中小事業主の労災保険特別加入

2024.06.12

 中小事業主の労災特別加入とは、全国で約61万人の事業主が加入している制度です。

 本来法律上では、経営者や役員、そのほか経営者のご家族などは国の制度である労災保険に加入することはできません。なぜならば、労災保険はその対象を労働者としているためです。したがって労働者でない経営者等は業務上または通勤途上で事故に遭遇した場合でも労災保険から補償されません。

 中小事業主特別加入制度とは、労災保険は政府が運営する強制加入の保険制度です。この保険制度によりもし労働者が業務で被災した場合でも、労働者本人とその家族は生涯にわたって経済的に補償されます。しかし、経営者は労働者には該当しないため、政府の補償は一切ありません。したがって経営者は別で民間の高額な保険に加入しておかなければならないのが現状です。

 そこでこのような問題を回避するため、一定の要件を満たした中小企業の事業主については、特別に任意で労災保険に加入することが可能となっています。これにより業務で被災した場合でも事業主は労働者と同様に事業主本人とその家族を経済的に保護されることになります。

 このような制度を中小事業主の労災特別加入制度といいます。本来であれば加入できない経営者、役員、経営者のご家族などが国の制度である労災保険に加入できる制度です。

労災特別加入制度に加入した場合のメリットは、以下の保険給付が受けることができます。

✔ 国(政府)の保険だから業務上の傷病の場合でも治療費は全額補償される安心です。(療養補償給付)

✔ 通勤災害による傷病でも治療費は全額補償されます。(療養給付)

✔ 上記による休業が4日以上にわたるときには、休業4日目から1日につき給付基礎日額の80%が支給されます。(休業補償給付、休業給付)※労働者と違い、報酬が支払われていても労働できない状況であれば支給を受けることができます

✔ 上記のほか、労働者災害補償保険法に定められる以下の補償も受けることができます。
・障害補償給付(障害給付)、(遺族給付)、傷病補償年金(傷病年金)傷病補償年金(傷病年金)、(葬祭給付)、介護補償給付(介護給付)など

 以上が、中小事業主が労災特別加入制度に加入した場合のメリットです。

TEL:06-6484-7881

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