【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(3)

2023.06.11

事業再構築補助金の申請において注目すべきポイントを5つに分類し、前回の記事では2つ目のポイントを詳しく解説しました。今回はその続きとして、3つ目のポイントに焦点を当て、詳細に解説していきます。

前回の【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(2)では、事業再構築補助金の補助対象事業の8つの類型に関してそれぞれの「概要」と「補助率」を解説しました。
今回は補助対象事業の8つの類型に関してそれぞれの「要件」を解説します。

【参考】前回までの記事はこちら
【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(1)
【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(2)

1.8つの類型それぞれの補助対象事業の要件

8つの事業類型それぞれの補助対象の要件は以下のとおりです

①成長枠

要件
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金額が 3,000 万円を超える案件(卒業促進枠又は大規模賃金引上促進枠に合わせて申請する場合は、合算で補助金額が 3,000 万円を超える案件)は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)の確認を受けていること【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④ 取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
⑤ 事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること【給与総額増加要件】
※成長枠は、卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠のいずれかに同時に申請することが可能です。
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】
① 補助事業期間内に給与支給総額を年平均 6%以上増加させること
② 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること

②グリーン成長枠

グリーン成長枠には(エントリー)(スタンダード)のタイプがあります。

グリーン成長枠(エントリー)

要件
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金額が 3,000 万円を超える案件(卒業促進枠又は大規模賃金引上促進枠に合わせて申請する場合は、合算で補助金額が 3,000 万円を超える案件)は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)の確認をうけていること【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④ グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】
⑤ 事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること【給与総額増加要件】
※グリーン成長枠(エントリー)は、卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠のいずれかに同時に申請することが可能です。
<以下は第 1 回~第 9 回公募で補助金交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている場合の要件>
第 1 回~第 9 回公募で補助金交付候補者として採択された者(※)であっても、以下の⑥及び⑦を満たす者は、グリーン成長枠(エントリー)に申請することができます。ただし、第 1 回~第 9 回公募でグリーン成長枠で補助金交付候補者として採択されている事業者は、再度グリーン成長枠に応募することはできません。また、支援を受けることができる回数は 2 回が上限となります。
※補助金交付候補者として採択された事業を辞退した場合を除く。
⑥ 既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】
⑦ 既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】
① 補助事業期間内に給与支給総額を年平均 6%以上増加させること
② 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること

グリーン成長枠(スタンダード)

要件
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金額が 3,000 万円を超える案件(卒業促進枠又は大規模賃金引上促進枠に合わせて申請する場合は、合算で補助金額が 3,000 万円を超える案件)は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)の確認を受けていると【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④ グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】
⑤ 事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること【給与総額増加要件】
※グリーン成長枠(スタンダード)は、卒業促進枠、大規模賃金引上促進枠のいずれかに同時に申請することが可能です。
<以下は第 1 回~第 9 回公募で補助金交付候補者のとして採択されている又は交付決定を受けている場合の要件>
第 1 回~第 9 回公募で補助金交付候補者として採択された者(※)であっても、以下の⑥及び⑦を満たす者は、グリーン成長枠(スタンダード)に申請することができます。ただし、第 1 回~第 9 回公募でグリーン成長枠で補助金交付候補者として採択されている事業者が、再度グリーン成長枠に応募することはできません。また、支援を受けることができる回数は 2 回が上限となります。
※補助金交付候補者として採択された事業を辞退した場合を除く。
⑥ 既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】
⑦ 既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】
① 補助事業期間内に給与支給総額を年平均 6%以上増加させること
② 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること

③卒業促進枠

要件
① 成長枠又はグリーン成長枠に申請する事業者であること
② 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること【卒業要件】

④大規模賃金引上促進枠

要件
① 成長枠又はグリーン成長枠に申請する事業者であること
② 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること【賃金引上要件】
③ 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業終了後3~5年の間、従業員数を年率平均 1.5%以上増員させること【従業員増員要件】

⑤産業構造転換枠

要件
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事
業再構築要件】
② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)の確認を
受けていること【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④ 現在の主たる事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の新規事業を実施すること、または地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の 10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の 10%以上を占めること【市場縮小要件】
<以下は第 1 回~第 9 回公募で補助金交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている場合の要件>
第 1 回~第 9 回公募で補助金交付候補者として採択された者(※)であっても、以下の⑤及び⑥を満たす者は、産業構造転換枠に申請することができます。ただし、第 1 回~第 9 回公募でグリーン成長枠で補助金交付候補者として採択されている事業者(※)は、応募することができません。
なお、補助金額は、第 10 回応募申請時点における 1 回目採択分の採択額、交付決定額又は確定額のいずれか最も低い金額と第 10 回公募の産業構造転換枠の補助上限額との差額分を上限とします。また、支援を受けることができる回数は 2回が上限となります。
※補助金交付候補者として採択された事業を辞退した場合を除く。
⑤ 既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】
⑥ 既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】

⑥サプライチェーン強靱化枠

サプライチェーン強靱化枠は、対象経費等が異なるため、公募要領を分けております。サプライチェーン強靱化枠の
内容については、以下をご確認ください。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo_sc.pdf

⑦最低賃金枠

要 件
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④ 2022 年 1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対2019~2021 年の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%減少していること
(当該要件を満たさない場合は、2022年 1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3か月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可。)【売上高等減少要件】
⑤ 2021 年 10 月から 2022 年 8 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要件】

⑧物価高騰対策・回復再生応援枠

要件
① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
② 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
④ 以下(a)(b)のいずれかを満たすこと
(a)2022 年 1 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対 2019~2021 年の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%減少していること(当該要件を満たさない場合は、2022 年 1 月以降の連続する6か月のうち任意の3か月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3か月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可。)【売上高等減少要件】
(b)再生事業者(Ⅰ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中の者又はⅡ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3 年以内の者)であること【再生要件】

続きの解説は【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(4)で行います。お楽しみに!

事業再構築補助金に関する記事一覧はこちら

【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(1)

【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(2)

【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(3)

【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(4)

【ビジネスの救世主:事業再構築補助金】ここがポイント(5)

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