こども支援NISA構想とは?2026年度開始へ、ジュニアNISAからの変更点を解説
公開日: 2025.09.03
2025年9月3日更新
こども支援NISA構想が始動。2026年度改正へ、ジュニアNISAからの変更点と若者の資産形成を徹底解説
2026年度税制改正を目指す新構想。非課税枠の即時復活と、「ジュニアNISA」の課題を克服する新制度に大きな期待が寄せられています。
この記事のポイント
- 金融庁がNISA制度の改正を要望。売却した非課税投資枠が即時復活し、より柔軟な投資が可能に。
- 2023年末に終了した「ジュニアNISA」に代わる「こども支援NISA」構想が、金融庁とこども家庭庁の連携で本格始動。
- 村上世彰氏の逸話に学ぶ、幼少期からの金融経済教育の重要性。
- 新制度は2026年度の税制改正を目指しており、今後の動向から目が離せない。
NISAの新しい柔軟性:非課税枠の「即時復活」とは
まず注目すべきは、NISAの利便性を大きく向上させる「非課税投資枠の即時復活」案です。現行制度では、NISA口座で保有する商品を一度売却すると、その商品の簿価(取得価額)分の非課税枠が再利用可能になるのは翌年以降でした。これが、売却後すぐにでも再利用できるようになることで、投資家はより機動的にポートフォリオを見直すことが可能になります。
例えば、相場の変動に合わせて一部の投資信託を売却し、その資金で別の成長が期待される銘柄に乗り換える、といった戦略が格段に立てやすくなります。これは、長期的な資産形成を基本としつつも、市場の変化に柔軟に対応したいと考える多くの投資家にとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
ジュニアNISA終了を越えて:「こども支援NISA」構想が浮上
今回の改正案で、もう一つ大きな注目を集めているのが、NISAの対象を未成年者にも拡大するという案です。2023年末に「ジュニアNISA」が終了し、子供のための非課税投資制度が途絶えてしまったことを嘆く声は少なくありませんでした。今回浮上した「こども支援NISA」構想は、そうした親世代にとってまさに朗報と言えるでしょう。背景には、大学進学費用など、年々上昇を続ける教育費への備えを社会全体で支援する必要があるという認識があります。

伝説の投資家も実践?幼少期からの金融教育の重要性
「物言う株主」として知られる村上世彰氏には、幼い頃に父親から100万円を渡され「これで株を勉強し、自分で増やしなさい」と言われたという有名な逸話があります。このエピソードは、単なる資金提供ではなく、実践を通じた金融教育の重要性を象徴しています。
子供たちが自分のお金で投資を経験し、経済の仕組みを肌で学ぶ機会は非常に貴重です。「こども支援NISA」は、まさにその絶好の「生きた教材」となり得る可能性を秘めています。
どう変わる?「こども支援NISA」を徹底解剖(旧制度比較)
「こども支援NISA」は、過去のジュニアNISAの課題点を踏まえ、より利用しやすい制度設計が検討されています。金融庁とこども家庭庁が連携し、2026年度の税制改正での実現を目指しているこの新構想。まだ確定情報ではありませんが、現在予想されている内容を、廃止されたジュニアNISAと比較してみましょう。

項目 | 旧:ジュニアNISA (〜2023年で廃止) |
新:こども支援NISA (2026年以降の構想) |
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対象年齢 | 20歳未満(※後に18歳未満に) | 18歳未満も可能に |
年間投資枠 | 年間80万円 | 年間120万円に増額か? (現行のつみたて投資枠と同額) |
生涯非課税投資総額 | 最長5年(総額400万円) | 1800万円の生涯投資枠が適用? 未成年ならさらに拡大も? |
不人気の原因だったルール (換金・引出し制限) |
原則として、 名義人が18歳になるまで換金できない |
ジュニアNISA失敗を教訓に制限緩和か? 教育資金など必要な時に引出せるように? |
口座管理者 | 両親や祖父母など | 同様に親権者などが管理しつつ、投資教育を通じて未成年者本人の管理も可能に? |
ジュニアNISAの失敗から学ぶ、新制度への期待
ジュニアNISAが普及しなかった最大の理由は「原則18歳まで引き出せない」という厳しい制限でした。急な出費に対応できないこの仕様は、多くの家庭にとって大きなデメリットでした。「こども支援NISA」ではこの点が大幅に見直され、より柔軟な制度となることが期待されています。
今後の見通しと、私たちが準備すべきこと
この「こども支援NISA」構想は、まだ準備段階です。2026年度の税制改正で制度の概要が固まり、その後に具体的な開始時期や申込要件が決まる見通しです。まだ時間はありますが、子供たちの未来のための資産形成について、今から家族で話し合い、金融の知識を深めておくことが重要です。この新しいNISAが、日本の未来を担う子供たちの大きな力となることを期待しましょう。
参考動画:制度改正の背景を知る
関連リンク(公式サイト)