出張手当(旅費日当)をうまく活用した節税方法と社会保険料の見直しに取り組んでいますか?
出張が多い会社の場合には、出張手当(旅費日当)を支給した節税&社会保険料の見直しがお勧めです。
✳︎個人事業主の場合は、事業主自身への出張手当は支給できません。
出張手当(旅費日当)とは?
出張手当(旅費日当)とは、
「旅行中の食費及びにこれに伴う交通費・宿泊料以外の諸雑費に対する、実費弁償として支給される手当・日当」
をいいます。
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出張手当(旅費日当)を活用するポイントは?
導入のポイントは「実費弁償の費用として支給するもの」であること
ここで節税&社会保険料の見直しの観点からポイントとなるのが「実費弁償の費用として支給する」ということです。
「実費弁償の費用」だと支給を受ける個人は所得税が非課税となり、かつ会社にとっても経費(損金)となるため節税効果が大きくなります。
更には社会保険料算定の対象外にもなり節税だけでなく社会保険料の見直しの効果も生み出すのです。
出張手当(旅費日当)導入の注意点は?
導入の注意点は「一定の要件」をすべてクリアすること
この方法は”一定の要件”を満たした場合のみに限られます。
その要件を満たさない場合、出張手当(旅費日当)は会社の側では経費(損金)になるものの、支給を受けた個人(役員や従業員)は給与扱いになって所得税がかかってしまいます。またその結果結局は社会保険料の算定対象にもなってしまいます。
出張手当(旅費日当)導入による具体的な効果は?
そこで正しく一定の要件を満たしておれば、その効果として支給を受けた個人も給与扱いとはならず
所得税が非課税になります。
もちろん
住民税も非課税です。
さらには
社会保険料の算定対象にもなりません。
その結果
1.出張手当(旅費日当)を支払った会社は旅費交通費として経費になり法人税等(法人税、法人事業税、法人府民税、法人市民税)の節税が可能
2.出張手当(旅費日当)をもらった役員や従業員は給与扱いにならないので個人所得税(所得税、地方住民税)の節税が可能
3.出張手当(旅費日当)をもらった役員や従業員は社会保険の算定対象外となるため社会保険料の見直し(健康保険料及び年金保険料)が可能
となります。
出張手当(旅費日当)導入には「出張旅費規程」が必要
出張手当(旅費日当)を活用する場合、「出張旅費規程」の作成と整備をしましょう
ただし、税務上、出張手当(旅費日当)を非課税として認めてもらうには、最低限の準備として、会社で出張手当(旅費日当)に関する「出張旅費規程」を作成し、役職ごとに金額を定めておく必要があります。
また、出張手当(旅費日当)の金額は、妥当な範囲でないと税務署の調査や年金事務所の調査で否認・指摘され結局は個人の所得税が課され、社会保険料の算定対象にもなってしまいます。
「出張旅費規程」のポイント
そこで、税務署の調査や年金事務所の調査をクリアするために以下がポイントになります。
1.出張手当(旅費日当)の額について、同業種・同規模の会社と比べて高額過ぎることはないか?
2.出張手当(旅費日当)の額について、役員・従業員の間でバランスが保たれているか?
3.出張手当(旅費日当)の額を定めた「出張旅費規定」を整備しているか?
4.出張手当(旅費日当)の実際の支給等の取り扱いが、「出張旅費規程」にに基づいて忠実に運営されているか?
上記の4つの要件をクリアしていなければ、所得税や社会保険料がかかってくることになります。
「出張旅費規程」の具体例と効果
出張の多い事業ほどその効果は絶大です
たとえば「出張旅費規程」で
- 社長は 8,000円
- 取締役は 6,000円
- 一般社員は 4,000円
と定めていた場合で社長が年間100日、取締役が50日、全社員で年間200日出張している場合には、会社として約160万〜200万円を経費に計上でき、本人には所得税も社会保険料もかからないということになります。
年間で大きな節税、社会保険料の見直しの効果を生み出しそれは2年目以降も継続します。
出張手当(旅費日当)導入で消費税の節税も可能です
出張手当(旅費日当)の導入は「消費税」の節税も実現できます
さらに、もう一点は消費税に関するメリットについてです。
出張手当(旅費日当)は消費税の節税にもつながります。
上記の要件に基づいた出張手当(旅費日当)の支給は、消費税も支払ったことになり仕入税額控除(納付する消費税の減少)の対象にもなります。
2023年10月には、インボイス制度が導入されます。
たとえば年間売上1,000万未満の小規模事業者が、今までの「免税事業者」のままでいると得意先からの仕事がなくなる可能性があります。
これまでと同じく得意先から仕事を受けるには、消費税の課税事業者となり消費税の納税をしなくてはならなくなります。
そういう意味でも出張手当の活用による消費税節税のメリットは価値があるといえるでしょう。
また社会保険料の料率も毎年引き上げられていきます。是非早めの導入を検討しましょう。