令和3年、製造業にとって最大の補助金といわれる事業再構築補助金。
今回はこの事業再構築補助金について、製造業がこの補助金を受給するためのポイントをまとめました。
訪問された方が5分で理解できるように、おさえるべきポイントだけに絞ってご紹介します。
事業再構築補助金の内容は?
いつ申請できるの?
総額1兆1485億円の予算により複数回公募(=募集)される予定ですが、初回は2021年3月に公募開始され受付期間は1か月程度になります。
なお初回公募が最も申請が通りやすい(=採択という)と言われています。
補助金の金額は?
この補助金は100万から最大1億円まで補助されます。
補助率は?
通常枠で3分の2(特別枠では4分の3)が補助されます
・事業再構築補助金は複数回公募される。
・初回は2021年3月に公募開始で受付期間は約1か月
・初回の公募が通りやすい
・補助金は100万~1億まで
・補助率は通常3分の2(特別枠は4分の3)
主な条件は?
以下の3つが主な条件となります
1.売上が減っている
直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同じ3か月の合計売上高より10%以上減少していること
2.国が定義する「事業再構築」に取り組む
「事業再構築指針」に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うこと
※事業再構築指針の内容はこちらhttps://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf
3.認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
①事業再構築に関する計画を「認定経営革新等支援機関」と策定すること
※寺田税理士・社会保険労務士事務所は認定経営革新等支援機関です
②補助額が3,000万円を超える場合は金融機関(銀行など)とも一緒に計画を策定すること
金融機関が認定経営革新等支援機関である場合は、金融機関のみの策定で構いません。
・任意の3か月の売上を選択し過去の同月の合計より10%以上減少していること
・事業再構築に取り組むこと(詳細はこちらhttps://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin.pdf)
・認定経営革新等支援機関と一緒に計画を策定する
製造業が事業再構築補助金を受けるためのポイントは?
3月17日に事業再構築補助金の詳細が公表されましたのでその中から製造業がおさえるべきポイントを紹介します。
製造業が使いや事業再構築のパターンは?
以下の4つのケースが製造業にとって当てはまりやすいでしょう。
1.新分野展開・・・新たな製品等で新たな市場に進出する
2.事業転換・・・主な「事業」を転換する
3.業種転換・・・主な「業種」を転換する
4.業態転換・・・製造方法等を転換する
製造業が事業再構築補助金を受給するための4つのポイント
ではこれら4つのケースごとに補助金を受給するために製造業がおさえるべきポイントを簡単に紹介していきます。
ケース1.製造業が「新分野展開」で申請する場合
製造業が「新分野展開」の要件を満たす場合は以下のようなものが例として挙げられます。
例「航空機用部品を製造していた製造業者が、業界全体が業績不振で厳しい環境下の中、新たに医療機器部品の製造に着手し、5年間の事業計画期間終了時点で、医療機器部品の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定している場合」
です。
以下の下線部分を参考に自社の新分野展開を考えてください。
ケース2.製造業が「事業転換」で申請する場合
製造業が「事業転換」の要件を満たす場合は以下のようなものが例として挙げられます。
例「プレス加工用金型を製造している下請事業者が、業績不振を打破するため、これまで培った金属加工技術を用いて、新たに産業用ロボット製造業を開始し、5年間の事業計画期間終了時点において、産業用ロボット製造業の売上高構成比が、日本標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業となる計画を策定している場合」
です。
以下の下線部分を参考に自社の事業転換を考えてください。
ケース3.製造業が「業種転換」で申請する場合
製造業が「業種転換」の要件を満たす場合は以下のようなものが例として挙げられます。
例「コロナの影響も含め、今後ますますデータ通信量の増大が見込まれる中、生産用機械の製造業を営んでいる事業者が、工場を閉鎖し、跡地に新たにデータセンターを建設し、5年間の事業計画期間終了時点において、データセンター事業を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を策定している場合。」
です。
以下の下線部分を参考に自社の業種転換を考えてください。
ケース4.製造業が「業態転換」で申請する場合
製造業が「業態転換」の要件を満たす場合は以下のようなものが例として挙げられます。
例「健康器具を製造している製造業者が、コロナの感染リスクを抑えつつ、生産性を向上させることを目的として、AI・IoT技術などのデジタル技術を活用して、製造プロセスの省人化を進めるとともに、削減が見込まれるコストを投じてより付加価値の高い健康器具を製造し、新たな製造方法による売上高が、5年間の事業計画期間終了後、総売上高の10%以上を占める計画を策定している場合。」
です。
以下の下線部分を参考に自社の業態転換を考えてください。
製造業における事業再構築補助金のまとめ
いかがだったでしょうか。
みなさんお分かりになったかと思いますが製造業が事業再構築補助金を受給するうえで抑えるべきポイントは数点だけということがわかりますよね。
1.過去に製造等していた実績がないこと(業態転換の場合は過去に同じ方法で製造したことがない)
2.製造等に用いる主要な設備を変更すること
3.競合他社の多くが既に製造等している製品ではないこと(同業が既に製造している製品でも多くでなければ受給の可能性あり)
4.定量的に性能または効能が異なる(性能や効能の違いを数字で説明できること)
5.既存製品と新製品の代価性が低いこと(新たな製品が既存製品の売上げ減少に影響するものではないこと)
6.既存製品と新製品の顧客層が異なること(新たな顧客を創造できればよい)
7.3~5年後、新たな製品の売上高が全体の10%以上になる計画であること
業態転換の場合のみさらに
8.既存設備や店舗の縮小を伴うまたはデジタル化による省人化・自動化につながること
新たな取り組みを考えている製造業にとって事業再構築補助金はとても受給しやすい補助金だと言えます。
このチャンスを逃すことなく事前に検討し是非申請チャレンジしてみましょう。