在宅勤務(テレワーク)で意外に多い出費とは?
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言に伴って、在宅勤務(=テレワーク)になっている方が多いと思います。
また雇用調整助成金という「社員を休ませたら会社がもらえる助成金」もクローズアップされ休業になっている方も多いでしょう。
このような状況で「コロナのおかげで出費が増えたよ・・・」という声もよく聞きます。たとえば「自宅をテレワーク環境にするための出費」です。これにはパソコンやZOOMを使ったテレビ会議のためのマイクなどがまず挙げられます。中にはAirPods(エアーポッズ)などがまず挙げられます。またそもそも「自宅にオフィススペースがない」という方は机やイスの購入からになってしまいます。
このような支出の中には”本来会社が負担すべきもの”もあると思います。
しかし実際にはすべて負担してくれることは少なそうです。理由としてはいろいろありますが「会社も大変だし・・・」とか「わざわざ会社に申告するのがめんどくさい」というのもありそうです。また「自宅での仕事になることで自由を得られているから」とか「この状況がそんなに長く続くわけじゃないし・・・」と、働く人側の一定の理解も影響してそうです。
そこで今回は「新型コロナの影響で在宅勤務による出費が増えてしまった」と悩んでいる方のために、税理士であり社会保険労務士である筆者がこの悩みについて分かりやすく解説したいと思います。
パソコン代、光熱費、食費、意外に在宅勤務は出費が多い
意外に多い出費は「食費、日用品代、趣味、娯楽費」
ちなみに、私のある知り合いがSNSで「在宅勤務で増えた主な出費」アンケートを行っていました。
そのアンケート結果は
1 お家ごはんで増えた「食費」
2 ついつい色々買ってしまう「日用品代」
3 お家時間充実のための「趣味・娯楽費」
というものでした。意外に・・・仕事に直接的な支出よりも間接的な支出の方が多くなっているようです。
要するに、家にいる時間が増えるための予想外出費が発生しているようですね。
さてテレワークによって直接的に増えた経費の話に戻ります。
「これまで副業していたので、あまり出費は出なかった」という方もいるようですが、やはり「ノートパソコンについていないテンキーを購入した」「本格的に仕事となるとマウスが必要なので買った」「フセン代、ペン代、ノート代など事務品をまとめて購入した」「テレビ会議用にいいイヤホンを購入した」ということは在宅勤務をしていると多いようです。
また「光熱費が増えている」「電話代が増えている」「安くすんでいた社食が食べれなくなった」「会社では飲み物が提供されていたが自分で購入しないといけなくなった」という声もあります。
出勤していない場合の通勤定期代はどうなるの?
そのまま支給されている通勤定期代は所得税の対象
一方で「在宅になっても通勤定期代(通勤費)はそのまま支給されている」というケースも多いようです。
こちらについては実際には所得税の対象になるでしょう。
本来、費用弁償としての通勤定期代(通勤費)ですが、そもそも在宅勤務で通勤していないということになれば、たとえ名目が通勤定期代でも経済的利益として所得税の対象になります。
「No.2508 給与所得となるもの」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2508.htm
「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2582.htm
「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm
では本題である「新型コロナで在宅勤務したときの経費は確定申告で還付できるか?」ついて次のページで解説します。
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在宅勤務でかかった経費は確定申告の経費にできるの?