雇用調整助成金とキャリアアップ助成金は併給が可能か?
新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響で、事業主が受給することができる雇用調整助成金ですが、「キャリアアップ助成金と併給できるのか?」という質問が経営者の中で増えています。
具体的には以下のような質問です。
当社では有期社員を採用し、6か月後に正社員に転換しています。
転換後さらに6か月経てば「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」を申請できるので準備もしていましたが、新型コロナウイルスの影響で休業することになりその社員は全く勤務できていません。このような場合でも6か月経過すればキャリアップ助成金を申請することはできますか?
ちなみにこの期間、給料100%分の休業手当を支払う予定です。
キャリアアップ助成金は休業等で勤務した日が11日に満たない場合、1か月としてみなすことができません。したがって、勤務した日が11日以上ある月が6か月以上となるまでは申請はできません。しかし、今回のように100%の休業手当を支給する場合は、勤務した日に含まれますので申請することができます。なお支給要件の1つである「賃金の3%以上の増加(令和3年4月1日の改正により5%から3%へ引き下げ))」は求められますのでそのあたり注意が必要です。
キャリアアップ助成金の正社員化コースのQ&Aでは以下のように回答されています
抜粋:厚生労働省「キャリアアップ助成金Q&A」より
この通り、新型コロナウイルスによる事業主都合の休業で実際には勤務していない日であっても、給与の満額が支払われている場合は「勤務した日」に含まれるため、6か月が経過すれば申請は可能です。
ただし、キャリアアップ助成金には賃金の3%以上の増加も支給要件としてあるために注意が必要です。
賃金は3%以上増加できるか?
※令和3年4月1日の改正により5%から3%へ引き下げ
休業も含めた6か月間、賃金の3%以上増加は可能か?
キャリアアップ助成金(正社員化コース)では、転換後6か月経過することとあわせて、以下のとおり”賃金の3%以上の増加”も要件となっています。
したがって休業手当を100%支給したとしても、その賃金額が転換前の6か月間の3%以上となっているかはチェックする必要があるので注意が必要でです。
また、有給休暇を取得した日も「勤務した日」に含まれます。
また、新型コロナウイルスの感染予防のために自主的に有給休暇を取得している方もいます。この有給休暇を取得した日についても「勤務した日」として含まれます。
キャリアアップ助成金は令和4年度に改正が行われます
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