サービスによる訓練は経費助成のみです。
助成金の活用例
(事例)新規事業のための人材育成を行った場合
⑴当初の課題
新たに安全監視のための先端技術(IoTや画像AI)を活用したシステムを設計・開発・販売する事業を立ち上げたいが、現在は対応できる人材が足りない。
⑵実施する訓練
訓練コース
▶ AI技術の基礎および応用
訓練内容
▶ AIの基礎知識、機械学習などの訓練
▶ 訓練時間:30時間(7.5時間×4日間)
▶ 訓練経費:25万円/1人
▶ 4人受講する場合:100万円/4人
⑶助成された内容
適用される助成率と額
▶ 経費助成:75%(中小企業)
▶ 賃金助成:1時間あたり960円(中小企業)
今回の訓練を実施した場合
▶ 経費に対する助成:75万円(25万円×75%×4人)
▶ 賃金に対する助成:115,200円(30時間×960円×4人)
⑷得られた成果
▶ 新規事業を立ち上げ、新技術を活用した新製品や新サービスの開発・製造などを開始することができました。
助成金受給のための手続きの流れ
Step1 推進者の選任と周知
⑴ 職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定・自社の労働者に対する周知する
Step2 計画の提出
⑴ 事業内職業能力開発計画に基づき、職業訓練実施計画を作成する
⑵ 作成した必要書類を訓練開始日の1か月前までに管轄労働局に提出する
① 主な提出書類
▶ 所定の様式
・ 職業訓練実施計画届
・ 事業展開等実施計画
・ 訓練別の対象者一覧 など
▶ 添付書類
・ 訓練内容を確認できるカリキュラム
・ 訓練期間中の労働条件がわかるもの(雇用契約書の写しなど)など
Step3 訓練の実施
⑴ 職業訓練実施計画に基づき訓練を実施する
⑵ 支給申請までに、訓練にかかった経費全額を支払う
Step4 助成金の申請
⑴ 訓練終了日の翌日から2か月以内に、必要書類を管轄労働局に申請する
① 主な提出書類
▶ 所定の様式
・ 支給申請書、賃金助成の内訳等助成額を算定した書類
・ OFF-JT実施状況報告書 など
▶ 添付書類
・ 事業主が訓練費用を負担したことを確認できる振込通知書
・ 出勤簿、タイムカード、賃金台帳の写し など
各都道府県労働局の助成金申請窓口
URL: https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/toiawase.html
まとめ
「人材開発支援助成金」の事業展開等リスキリング支援コースは、新たな事業展開や成長に向けたリスクを乗り越えるための貴重な支援制度です。助成金を活用し、労働者の訓練を通じて知識や技能を習得させましょう。経費や賃金の一部が助成されることで、事業の成功に大きく貢献します。「人材開発支援助成金」の活用で、ビジネスの未来を見据え、成長を実現しましょう。お問い合わせは各都道府県労働局の助成金申請窓口へ。この助成金を活用し、事業を発展させましょう。