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3分でわかる!相続税対策の贈与で「名義預金」と指摘されない3つのポイント

「名義預金」と指摘されない3つのポイント

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相続税対策の贈与で「名義預金」と指摘されないためのポイントを3分で理解できる内容にしました

相続税の調査で税務署員からよく指摘されるものの代表的なものに「名義預金」があります。
名義預金」という言葉をはじめて聞く方にとっても、実は意外に身近に発生していることが多いので、是非この記事を読んで理解を深めてください。しかも約3分で読める内容にしています。

名義預金」は、生前に自分の財産を子や孫のなどの親族に贈与しようとしたときに問題としてよく発生します。預金に限定せず、自分の親族へ財産贈与を実行するとき、注意を怠ればその贈与自体が否定されることがあります。それを「名義財産」と言います。「名義財産」とはすなわち、贈与したつもりの財産が、実は名義だけで相手への贈与行為が完了していない財産のことです。したがって”自分の財産のまま残っている状態”となり、のちに相続財産として相続税が課税されてしまいます

今回はこの「名義財産」について、そうならないための3つのポイントを、とりわけ指摘されやすい「名義預金」を例に確認します。

名義財産、名義預金とは?

名義財産・名義預金とは「名義人と実質的な所有者が違う財産や預金」のこと

名義財産」とは、その財産の名義人と実質的な所有者が別人である場合のその財産をいいます。
つまり「名義預金」とは、預金の名義人と実質的な預金の所有者が別人である場合のその預金をいいます。では以下で、例を見てみましょう。

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上記例では、祖母が孫にお金を贈与しています。贈与の方法は、お金を現物で渡すのではなく、孫名義の預金口座に入金しています。このような場合に「名義預金」と指摘されないためのポイントを3つ確認しましょう。

3つのポイント

ポイント1:通帳管理は誰がしていますか?

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その通帳を実質的に管理しているのが、贈与を受けた孫本人であることが重要

【例】では、“孫名義の預金口座”、とあります。しかし実際にこの口座を管理しているのは誰でしょうか。その通帳や印鑑、そしてキャッシュカードは誰が管理していますか?また“インターネットバンキング”と称して、インターネット上で取引できる場合そのログインIDやパスワードは誰が管理しているのでしょうか。

通常、名義人がその口座等を管理しているはずです。【例】の場合であれば、通帳や印鑑、キャッシュカード等は孫が管理し、孫自らが自由にこの口座からお金を引き出すことができるはずです。もしこれらを祖母が管理して孫が自由に引き出せないのであれば、その口座にあるお金は「名義預金」として祖母の財産となり得るでしょう。

預金が定期預金であった場合に、継続の意思や手続きは誰がしているのか、名義人である孫の住所等の異動があったとき誰がその手続きをしたのか、なども判断のポイントとなります。

ポイント2:印鑑は誰のものですか?

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使い回しは厳禁!通帳の印鑑やパスワードが贈与を受けた孫のものであることも重要

つぎに、口座開設に使用した印鑑は誰のものでしょうか。また、他の人の口座開設にもその印鑑を使いまわしていませんか。先ほどのパスワードについて、他の人の口座と同じパスワードを使っていませんか?

1つの印鑑を複数の人で使いまわしている、1つのパスワードを複数の人で使っている場合には”名義だけ”と捉えられてしまう可能性が高まります。もし、複数の人で使いまわしている場合には、なぜそのようなことになっているのか、誰が管理しているのか、”名義”でないことを第三者が聞いても納得できる説明が必要となるでしょう。

ポイント3:贈与の事実はありますか?

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「贈与」は①贈与するものと②贈与を受けるもの双方の意思表示と合意があってはじめて成立する

贈与とは、あげる側の「あげます」ともらう側の「もらいます」の双方の意思と合意があって、はじめて成立するものです。しかし「もらいます」がない、というケースを見受けます。つまり、あげることをもらう側に内緒にしておきたい、というものです。【例】の場合であれば、孫名義の口座はあるけれどその口座の存在を孫が知らない、というものです。これでは、もらう側の「もらいます」の意思がないということで、贈与の事実がないと判断されてしまうでしょう。

また過去の判例では、“贈与税の申告と納税”を、贈与の事実としての判断要素として加えているケースがあります。口座間の贈与であれば資金移動が客観的に判断しやすいのですが、現金による贈与など客観的な判断がしづらい場合、この“贈与税の申告と納税”は、判断要素としての役割は小さくないでしょう。そのため、贈与の事実として“贈与税の申告と納税 “を行っているのかどうか、というものもポイントといえそうです。ただしこの場合でも、【例】の場合であれば、孫がその贈与税の申告と納税の事実を全く知らないということでは問題外といえるでしょう

いつ指摘されるの?

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すぐに「名義預金」と判断されるわけではない!実際はその後の相続税申告後の税務調査で

名義財産」に該当するかどうか、その指摘は贈与を行ったときや贈与税の申告のときではなく、その後の相続税申告後での税務調査の過程においてされるものです。
相続税の税務調査の際には、亡くなった人(被相続人)の財産状況を確認する過程で、過去の資産の移動状況は必ず確認されます。特に資金移動は注目されますし、過去の贈与の状況、印影等の確認も当然ですが、受贈者側へのヒアリングもあります。その際に、もらった側がそのロ座の存在を知らない、つまり財産をもらった覚えがない、という回答をしてしまえば、「名義資産」と指摘されるのは間違いないでしょう。

またマイナンバーが開始されたことで、今後は容易に各人ごとの金融資産の保有状況を収集することが可能となりますこれは国内の金融機関だけでなく、海外の金融機関においても、その国との間で情報交換規定が結ばれていれば自動的に口座情報が交換されるため、容易に収集が可能です。
国は注力すべき項目の1つとして、富裕層に対する適正な課税を挙げています。無用な指摘を受けないよう、3つのポイントを確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか?
以上、相続税対策の贈与で問題になることが多い「名義預金」についてポイントにまとめお伝えしました。せっかく子や孫のために生前に作った預金や財産が、生前に適切な対策を取っておかなければ、相続税の課税対象になってしまいます。これらに十分注意し、正しい方法によって相続税対策を行いましょう

相続税対策ではこのほか養子縁組の活用もありますので以下も参考にしてください。

『3分で分かる!相続税対策で活用する養子縁組のメリットとデメリット』はコチラ↓↓↓
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