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売上3,000万の建設業の場合、個人事業と法人事業どちらが得か。税金、社会保険料、将来の年金も考慮し試算してみた。

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売上3,000万の建設業の場合、個人事業と法人事業どちらが得か。税金、社会保険料、将来の年金も考慮し試算してみた。

今後建設業界では、社会保険未加入の事業所は仕事ができない

平成29年以降、社会保険未加入の建設事業所は仕事ができない

いま建設業界において、社会保険の加入推進の強化行われている。
平成29年(2017年)以降、社会保険の加入義務を果たしていない事業所は要注意である。
さかのぼること平成24年(2012年)、国土交通省は「平成29年までの5年計画で建設業で社会保険に加入していない事業所を100%加入させる」という目標を掲げ、同時に「下請け指導ガイドライン」(平成24年11月1日)において
「平成29年度以降は社会保険に加入していない事業所に対しては今後下請け契約をすべきではない」との見解も出した。

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税金・社会保険料・将来の年金も考慮し個人事業を法人事業を比較

税・社会保険料の負担だけでなく「将来もらえる年金額」も考慮し比較

そこで、建設業を行いつつまだ社会保険に加入していない個人事業主が、今後法人を設立し、社会保険に加入した場合、負担などはどうなるか。

これに関して今回は
① 税金
② 社会保険料
さらに
③ 将来もらえる年金額
も考慮して試算し、比較してみた。

試算するうえでの前提は以下のとおり

1 建設業で売上3,000万の個人事業主である
2 「社員給与」と「給与扱いすべき外注費」の合計が売上高の40%(=1200万円)
3 上記2の対象となる社員と外注の人数は5名である
4 利益が900万発生している
5 事業主は現在30歳、扶養している配偶者がいる
6 税金は個人所得税、個人住民税、事業税、法人税、法人市民税、法人事業税などすべてを考慮
7 社会保険料は事業主と社員の分のすべてを考慮
8 将来もらえる年金額は事業主と配偶者の分のみ考慮し70歳まで加入した場合を想定

上記の前提のもと、以下の4つのケースで比較する
ケース① 個人事業で社会保険は未加入
ケース② 個人事業で社員のみ社会保険は加入(常時5人以上の建設業は個人事業でも社会保険は強制加入のため)
ケース③ 法人事業で社会保険は加入、役員報酬は月10万(利益900万の約13%)
ケース④ 法人事業で社会保険は加入、役員報酬は月62万(利益900万の約82%)

『自営業の個人事業主が 法人設立(会社)にした場合の、 節税と社会保険加入のメリット』はコチラ↓↓↓
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試算1 税金と社会保険料負担の比較

事業形態 個人事業 法人事業

社会保険
加入なし

社会保険
社員のみ
任意加入

社会保険
加入
役員報酬
10万円

社会保険
加入
役員報酬
62万円
年間売上高 3300万 3300万 3300万 3300万
人件費・外注費 1200万 1200万 1200万 1200万
役員報酬 なし なし 120万 744万
事業利益 900万 900万 780万 156万
国民健康保険(夫婦) 73万 73万 なし なし
国民年金(本人) 20万 20万 なし なし
国民年金(妻) 20万 20万 なし なし
役員社会保険料
(本人負担)
なし なし 17万 105万
役員社会保険料
(会社負担)
なし なし 17万 105万
社員社会保険料
(本人負担)
なし 58万 58万 58万
社員社会保険料
(会社負担)
なし 58万 58万 58万
差引個人所得 787万 729万 なし なし
個人所得税等 224万 161万 0 113万
差引法人所得 なし なし 705万 0
法人税等 なし なし 194万 7万
税負担合計 224万 161万 194万 120万
役員社会保険
負担合計
113万 113万 34万 210万
社員社会保険
負担合計
なし 58万 58万 58万
社会保険負担合計 113万 171万 92万 268万
負担総合計 337万 332万 286万 388万

試算の結果
1 最も税負担が少なくなったのはケース②で1,611,000円
2 最も社会保険料負担が少なくなったのはケース③で906,000円
3 税負担・社会保険料負担を併せて最も少なくなったのはケース②で2,850,000円

ということになった。
ケース①やケース②の個人事業で続けるよりも、ケース③のとおり法人事業(=株式会社の設立など)にし、社員だけでなく事業主自身も役員報酬を10万円に設定して社会保険に加入すれば税金・社会保険料の負担総額は少なくなった。その差は年間で511,000円にもなった。今回の試算では事業主は30歳であるから、もしこのまま70歳まで続ければその差は20,440,000(2,044万円)万円までになる。しかもこの場合、社員も社会保険に加入しているため社員の離職も減り定着につながるだろう。そして法人事業のため対外的な信用も上がり、個人事業と比較し取引が増える可能性はとても高い。

試算2 将来受け取れる年金額の比較

次に、この4つのケースで「将来受け取れる年金額」の試算を行う。

事業形態 個人事業 法人事業

社会保険
加入なし

社会保険
社員のみ
任意加入

社会保険
加入
役員報酬
10万円

社会保険
加入
役員報酬
62万円
将来の国民年金
(本人)
80万 80万 80万 80万
将来の国民年金
(妻)
80万 80万 80万 80万
将来の厚生年金
(本人)
なし なし 28万 210万
将来の年金合計 160万 160万 188万 370万

試算の結果
1 税金と社会保険料の負担が少ないにも関わらず、将来受け取れる年金額が大きくなっているケースがある
2 社会保険料の負担が大きいと将来の年金が増える。
3 年金は高齢時に受け取るだけのものではなく、現役時代の障害や死亡をも保障してくれる

税金と社会保険料の負担額が最も少なかったケース③の方がケース①よりも年金額は年281,000円も増加している。したがって70歳でリタイアしたあと、平均寿命である80歳まで生きれば差額は281万円となる。また年金はなにも高齢時に受け取るだけのものではない。現役時代に生じた障害や死亡による保障として「障害年金」や「遺族年金」も含んでいる。したがって法人事業として社会保険しておけば役員報酬に応じた高額の障害年金や遺族年金を受け取ることもできるのである。

まとめ

今回の試算でまとめると、以下のとおりとなる。
要するに

1 法人化しても役員報酬を少なくすれば結果的に税金と社会保険料の全体的な負担額が減り、いっぽうで将来受け取れる年金は増える
2 もし役員報酬を上げればケース④のように社会保険料の負担額は増えるが、その負担は社会保険料のため将来受け取る年金が大きく増える
3 現役中の障害や死亡に対する保障(障害年金、遺族年金)が増える
4 結論として、“掛け捨ての税金負担”、よりも“将来の保障や貯蓄につながる社会保険料負担”にシフトした方が長期的にメリットが大きい。
ということとなる。

いかがだろうか。
このように「負担」といっても税金と社会保険料の間では大きく意味合いが違ってくる。
同じ負担をするのであれば、掛け捨ての税金よりも保障と貯蓄が伴う社会保険料の負担にするほうがいいのである。

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